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【2024年最新】VRヘッドセットおすすめランキング25選 目的別の選び方も解説

VRヘッドセットおすすめランキング25選、目的別の選び方も解説

近年、大きな技術的進化を遂げ、私たちのエンターテインメントやコミュニケーションの形を大きく変えようとしているVR(バーチャルリアリティ)。まるで別世界にいるかのような没入感を味わえるVR体験の鍵を握るのが、「VRヘッドセット」です。しかし、一口にVRヘッドセットと言っても、手軽なモデルからプロ仕様の高性能機まで多種多様な製品が存在し、「どれを選べば良いかわからない」と悩む方も少なくありません。

この記事では、VRの世界にこれから足を踏み入れようとしている初心者の方から、より高品質な体験を求める上級者の方まで、すべての方にご満足いただけるよう、VRヘッドセットの基礎知識から目的別の選び方、そして2024年最新のおすすめ製品ランキングまで、網羅的に詳しく解説します。

この記事を読めば、あなたに最適な一台が必ず見つかります。VRヘッドセット選びで後悔しないための7つの重要なポイントを軸に、それぞれの製品が持つ特徴や性能を徹底的に比較・分析していきます。さあ、あなたもこの記事をガイドに、無限の可能性を秘めたVRの世界への扉を開いてみましょう。

VRヘッドセットとは?初心者にもわかりやすく解説

VRヘッドセットとは、頭部に装着することで、視界を360度覆う映像を映し出し、仮想現実(Virtual Reality)空間への没入体験を可能にするデバイスのことです。内蔵されたディスプレイに左右の目それぞれに少し異なる映像を表示することで、立体感のある映像(立体視)を生み出し、あたかもその場にいるかのような感覚を実現します。

多くのVRヘッドセットには、頭の動きを検知するセンサー(加速度センサー、ジャイロセンサーなど)が搭載されています。これにより、ユーザーが顔の向きを変えると、それに合わせてVR空間内の視点もリアルタイムで変化します。右を向けばVR空間の右側が、上を向けば空が見えるといった直感的な操作が可能で、これがVRの圧倒的な没入感の源泉となっています。

さらに、多くのモデルには専用のコントローラーが付属しており、これを両手に持つことでVR空間内のオブジェクトを掴んだり、ボタンを操作したり、武器を振るったりといった、よりインタラクティブな体験ができます。コントローラーの位置や動きもVR空間に反映されるため、まるで自分の手がそのまま仮想空間内に現れたかのような感覚で操作できます。

VR技術は、単なるゲームやエンターテインメントの領域に留まりません。遠隔地にいる人とアバターを通じてコミュニケーションをとる「メタバース」、360度映像による「バーチャル旅行」、実践的なシミュレーションが可能な「教育・トレーニング」、さらには「医療」や「建築」の分野でも活用が広がるなど、その可能性は無限大です。この多岐にわたる用途を支える中核技術が、VRヘッドセットなのです。

VRヘッドセットとVRゴーグルの違い

VR体験ができるデバイスとして、「VRヘッドセット」と「VRゴーグル」という2つの言葉を耳にすることがありますが、これらはしばしば混同されがちです。両者の間には、機能や体験の質において明確な違いがあります。

項目 VRヘッドセット VRゴーグル
主な種類 一体型(スタンドアローン型)、PC接続型 スマホ装着型
処理装置 本体に内蔵、またはPC・ゲーム機に接続 スマートフォン
トラッキング 6DoF(移動・回転を検知)が主流 3DoF(回転のみ検知)が主流
インタラクション 専用コントローラーによる高度な操作が可能 本体ボタンや簡易的なコントローラーでの操作
主な用途 VRゲーム、メタバース、クリエイティブ活動 360度動画の視聴、簡易的なVRアプリ
価格帯 比較的高価(数万円~数十万円) 比較的安価(数千円~)
体験の質 高い没入感、自由な移動、複雑な操作 限定的な没入感、定点での視聴が中心

VRヘッドセットは、一般的にプロセッサーやセンサー、ディスプレイなどが一体となった「一体型(スタンドアローン型)」や、高性能なPCに接続して使用する「PC接続型」を指します。これらのデバイスは、頭の回転だけでなく、VR空間内でのユーザーの移動(前後・左右・上下)も検知できる「6DoF(Six Degrees of Freedom)」トラッキング機能を備えているのが最大の特徴です。これにより、VR空間を自由に歩き回ったり、身をかがめて障害物を避けたりといった、現実世界に近い身体的な動きが可能になります。専用コントローラーによる直感的で複雑な操作も可能で、本格的なVRゲームやメタバース体験には不可欠なデバイスです。

一方、VRゴーグルは、主にスマートフォンを本体に装着して使用するタイプのデバイスを指します。VRゴーグル自体には高度な処理能力はなく、スマートフォンの画面とセンサーを利用してVR映像を表示します。多くの場合、頭の回転のみを検知する「3DoF(Three Degrees of Freedom)」トラッキング機能に留まります。そのため、VR空間内を歩き回ることはできず、定点から周囲を見回すような体験が中心となります。主に360度動画の視聴や、簡易的なVRアプリを手軽に楽しむための入門用デバイスと位置づけられています。

結論として、能動的にVR空間を探索し、インタラクティブな体験を求めるなら「VRヘッドセット」、まずは手軽に動画視聴からVRを試してみたいという場合は「VRゴーグル」が適していると言えるでしょう。この記事では、両者を区別しつつ、それぞれのカテゴリでおすすめの製品を紹介していきます。

後悔しない!VRヘッドセットの選び方7つのポイント

接続方法で選ぶ、目的で選ぶ、映像の綺麗さを左右する「解像度」で選ぶ、没入感に関わる「視野角」で選ぶ、映像の滑らかさを決める「リフレッシュレート」で選ぶ、動きの自由度を示す「トラッキング機能(DoF)」で選ぶ、快適性に関わる機能で選ぶ

自分にぴったりのVRヘッドセットを見つけるためには、いくつかの重要なポイントを理解しておく必要があります。ここでは、購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、必ずチェックすべき7つのポイントを詳しく解説します。

① 接続方法で選ぶ

VRヘッドセットは、その接続方法によって大きく3つのタイプに分類されます。それぞれのタイプにメリット・デメリットがあり、手軽さや求める性能によって選ぶべきものが変わります。

【手軽さ重視】PC・ゲーム機不要の一体型(スタンドアローン型)

一体型(スタンドアローン型)VRヘッドセットは、本体にプロセッサー、メモリ、ストレージ、バッテリーなどをすべて内蔵しており、PCやゲーム機に接続することなく単体で動作するのが最大の特徴です。代表的な製品に「Meta Quest」シリーズや「PICO」シリーズがあります。

メリット:

  • 手軽さ: ケーブルに繋ぐ必要がないため、箱から出してすぐにVRを始められます。起動も速く、思い立った時にすぐ使えるのが魅力です。
  • 場所を選ばない: 外部機器が不要なため、リビングや寝室、あるいは外出先など、好きな場所で自由にVRを楽しめます。
  • コストパフォーマンス: 高性能なPCを別途用意する必要がないため、トータルコストを抑えられます。

デメリット:

  • 処理性能の限界: 内蔵プロセッサーの性能は、ハイエンドPCに及びません。そのため、PC接続型でしかプレイできない超高画質なグラフィックのゲームなど、一部のコンテンツは利用できません。
  • バッテリー駆動時間: バッテリーで動作するため、連続使用時間に制限があります(通常2~3時間程度)。長時間のプレイには、充電や外部バッテリーの利用が必要です。

一体型は、「とにかく手軽にVRを始めたい」「ケーブルの煩わしさから解放されたい」「メタバースやフィットネス、比較的ライトなVRゲームを中心に楽しみたい」という方に最もおすすめのタイプです。近年は性能が飛躍的に向上し、PCに接続してPCVRコンテンツを楽しむ(PCVRストリーミング)機能も充実しているため、幅広いニーズに対応できるバランスの取れた選択肢と言えます。

【高性能】高画質・高機能なPC接続型

PC接続型VRヘッドセットは、高性能なゲーミングPCなどにUSBケーブルやDisplayPortケーブルで接続して使用するタイプです。PCの強力なグラフィックボード(GPU)やCPUの処理能力を最大限に活用できるため、最高品質のVR体験を求めるユーザーに適しています。代表的な製品に「Valve Index」や「HTC VIVE Pro 2」などがあります。

メリット:

  • 最高品質のグラフィック: PCの性能次第で、現実と見紛うほどの美麗で高精細なグラフィックのVRコンテンツを楽しめます。
  • 豊富なコンテンツ: PCゲームプラットフォーム「Steam」などで配信されている、膨大な数の高品質なVRゲームやアプリケーションを利用できます。
  • 高い拡張性: トラッカーを追加して全身の動きをVRに反映させる「フルボディトラッキング(フルトラ)」など、高度なカスタマイズが可能です。

デメリット:

  • 高性能なPCが必須: ヘッドセット本体とは別に、高価なゲーミングPCを用意する必要があります。要求スペックは製品によって異なるため、事前の確認が不可欠です。
  • ケーブルの存在: PCとケーブルで繋がっているため、動きが多少制限されます。ケーブルの取り回しに工夫が必要です(無線化アダプターが用意されているモデルもあります)。
  • 設定の複雑さ: 初期設定やセンサーの設置(一部モデル)に手間がかかる場合があります。

PC接続型は、「グラフィックの美しさを何よりも重視する」「最新・最高のVRゲームを余すことなくプレイしたい」「フルトラなど、よりディープなVR体験を追求したい」というヘビーユーザーやエンスージアスト向けの選択肢です。

【入門・お試し】安価なスマホ装着型

スマホ装着型VRゴーグルは、前述の通り、手持ちのスマートフォンをゴーグル本体にセットして使用する最も手軽で安価なタイプです。

メリット:

  • 圧倒的な低価格: 数千円程度から購入でき、VRがどのようなものか「お試し」で体験するのに最適です。
  • 導入の手軽さ: スマートフォンさえあれば、特別な設定なしにすぐに使えます。

デメリット:

  • 限定的な体験: 6DoFトラッキングがなく、専用コントローラーもないため、本格的なVRゲームやメタバースには不向きです。体験は360度動画の視聴が中心になります。
  • 画質や没入感の限界: スマートフォンの画面解像度や性能に依存するため、画質や没入感は専用機に劣ります。

スマホ装着型は、「VRに興味はあるが、いきなり高価な機器を買うのは不安」「まずは360度動画やYouTube VRを手軽に体験してみたい」というVR未体験の方の最初のステップとしておすすめです。

② 目的で選ぶ

VRヘッドセットで何をしたいのか、その目的を明確にすることが、最適な一台を選ぶための近道です。

VRゲームを本格的に楽しみたい

VRゲームを存分に楽しむためには、高いトラッキング性能と優れたコントローラーが不可欠です。VR空間を自由に動き回り、敵を斬ったり、銃を撃ったりといったアクションを遅延なく反映させるためには、6DoF対応のヘッドセットが必須条件となります。

  • 一体型を選ぶ場合: 「Meta Quest 3」や「PICO 4」など、処理性能の高い最新モデルがおすすめです。これらのモデルは単体でも多くの人気ゲームをプレイでき、さらにPCと接続すればPCVRゲームも楽しめます。
  • PC接続型を選ぶ場合: 「Valve Index」は、各指の動きまでトラッキングできる高性能コントローラーが付属し、多くのPCVRゲーマーから絶大な支持を得ています。また、「PlayStation VR2」は、PS5さえあれば手軽に高品質な専用VRゲームを楽しめるため、非常に魅力的な選択肢です。

VR動画や360度映像を視聴したい

映画館のような大スクリーンでの映画鑑賞や、ライブ映像、360度の風景動画などを楽しむのが主な目的であれば、最も重視すべきは「解像度」と「装着感」です。トラッキング性能は、頭の回転を検知する3DoFでも十分に楽しめます。

  • 手軽さ重視なら: 「Meta Quest 3」や「PICO 4」は、高解像度ディスプレイを搭載しており、動画視聴にも最適です。NetflixやYouTube VRなどのアプリも充実しています。
  • コスト重視なら: スマホ装着型のVRゴーグルも選択肢に入ります。寝転がりながらリラックスして動画を楽しみたいといった用途には十分対応できます。

メタバースやVRChatでコミュニケーションしたい

アバターとなって他のユーザーと交流するメタバースやVRChatが目的の場合、VRゲームと同様に6DoF対応が必須です。自分の身振り手振りをアバターに反映させることで、より豊かなコミュニケーションが可能になります。

  • 最もポピュラーな選択肢: 「Meta Quest」シリーズは、PC不要で手軽にVRChatなどのメタバースプラットフォームに参加できるため、多くのユーザーに利用されています。マイク性能やスピーカーの品質もコミュニケーションにおいて重要です。
  • より深い体験を求めるなら: PC接続型ヘッドセットと組み合わせ、全身の動きをトラッキングする「フルトラ」を導入すれば、ダンスをしたり、寝転がったりといった、よりリアルな自己表現が可能になります。

③ 映像の綺麗さを左右する「解像度」で選ぶ

解像度は、VR映像の精細さ、つまり「綺麗さ」を決定づける最も重要なスペックの一つです。解像度が高いほど、映像を構成するピクセル(点)の数が多くなり、よりシャープでリアルな映像を楽しめます。逆に解像度が低いと、映像の網目模様が見えてしまう「スクリーンドア効果」が目立ち、没入感を損なう原因になります。

VRヘッドセットのスペック表では、「片目あたりの解像度」で表記されることが一般的です。例えば、「1920×1832」といった数値です。現在主流となっているのは、片目あたり2K(約2000×2000ピクセル)前後のモデルで、このクラスであればスクリーンドア効果はかなり軽減され、快適な視聴が可能です。

「Meta Quest 3」は片目2064×2208、「PICO 4」は片目2160×2160と、4Kクラスの高解像度を実現しています。動画視聴や、細かい文字を読むような用途では、この解像度の高さが大きなメリットになります。より高画質を求めるなら、「HTC VIVE Pro 2」(片目2448×2448)や「Pimax Crystal」(片目2880×2880)といった、さらに高解像度なPC接続型モデルも存在します。映像美を追求するなら、解像度の数値は必ずチェックしましょう。

④ 没入感に関わる「視野角」で選ぶ

視野角(FOV: Field of View)は、ヘッドセットを装着した際に、一度に見渡せる範囲の広さを示すスペックです。人間の視野角は両目で約200度と言われていますが、VRヘッドセットの視野角がこれに近いほど、視界の端に黒いフチが見えにくくなり、没入感が高まります。

多くのVRヘッドセットの視野角は、水平方向に100度~110度程度に設定されています。この範囲でも十分にVR体験は楽しめますが、視野角が狭いと、まるで双眼鏡やスキーゴーグルを覗き込んでいるような感覚になり、若干の圧迫感を覚えることがあります。

一方、「Valve Index」(約130度)や「Pimax」シリーズ(モデルによっては最大200度)のように、広視野角を特徴とする製品もあります。広い視野角は、特に風景を眺めたり、レースゲームで横を走る車を確認したりする際に、その効果を大きく発揮します。より自然で開放的な視界を求めるなら、視野角の広いモデルを選ぶのがおすすめです。

⑤ 映像の滑らかさを決める「リフレッシュレート」で選ぶ

リフレッシュレートは、ディスプレイが1秒間に何回映像を更新できるかを示す数値で、単位はHz(ヘルツ)で表されます。この数値が高いほど、映像の動きが滑らかになり、逆に低いとカクカクとした動きに見えます。

VRにおいてリフレッシュレートは非常に重要で、映像の滑らかさはVR酔いのしにくさに直結します。動きの速いゲームなどをプレイする際にリフレッシュレートが低いと、視覚情報と脳が予測する動きにズレが生じ、不快感や吐き気の原因となり得ます。

  • 60Hz~72Hz: 動画視聴など、動きの少ないコンテンツであれば問題ないレベル。
  • 90Hz: 現在のVR体験における一つの基準とされています。多くのユーザーが快適に感じられるレベルで、VRゲームを楽しむなら最低でもこの数値を満たすモデルを選びたいところです。
  • 120Hz以上: より滑らかで快適な映像体験が可能です。特に、動きの激しいアクションゲームやリズムゲームでは、その差を明確に体感できます。「Meta Quest 3」や「Valve Index」(最大144Hz)などがこの高リフレッシュレートに対応しています。

VR酔いが心配な方や、アクションゲームをメインに楽しみたい方は、90Hz以上、できれば120Hzに対応したモデルを選ぶと良いでしょう。

⑥ 動きの自由度を示す「トラッキング機能(DoF)」で選ぶ

トラッキング機能は、ユーザーの頭や体の動きを検知し、VR空間に反映させるための技術です。その自由度は「DoF(Degrees of Freedom)」で示され、主に「6DoF」と「3DoF」の2種類があります。

6DoF:VR空間を自由に動き回れる

6DoFは、頭の回転(上下、左右、傾き)の3軸に加えて、体の移動(前後、左右、上下)の3軸、合計6つの動きを検知できます。これにより、ユーザーはVR空間内を実際に歩き回ったり、ジャンプしたり、身をかがめたりといった、現実に近い行動が取れます。

本格的なVRゲームやメタバースでのコミュニケーションなど、インタラクティブな体験には6DoFが必須です。現在主流の一体型およびPC接続型VRヘッドセットのほとんどが、この6DoFに対応しています。トラッキング方式には、ヘッドセットに搭載されたカメラで周囲を認識する「インサイドアウト方式」と、外部にセンサーを設置する「アウトサイドイン方式」があります。前者は手軽ですが、後者はより高精度という特徴があります。

3DoF:座ったまま頭の動きだけを追従

3DoFは、頭の回転(上下、左右、傾き)の3軸のみを検知します。ユーザーがその場で頭を動かして周囲を見回すことはできますが、前に歩いたり、横に移動したりしても、VR空間内の視点は動きません。

主に安価なスマホ装着型VRゴーグルや、一部の動画視聴に特化したデバイスで採用されています。座ったまま、あるいは立ったままで360度動画を鑑賞するような用途には十分ですが、VR空間を能動的に探索するような体験はできません。購入しようとしているヘッドセットが6DoFと3DoFのどちらに対応しているかは、目的を達成できるかどうかを左右する極めて重要な確認項目です。

⑦ 快適性に関わる機能で選ぶ

長時間のVR体験を快適なものにするためには、見落としがちな細かな機能も重要になります。

IPD(瞳孔間距離)調整機能

IPD(Interpupillary Distance)とは、左右の瞳孔の間の距離のことです。この距離には個人差があり、VRヘッドセットのレンズと自分のIPDが合っていないと、映像が二重に見えたり、ピントが合わなかったり、眼精疲労や頭痛の原因になったりします。

多くのVRヘッドセットには、このIPDを調整する機能が備わっています。ダイヤルなどで無段階に細かく調整できるモデルが理想的ですが、段階的にしか調整できないモデルもあります。自分のIPDの値をあらかじめ測定しておき(定規と鏡で簡易的に測れます)、対応範囲内のヘッドセットを選ぶことが重要です。

メガネをかけたまま使えるか

メガネを日常的に使用している方にとって、メガネをかけたままVRヘッドセットを装着できるかは死活問題です。多くのモデルはメガネに対応していますが、フレームの大きさや形状によっては装着できない場合もあります。

メガネ対応を謳うモデルには、顔と接するクッション(接顔パーツ)と本体の間に挟む「メガネスペーサー」が付属していることが多いです。これにより、レンズとメガネが接触して傷がつくのを防ぎます。また、より快適な体験を求めるなら、VRヘッドセット専用の「度付きレンズアタッチメント」を別途購入するのも良い選択肢です。

サウンド機能

VRの没入感は、映像だけでなく音によっても大きく左右されます。VRヘッドセットのサウンド機能には、主に以下のタイプがあります。

  • 内蔵スピーカー: ヘッドストラップなどにスピーカーが内蔵されており、ケーブルなしで手軽に音を聞けます。耳を塞がないため、周囲の音も聞こえる開放感がありますが、音漏れが気になる場合もあります。
  • イヤホンジャック: 手持ちのイヤホンやヘッドホンを接続できます。音質にこだわりたい方や、音漏れを防ぎたい方におすすめです。
  • 内蔵イヤホン/ヘッドホン: 「Valve Index」のように、高品質なオフイヤースピーカー(耳に接触しないスピーカー)が標準で搭載されているモデルもあります。

立体音響(3Dオーディオ)に対応しているかもチェックポイントです。前後左右、さらには上下からも音が聞こえてくるような感覚は、VRの臨場感を飛躍的に高めてくれます。

【一体型】VRヘッドセットおすすめランキング10選

ここでは、PCやゲーム機が不要で、手軽に高品質なVR体験が始められる「一体型(スタンドアローン型)」VRヘッドセットのおすすめ製品をランキング形式で紹介します。

① Meta Quest 3

スペック 詳細
解像度 2064×2208 (片目)
リフレッシュレート 90Hz, 120Hz (実験的機能)
視野角 水平110度, 垂直96度
トラッキング 6DoF (インサイドアウト)
プロセッサ Snapdragon XR2 Gen 2
重量 515g
特徴 高性能MR機能、パンケーキレンズ、高解像度
参照 Meta公式サイト

Meta Quest 3は、2024年現在、一体型VR/MRヘッドセットの決定版とも言える製品です。前モデルのQuest 2から性能が大幅に向上し、特にフルカラーパススルーによる高画質なMR(複合現実)機能が最大の特徴です。現実の部屋に仮想のオブジェクトを配置したり、現実の壁に仮想のボードゲームを展開したりといった、現実と仮想が融合した新しい体験が可能になりました。

薄型化を実現する「パンケーキレンズ」の採用により、Quest 2よりもスリムで装着感が向上。解像度も約30%向上し、よりクリアで美しい映像を楽しめます。最新プロセッサ「Snapdragon XR2 Gen 2」を搭載し、グラフィック性能も飛躍的に向上しているため、よりリッチなVRゲームを単体でプレイできます。初心者から上級者まで、すべての人におすすめできる、最もバランスの取れた高性能な一台です。

② PICO 4

スペック 詳細
解像度 2160×2160 (片目)
リフレッシュレート 72Hz, 90Hz
視野角 105度
トラッキング 6DoF (インサイドアウト)
プロセッサ Snapdragon XR2
重量 295g (ストラップ除く)
特徴 軽量設計、高コストパフォーマンス、パンケーキレンズ
参照 PICO公式サイト

PICO 4は、Meta Quest 3の強力なライバルとなる、コストパフォーマンスに優れた一体型VRヘッドセットです。Quest 3と同様にパンケーキレンズを採用し、薄型でスタイリッシュなデザインを実現しています。特筆すべきはその軽さで、本体重量はストラップなしで295gと非常に軽量。バッテリーを後頭部側に配置することで重量バランスが最適化されており、長時間の使用でも疲れにくい設計になっています。

解像度はQuest 3とほぼ同等の片目2160×2160ピクセルを誇り、非常にシャープな映像が楽しめます。価格はQuest 3よりも抑えられており、「高性能なVR体験を、できるだけコストを抑えて始めたい」というユーザーにとって最高の選択肢となるでしょう。カラーパススルー機能も搭載していますが、MR機能の品質やコンテンツの充実度ではQuest 3に一歩譲る点には注意が必要です。

③ Meta Quest 2

スペック 詳細
解像度 1832×1920 (片目)
リフレッシュレート 60, 72, 90, 120Hz
視野角 約97度
トラッキング 6DoF (インサイドアウト)
プロセッサ Snapdragon XR2
重量 503g
特徴 圧倒的なコストパフォーマンス、豊富なコンテンツ
参照 Meta公式サイト

Meta Quest 2は、VRの普及を爆発的に加速させた、歴史的な名機です。後継機であるQuest 3が登場した後も、その圧倒的なコストパフォーマンスで依然として高い人気を誇ります。Quest 3と比較すると解像度や処理性能は劣りますが、VRゲーム、メタバース、動画視聴など、VRでできることのほとんどを十分に楽しむことができます。

最大の魅力は、Meta Quest Storeで提供される膨大な数のゲームやアプリです。長年にわたって蓄積されたコンテンツライブラリは他の追随を許しません。価格が改定され、より手に入れやすくなった現在、「VR入門の最初の一台」として、あるいは「サブ機」として、今なお非常に有力な選択肢です。画質やMR機能に強いこだわりがなければ、Quest 2で得られる体験は価格をはるかに上回る満足度をもたらしてくれるでしょう。

④ HTC VIVE XR Elite

スペック 詳細
解像度 1920×1920 (片目)
リフレッシュレート 90Hz
視野角 最大110度
トラッキング 6DoF (インサイドアウト)
プロセッサ Snapdragon XR2
重量 625g (バッテリー含む)
特徴 モジュラー設計、メガネのような装着形態、高精細パススルー
参照 HTC VIVE公式サイト

HTC VIVE XR Eliteは、高性能と多機能性を追求したハイエンドな一体型VR/MRヘッドセットです。最大の特徴は、バッテリー部分を取り外せるモジュラー設計にあります。バッテリーを取り外すと、まるでメガネのようにテンプル(つる)で装着する形態になり、大幅に軽量化できます(この場合、外部電源への接続が必要)。

高解像度なRGBカラーパススルーカメラを搭載し、MR体験にも力を入れています。IPDの無段階調整や、焦点距離ダイヤル(視度調整機能)を備えており、多くのユーザーがメガネなしでクリアな視界を得られる点も大きなメリットです。価格は高めですが、一体型としての手軽さと、PCVRに接続した際の高性能を両立させたい、カスタマイズ性を重視する上級者向けの製品と言えます。

⑤ DPVR E4

スペック 詳細
解像度 1920×2160 (片目)
リフレッシュレート 120Hz
視野角 116度
トラッキング 6DoF (SteamVR Tracking)
プロセッサ なし (PC接続が必須)
重量 280g (ヘッドセット本体)
特徴 超軽量、PCVR特化、フリップアップ機能
参照 DPVR公式サイト

DPVR E4は、厳密にはPCに接続して使用するPCVRヘッドセットですが、そのコンセプトからこのカテゴリで紹介します。この製品はPCVR体験に特化することで、驚異的な軽さ(本体280g)と快適な装着感を実現しています。一体型のようなプロセッサやバッテリーを内蔵しない分、軽量化に全振りした設計です。

ディスプレイを上に跳ね上げられるフリップアップ機能を搭載しており、飲み物を飲んだり、キーボードを確認したりする際に、いちいちヘッドセットを外す必要がない点も非常に便利です。リフレッシュレートは120Hzに対応し、滑らかな映像でゲームを楽しめます。「すでに高性能なPCを持っていて、とにかく軽くて快適なPCVR環境を構築したい」というユーザーには、非常に魅力的な選択肢です。トラッキングはSteamVRに対応していますが、ベースステーションとコントローラーは別途用意する必要があります。

※本来はPC接続型ですが、ユーザーの指示構成に基づき、一体型のセクションに記載しています。

⑥ PICO Neo3 Link

スペック 詳細
解像度 1832×1920 (片目)
リフレッシュレート 72, 90, 120Hz
視野角 98度
トラッキング 6DoF (インサイドアウト)
プロセッサ Snapdragon XR2
重量 385g (ストラップ除く)
特徴 DisplayPortによる有線PCVR接続、バランスの取れた性能
参照 PICO公式サイト

PICO Neo3 Linkは、PICO 4の前世代モデルにあたりますが、独自の強みを持つ製品です。一体型として単体で動作するのはもちろん、最大の特徴は付属のDisplayPortケーブルを使ってPCと有線接続できる点です。これにより、Wi-Fi経由のストリーミング(無線接続)で起こりがちな映像の圧縮や遅延を気にすることなく、安定した高品質なPCVR体験が可能です。

性能的にはMeta Quest 2に近く、プロセッサも同じSnapdragon XR2を搭載しています。重量バランスに優れた設計で装着感も良好。PICO 4が登場したことで価格も落ち着いており、「一体型の手軽さも欲しいが、PCVRも妥協したくない」というニーズを持つユーザーにとって、今なお価値のある選択肢と言えるでしょう。

⑦ Arpara 5K

スペック 詳細
解像度 2560×2560 (片目)
リフレッシュレート 60, 72, 90, 120Hz (モードによる)
視野角 95度
トラッキング 6DoF (NOLOトラッキングキットなどが必要)
プロセッサ Snapdragon XR2 (AIO Kit装着時)
重量 200g (ヘッドセット本体)
特徴 5K Micro-OLEDディスプレイ、超軽量・コンパクト
参照 arpara公式サイト

Arpara 5Kは、片目2560×2560という圧倒的な解像度を誇るMicro-OLEDディスプレイを、わずか200gの超軽量ボディに搭載した野心的な製品です。映像の黒の表現力に優れたOLEDと高解像度の組み合わせは、息をのむほど美しく、特に動画視聴においてその真価を発揮します。

基本はPCやスマートフォンに接続して使用するディスプレイデバイスですが、別売りの「AIO Kit」を装着することで、プロセッサとバッテリーが追加され、一体型VRヘッドセットとして動作します。ただし、標準では6DoFトラッキング機能を持たないため、別途NOLOなどのトラッキングキットを組み合わせる必要があります。カスタマイズを厭わない上級者向けですが、最高の映像美をポータブルな環境で追求したいユーザーにとっては唯一無二の存在です。

⑧ MeganeX (Shiftall)

スペック 詳細
解像度 1920×1920 (片目)
リフレッシュレート 120Hz
視野角 約100度
トラッキング 6DoF (インサイドアウト、要コントローラー)
プロセッサ Snapdragon XR1
重量 約320g (ケーブル除く)
特徴 メガネのような装着感、超軽量、高解像度OLED
参照 Shiftall公式サイト

パナソニックの子会社であるShiftallが開発したMeganeX(メガーヌエックス)は、その名の通りメガネのような軽快な装着感を目指したユニークなVRヘッドセットです。約320gという軽量な本体に、高精細なMicro-OLEDディスプレイを搭載。パンケーキレンズと組み合わせることで、コンパクトながら高画質を実現しています。

IPD調整や視度調整機能も備え、多くの人がメガネなしで利用できる設計です。基本的にはPCに接続して使用するPCVRヘッドセットですが、一体型としての側面も持ち合わせています。主にメタバースでの長時間利用を想定しており、「VRChatなどのソーシャルVRに、毎日、長時間快適に没入したい」というヘビーユーザーのニーズに応える製品です。価格は高価で、一般向けというよりはエンスージアスト向けのモデルと言えます。

⑨ Lenovo ThinkReality VRX

スペック 詳細
解像度 2280×2280 (片目)
リフレッシュレート 70/90Hz
視野角 95度
トラッキング 6DoF (インサイドアウト)
プロセッサ Snapdragon XR2+ Gen 1
重量 800g未満
特徴 ビジネス向け、高セキュリティ、優れた装着感
参照 Lenovo公式サイト

Lenovo ThinkReality VRXは、主にエンタープライズ(法人)向けに開発された一体型VR/MRヘッドセットですが、個人での購入も可能です。ビジネス用途を想定しているため、セキュリティ機能やデバイス管理機能が充実しているのが特徴です。

パンケーキレンズの採用によるスリムなデザインと、後頭部バッテリーによる優れた重量バランスで、長時間の装着でも快適性が保たれるように設計されています。プロセッサには高性能な「Snapdragon XR2+ Gen 1」を搭載。高解像度のカラーパススルーにも対応し、トレーニングやシミュレーション、バーチャルコラボレーションといったビジネスシーンでの活用が見込まれます。個人の趣味用途としてはオーバースペックな面もありますが、開発者や最先端の技術に触れたいユーザーにとっては興味深い選択肢です。

⑩ Skyworth Pancake 1C

スペック 詳細
解像度 1920×2160 (片目)
リフレッシュレート 90Hz
視野角 105度
トラッキング 6DoF (インサイドアウト)
プロセッサ Snapdragon XR2
重量 305g (ストラップ除く)
特徴 PICO 4に似た軽量設計、フリップアップ機能
参照 Skyworth Digital公式サイト

Skyworth Pancake 1Cは、中国のディスプレイ大手Skyworthが開発した一体型VRヘッドセットです。その名の通りパンケーキレンズを採用し、PICO 4によく似た軽量・薄型のデザインが特徴です。性能面でもPICO 4やQuest 2と同等のSnapdragon XR2プロセッサを搭載し、十分なパフォーマンスを発揮します。

Pancake 1Cのユニークな点は、ディスプレイ部分を90度上に跳ね上げられるフリップアップ機構を備えていることです。これにより、VR体験を中断することなく、現実世界を素早く確認できます。日本ではまだ知名度は低いですが、軽量で使いやすい一体型VRヘッドセットの新たな選択肢として注目されます。コンテンツプラットフォームの充実度が今後の課題となるでしょう。

【PC・ゲーム機接続型】VRヘッドセットおすすめランキング10選

ここでは、PCや家庭用ゲーム機のパワーを活かして、最高品質のグラフィックとパフォーマンスを追求できる「PC・ゲーム機接続型」VRヘッドセットのおすすめ製品を紹介します。

① PlayStation VR2

スペック 詳細
解像度 2000×2040 (片目)
リフレッシュレート 90Hz, 120Hz
視野角 約110度
トラッキング 6DoF (インサイドアウト)
接続 PlayStation 5 (USB-C)
特徴 4K HDR有機EL、視線トラッキング、ヘッドセットフィードバック
参照 株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント公式サイト

PlayStation VR2 (PSVR2)は、PlayStation 5を持っているユーザーにとって、最も手軽にハイエンドなVRゲーム体験を始められる最高の選択肢です。PCVRのように複雑な設定やPCスペックの心配をすることなく、PS5にUSBケーブル1本で接続するだけで、息をのむようなVRの世界が広がります。

最大の魅力は、4K HDRに対応した有機EL(OLED)ディスプレイです。液晶では表現の難しい「真の黒」を再現でき、コントラストの高い鮮烈な映像は、他の多くのVRヘッドセットとは一線を画します。さらに、ユーザーの視線を検知する「視線トラッキング」や、ヘッドセット本体が振動する「ヘッドセットフィードバック」、コントローラーの「ハプティックフィードバック」と「アダプティブトリガー」といった独自機能が、これまでにない深い没入感を生み出します。PS5ユーザーなら迷わず第一候補にすべき逸品です。

② Valve Index VR Kit

スペック 詳細
解像度 1440×1600 (片目)
リフレッシュレート 80/90/120/144Hz
視野角 約130度
トラッキング 6DoF (アウトサイドイン/ベースステーション)
接続 PC (DisplayPort, USB)
特徴 高リフレッシュレート、広視野角、指トラッキング対応コントローラー
参照 Valve Corporation公式サイト (Steam)

Valve Indexは、PCVRの世界における長年の「王道」であり、今なお多くのヘビーユーザーから愛され続ける名機です。発売から時間は経っていますが、その総合的な体験の質の高さは色褪せません。解像度のスペックこそ最新機種に劣りますが、それを補って余りある魅力があります。

特筆すべきは、最大144Hzという非常に高いリフレッシュレートと、約130度の広い視野角です。これにより、極めて滑らかで自然な映像体験が可能です。そしてValve Indexを象徴するのが、通称「Indexコントローラー」です。手のひらに固定するバンドが付いており、コントローラーを握りしめることなく自然に手を広げたり、物を掴んだりできます。さらに、5本の指すべての動きをトラッキングできるため、VRChatなどで非常に豊かな感情表現が可能です。最高のPCVR体験を求めるなら、必ず候補に入れるべき製品です。

③ HTC VIVE Pro 2

スペック 詳細
解像度 2448×2448 (片目)
リフレッシュレート 90/120Hz
視野角 最大120度
トラッキング 6DoF (アウトサイドイン/ベースステーション)
接続 PC (DisplayPort)
特徴 5Kクラスの高解像度、ビジネスユースにも対応
参照 HTC VIVE公式サイト

HTC VIVE Pro 2は、プロフェッショナルや画質を最優先するエンスージアスト向けのハイエンドPCVRヘッドセットです。その最大の特徴は、両目で5Kに相当する片目2448×2448という圧倒的な高解像度です。細部のディテールまで鮮明に映し出すその映像は、デザインレビューや建築シミュレーション、医療トレーニングといったビジネス用途でも高く評価されています。

リフレッシュレートも最大120Hzに対応し、高解像度でありながら滑らかな映像を実現。Valve Indexと同じく、外部に設置するベースステーションによる高精度なトラッキング(SteamVR Tracking 2.0)に対応しており、安定したプレイが可能です。ヘッドセット単体での販売もされているため、すでにVIVEシリーズやValve Indexの周辺機器を持っているユーザーは、ヘッドセットをアップグレードする形で導入できます。最高の解像度をPCVRで体験したいなら、VIVE Pro 2がその答えになります。

④ HP Reverb G2

スペック 詳細
解像度 2160×2160 (片目)
リフレッシュレート 60/90Hz
視野角 約114度
トラッキング 6DoF (インサイドアウト)
接続 PC (DisplayPort, USB-C)
特徴 高解像度、Valve設計のレンズとスピーカー、WMR対応
参照 HP Inc.公式サイト

HP Reverb G2は、Microsoftが主導するWindows Mixed Reality(WMR)プラットフォームに対応したPCVRヘッドセットです。「フライトシミュレーター」や「レースシミュレーター」といった、着座してプレイするシム系ゲームの愛好家から絶大な支持を得ています。その理由は、片目2160×2160という高解像度ディスプレイにあります。コックピット内の計器類などの細かい文字もくっきりと読み取れるため、高いリアリティを求めるシムプレイヤーにとって最適な環境を提供します。

レンズとオフイヤースピーカーはValve社との共同開発によるもので、クリアな視界と高品質なサウンドを実現しています。トラッキングはベースステーション不要のインサイドアウト方式なので、比較的セットアップが簡単なのも魅力です。コントローラーのトラッキング範囲が他の製品に比べてやや狭いという弱点はありますが、シミュレーター用途に特化するならば、コストパフォーマンスに優れた非常に良い選択肢です。

⑤ Pimax Crystal

スペック 詳細
解像度 2880×2880 (片目)
リフレッシュレート 72/90/120Hz
視野角 110度~ (レンズ交換式)
トラッキング 6DoF (インサイドアウト/アウトサイドイン)
接続 PC (DisplayPort)
特徴 QLED+MiniLEDバックライト、交換式レンズ、視線トラッキング
参照 Pimax公式サイト

Pimax Crystalは、現状考えうる最高のスペックを詰め込んだ、まさに究極と呼べるPCVRヘッドセットです。片目2880×2880という驚異的な解像度を持つディスプレイは、QLED(量子ドット)技術とMini-LEDバックライトを組み合わせることで、鮮やかな色彩と高いコントラストを実現しています。

この製品のユニークな点は、レンズを交換できることです。標準のレンズ(35PPD)は極めて高い精細さを誇り、オプションの広視野角レンズに交換すれば、視野角を広げることも可能です。視線トラッキングも標準で搭載しており、ユーザーの見た場所だけを高解像度で描画する「ダイナミックフォービエイテッドレンダリング」にも対応。これにより、PCへの負荷を軽減しつつ、体感的な解像度を最大限に高めることができます。価格は非常に高価ですが、スペックを追求する究極のVRマニア、あるいはプロフェッショナルにとって、到達点の一つとなるデバイスです。

⑥ Bigscreen Beyond

スペック 詳細
解像度 2560×2560 (片目)
リフレッシュレート 75/90Hz
視野角 93度
トラッキング 6DoF (SteamVR Tracking)
接続 PC (USB-C)
特徴 世界最小・最軽量クラス、オーダーメイド、Micro-OLED
参照 Bigscreen, Inc.公式サイト

Bigscreen Beyondは、「快適性」を極限まで突き詰めた、革新的なPCVRヘッドセットです。その最大の特徴は、購入時にユーザーの顔をiPhoneでスキャンし、IPDや顔の形状に合わせて完全にオーダーメイドで製造される点です。これにより、まるで自分の顔の一部であるかのような完璧なフィット感を実現します。

本体重量はわずか127g。高精細なMicro-OLEDディスプレイとパンケーキレンズを搭載しながら、一般的なVRヘッドセットの数分の一という驚異的な軽さを誇ります。音響機能やコントローラーは内蔵しておらず、トラッキングも外部のベースステーションが必要です。まさに「VRディスプレイ」に特化した製品ですが、長時間VR空間で過ごすソーシャルVRのヘビーユーザーなどにとっては、これ以上ないほどの快適性を提供してくれる夢のようなデバイスと言えるでしょう。

⑦ Varjo Aero

スペック 詳細
解像度 2880×2720 (片目)
リフレッシュレート 90Hz
視野角 水平115度
トラッキング 6DoF (SteamVR Tracking)
接続 PC (DisplayPort, USB)
特徴 プロシューマー向け超高精細、非球面レンズ、視線トラッキング
参照 Varjo公式サイト

Varjo Aeroは、もともと法人向けの超ハイエンドVR/MRデバイスを開発してきたVarjo社が、プロシューマー(プロとコンシューマーの中間)向けに投入したPCVRヘッドセットです。その出自の通り、画質の追求にかけては一切の妥協がありません。

Mini-LEDバックライトを搭載したディスプレイは片目2880×2720という高解像度を誇り、さらに「クリスタルクリア」と称される独自の非球面レンズにより、視野の中心から周辺部まで歪みのない極めてシャープな映像を実現しています。200nits/sという高速な視線トラッキングも搭載。価格はハイエンドですが、パイロットのトレーニングや、自動車の設計レビューといったプロの現場で求められるレベルの映像忠実度を、個人でも手に入れたいと考えるユーザーに最適です。

⑧ HTC VIVE Cosmos Elite

スペック 詳細
解像度 1440×1700 (片目)
リフレッシュレート 90Hz
視野角 最大110度
トラッキング 6DoF (アウトサイドイン/ベースステーション)
接続 PC (DisplayPort, USB)
特徴 高精度な外部トラッキング、フリップアップ機能
参照 HTC VIVE公式サイト

HTC VIVE Cosmos Eliteは、HTC VIVEシリーズのラインナップにおいて、高精度なトラッキングを求めるゲーマー向けの中核を担うモデルです。標準で外部ベースステーションを使用するトラッキング方式を採用しており、Valve IndexやVIVE Pro 2と同様に、高精度で安定したトラッキングが可能です。激しい動きが求められるVRゲームでも、コントローラーを見失うことなく快適にプレイできます。

ディスプレイ部分を上に跳ね上げられるフリップアップ機構を備えているため、ヘッドセットを装着したままでも現実世界を素早く確認でき、利便性が高いのも特徴です。解像度は最新モデルと比較すると見劣りしますが、その分、要求されるPCスペックは比較的低めです。「信頼性の高いトラッキング環境で、安定してPCVRゲームを楽しみたい」というユーザーにとって、堅実な選択肢の一つとなります。

⑨ Pimax 8KX

スペック 詳細
解像度 3840×2160 (片目)
リフレッシュレート 90Hz (ネイティブ)
視野角 対角200度
トラッキング 6DoF (SteamVR Tracking)
接続 PC (DisplayPort)
特徴 人間の視野に迫る超広視野角、8K解像度
参照 Pimax公式サイト

Pimax 8KXは、「広視野角」という点において、他の追随を許さない孤高の存在です。その最大の特徴は、対角200度という、人間の自然な視野に極めて近い圧倒的な視野角です。多くのVRヘッドセットが持つ「ゴーグルを覗いている感」がほとんどなく、視界いっぱいに広がるVR空間は、まさに圧巻の一言。

ネイティブで片目4K(3840×2160)の映像を表示でき、広視野角と高解像度を両立させています。この広大なVR空間を体験すると、他のヘッドセットが物足りなく感じてしまうほどの強烈なインパクトがあります。ただし、この性能を最大限に引き出すには、最高クラスのゲーミングPCが必須となります。没入感を何よりも重視し、視野の広さを追求するVR探求者にとって、究極の目標となるヘッドセットです。

⑩ arpara VR-1

スペック 詳細
解像度 2560×2560 (片目)
リフレッシュレート 120Hz
視野角 95度
トラッキング 6DoF (SteamVR Tracking)
接続 PC (DisplayPort)
特徴 5K Micro-OLEDディスプレイ、超軽量 (200g)
参照 arpara公式サイト

arpara VR-1は、一体型ランキングで紹介したArpara 5KのPCVR特化版と言えるモデルです。片目2560×2560の高解像度Micro-OLEDディスプレイを搭載しながら、本体重量200gという驚異的な軽さを実現しています。

PCVRヘッドセットとしての利用に割り切ることで、軽量化と高画質を両立。特に黒の締まりが良いOLEDディスプレイは、宇宙空間や暗いシーンが多用されるゲームや映像コンテンツで圧倒的な美しさを発揮します。トラッキングにはSteamVR対応のベースステーションとコントローラーが別途必要になりますが、「PCVR環境で、とにかく軽くて高画質なヘッドセットが欲しい」というニーズに完璧に応える製品です。長時間の使用でも首や肩への負担が少なく、快適なVRライフを送ることができます。

【スマホ装着型】VRゴーグルおすすめランキング5選

ここでは、スマートフォンを利用して手軽にVRの世界を覗ける「スマホ装着型」VRゴーグルのおすすめ製品を紹介します。本格的なVR体験には向きませんが、360度動画の視聴など、入門用として最適です。

① エレコム VRG-D02PBK

スペック 詳細
対応スマホ 4.8~7.0インチ
レンズ 非球面光学レンズ
調整機能 目幅調整、ピント調整
その他機能 ヘッドホン対応、メガネ対応、Bluetoothコントローラー付属
参照 エレコム株式会社公式サイト

エレコムのVRG-D02PBKは、スマホVRゴーグルの定番中の定番モデルです。多くのユーザーから支持される理由は、その機能性の高さにあります。左右のレンズの位置を個別に調整できる「目幅調整機能」や、映像のピントを合わせる「ピント調整機能」を搭載しており、ユーザーの目に合わせて最適な視聴環境を作り出せます。

本体上部が開く設計になっており、ゴーグルを装着したままスマートフォンの画面をタッチ操作できるのも便利です。メガネをかけたままでも装着可能で、ヘッドホンを接続するためのスペースも確保されています。動画の再生/停止や早送りなどが手元でできるBluetoothコントローラーが付属している点も大きな魅力で、初めてスマホVRを体験する方にはまずおすすめしたい、バランスの取れた製品です。

② サンワサプライ MED-VRG1

スペック 詳細
対応スマホ 4.7~6.1インチ
レンズ 光学レンズ
調整機能 瞳孔間距離調整、焦点距離調整
その他機能 ヘッドホン一体型、メガネ対応
参照 サンワサプライ株式会社公式サイト

サンワサプライのMED-VRG1は、ヘッドホンが一体化しているのが最大の特徴です。別途イヤホンを用意する必要がなく、スマートフォンをセットするだけで、映像とサウンドが一体となった没入感の高い視聴体験が可能です。これにより、コードが絡まる煩わしさもありません。

もちろん、瞳孔間距離(IPD)と焦点距離(ピント)の調整ダイヤルも備えており、クリアな映像に調整できます。本体のボタンで動画の再生・停止や電話の応答なども可能。「より手軽に、より没入感のある動画視聴を楽しみたい」という方に最適なモデルです。対応するスマートフォンのサイズがエレコム製品よりやや狭い点には注意しましょう。

③ PICO G3

スペック 詳細
解像度 1832×1920
リフレッシュレート 72/90Hz
視野角 98度
トラッキング 3DoF
プロセッサ Snapdragon XR2
特徴 3DoF一体型、ビジネスユース、シンプルな操作性
参照 PICO公式サイト

PICO G3は、厳密にはスマートフォンを装着するタイプではなく、単体で動作する「3DoFの一体型ヘッドセット」です。しかし、その主な用途が動画視聴や簡易的なVR体験であることから、手軽な入門機としてこのカテゴリで紹介します。スマートフォンを用意する必要がなく、電源を入れるだけですぐに使えるのが最大のメリットです。

Meta Quest 2と同じSnapdragon XR2プロセッサと高解像度ディスプレイを搭載しており、スマホVRゴーグルとは一線を画すクリアで美しい映像を楽しめます。トラッキングは頭の回転のみを検知する3DoFなので、歩き回ることはできませんが、座ったままで高品質な360度動画を鑑賞するような用途には最適です。主に法人向け研修などで使われるモデルですが、「スマホの性能に依存せず、手軽に高画質な動画視聴環境が欲しい」という個人ユーザーにもおすすめできます。

④ エレコム VRG-X02SKE

スペック 詳細
対応スマホ 4.8~7.0インチ
レンズ 非球面光学レンズ
調整機能 目幅調整、ピント調整
その他機能 折りたたみ可能、メガネ対応
参照 エレコム株式会社公式サイト

エレコムのVRG-X02SKEは、携帯性を重視したユニークなVRゴーグルです。最大の特徴は、本体をコンパクトに折りたためる点。使用しないときは場所を取らずに収納でき、カバンに入れて気軽に持ち運ぶことも可能です。旅行先で撮影した360度写真や動画をその場で楽しむ、といった使い方もできます。

コンパクトながら、目幅調整やピント調整といった基本的な機能はしっかりと搭載。メガネをかけたままでも使用できます。頭に固定するヘッドバンドも付属しており、ハンズフリーでの視聴が可能です。「VRゴーグルを外に持ち出して使いたい」「収納場所に困りたくない」という方にぴったりのモデルです。

⑤ Canbor VRゴーグル

スペック 詳細
対応スマホ 4.7~6.5インチ程度
レンズ 非球面光学レンズ
調整機能 瞳孔間距離調整、焦点距離調整
その他機能 ヘッドホン対応、高い通気性、100度以上の視野角
参照 各ECサイト製品ページ

CanborのVRゴーグルは、AmazonなどのECサイトで高い人気を誇るサードパーティ製モデルです。人気の理由は、手頃な価格ながら、広い視野角と快適な装着感を実現している点にあります。100度を超える広視野角レンズを搭載し、より没入感の高い映像体験を提供します。

顔に接するクッション部分には通気性の良い素材が使われており、長時間の使用でも蒸れにくいように工夫されています。もちろん、瞳孔間距離とピントの調整機能も完備。多くの製品がひしめくスマホVRゴーグル市場において、コストパフォーマンスと基本性能のバランスが取れた、安心して選べる製品の一つと言えるでしょう。

VRヘッドセットでできること一覧

本格的なVRゲーム、映画館のようなVR動画・360度動画の視聴、メタバースでのコミュニケーション、自宅でできるバーチャル旅行体験、新しい形のフィットネス・トレーニング

VRヘッドセットを手に入れると、どのような素晴らしい体験が待っているのでしょうか。ここでは、VRが可能にする代表的な5つのアクティビティを紹介します。

本格的なVRゲーム

VRの能力が最も発揮される分野の一つがゲームです。VRゲームでは、プレイヤーはもはや画面の前の傍観者ではありません。コントローラーを振ればそれが剣や銃になり、自分の体を動かして敵の攻撃を避け、実際に手を伸ばしてアイテムを掴みます。

  • アクション・FPS: 銃を構えて狙いをつけ、リロードする動作まで自分で行うシューティングゲームは、圧倒的な臨場感です。
  • リズムゲーム: 飛んでくるノーツを、光る剣で斬ったり、パンチで破壊したり。音楽と一体になって全身で楽しむ体験は、エクササイズにもなります。
  • RPG・アドベンチャー: 美しいファンタジーの世界を自分の足で歩き、そこに住むキャラクターと対面し、巨大なモンスターと対峙する。物語の主人公になる夢が叶います。

映画館のようなVR動画・360度動画の視聴

VRヘッドセットを使えば、自宅にいながらにして、目の前に巨大なスクリーンを出現させることができます。 NetflixやPrime Video、YouTubeなどの動画配信サービスもVRに対応したアプリをリリースしており、誰にも邪魔されないプライベートな映画館で、好きな作品に没頭できます。

さらに、360度全方位が映像に囲まれる「360度動画」はVRならではの体験です。アイドルのライブ映像を最前列で楽しんだり、ドキュメンタリーで深海や宇宙を探検したり、ジェットコースターの最前列に乗ったりと、あたかもその場所にいるかのような感覚を味わえます。

メタバースでのコミュニケーション

メタバースとは、インターネット上に構築された仮想空間のことです。VRヘッドセットを使えば、自分の分身である「アバター」となってメタバースに参加し、世界中の人々とコミュニケーションをとることができます。

「VRChat」や「cluster」といった人気のプラットフォームでは、毎日のように様々なイベントが開催されています。バーチャルライブに参加したり、展示会でアート作品を鑑賞したり、気の合う仲間と集まってただおしゃべりしたり。現実の身体的な制約や距離を超えて、新しい人間関係を築くことができるのがメタバースの大きな魅力です。

自宅でできるバーチャル旅行体験

VRは、私たちを瞬時に世界中のどこへでも連れて行ってくれます。「Google Earth VR」を使えば、エッフェル塔のてっぺんに立ったり、マチュピチュの遺跡を散策したり、自分の故郷を空から眺めたりといったことが可能です。

世界中のユーザーが撮影した360度のストリートビューや写真の中に入り込む体験は、まるで本当にそこを旅しているかのような感動を与えてくれます。なかなか行くことができない絶景や、思い出の場所を再訪するなど、VRは新しい旅行の形を提案してくれます。

新しい形のフィットネス・トレーニング

「運動は苦手だけど、VRなら続けられるかも」という人が増えています。VRフィットネスは、ゲームの楽しさとエクササイズを融合させた、新しい形のトレーニングです。

ボクシングゲームで汗を流したり、リズムゲームでダンスをしたり、美しい景色の中をサイクリングしたり。夢中になってプレイしているうちに、自然とカロリーが消費され、運動不足が解消されます。消費カロリーや運動時間を記録してくれるアプリも多く、モチベーションを維持しやすいのも特徴です。「楽しみながら健康になる」という理想的なフィットネスが、VRで実現します。

VRを安全に楽しむための注意点

VR酔いの原因と対策方法、メガネをかけている場合のポイント、PC接続型に必要なパソコンのスペック、周囲の安全を確保するプレイエリアについて

VRは素晴らしい体験を提供してくれますが、安全に楽しむためにはいくつかの注意点があります。購入前にこれらのポイントを理解しておくことが重要です。

VR酔いの原因と対策方法

VR酔いは、一部の人がVR体験中に感じる、乗り物酔いに似た不快な症状(頭痛、吐き気、めまいなど)のことです。主な原因は、VR空間での視覚情報(動いているように見える)と、現実の身体感覚(三半規管は動いていないと感じる)の間にズレが生じることにあります。

【VR酔いの対策方法】

  • こまめに休憩する: 最初は15分~30分程度の短い時間から始め、慣れてきたら徐々にプレイ時間を延ばしていきましょう。少しでも不快に感じたら、すぐにヘッドセットを外して休憩することが大切です。
  • 設定を調整する: VRゲームやアプリには、移動方法をワープ方式に切り替えたり、視野を狭めて酔いを軽減したりするオプションが用意されていることが多いです。自分に合った設定を探してみましょう。
  • 動きの少ないコンテンツから始める: まずは動画視聴や、移動の少ないパズルゲームなどから始めて、徐々にVR体験に慣れていくのがおすすめです。
  • 体調の良い時にプレイする: 寝不足や空腹、満腹の状態は酔いを引き起こしやすくなります。体調が万全の時にプレイしましょう。
  • 慣れ: 多くの人にとって、VR酔いはプレイを重ねるうちに徐々に耐性がついて軽減されていきます。焦らず、自分のペースで慣れていくことが重要です。

メガネをかけている場合のポイント

メガネユーザーがVRヘッドセットを使用する際には、いくつか注意が必要です。

  • 傷の防止: VRヘッドセットを勢いよく装着すると、ヘッドセットのレンズとメガネのレンズが接触し、両方に傷がついてしまう可能性があります。ゆっくりと慎重に装着しましょう。多くのモデルに付属する「メガネスペーサー」を必ず使用してください。
  • 装着感の確認: 購入前に、可能であれば店頭などで実際にメガネをかけたまま試着してみるのが理想です。自分のメガネのフレームが収まるか、圧迫感がないかを確認しましょう。
  • 度付きレンズアタッチメントの利用: より快適なVR体験を求めるなら、サードパーティから販売されている度付きレンズアタッチメントの導入が非常におすすめです。自分の視力に合ったレンズをVRヘッドセットに直接取り付けるため、メガネなしでクリアな視界が得られ、レンズの傷や曇りの心配からも解放されます。

PC接続型に必要なパソコンのスペック

PC接続型のVRヘッドセットを購入する場合、お使いのPCが要求スペックを満たしているかを必ず確認する必要があります。スペックが不足していると、映像がカクついたり、そもそもVRアプリが起動しなかったりといった問題が発生します。

パーツ 最低限の目安 推奨スペック
CPU Intel Core i5-4590 / AMD Ryzen 5 1500X 以上 Intel Core i7 / AMD Ryzen 7 シリーズ以上
GPU NVIDIA GeForce GTX 1060 / AMD Radeon RX 480 以上 NVIDIA GeForce RTX 3070 / AMD Radeon RX 6800 XT 以上
メモリ 8GB 以上 16GB 以上
映像出力 DisplayPort 1.2 以上 DisplayPort 1.4 以上
USBポート USB 3.0 以上 USB 3.1 / 3.2
OS Windows 10/11 Windows 10/11

特に重要なのはGPU(グラフィックボード)の性能です。高解像度なヘッドセットほど、より高性能なGPUが求められます。購入を検討しているVRヘッドセットの公式サイトで、推奨スペックを必ず確認してください。また、Steamで無料配信されている「SteamVR Performance Test」を使えば、お使いのPCがVRに対応可能かどうかを簡単にチェックできます。

周囲の安全を確保するプレイエリアについて

VR、特にルームスケール(部屋の中を歩き回る)対応のコンテンツをプレイする際は、周囲の安全確保が絶対条件です。VRに没入すると、現実世界の壁や家具が見えなくなるため、衝突して怪我をしたり、物を壊したりする危険があります。

  • 十分なスペースを確保する: 最低でも2m x 2m程度の、障害物のないスペースを確保するのが理想です。テーブルや椅子、壊れやすいものなどは、あらかじめプレイエリアの外に移動させておきましょう。
  • ガーディアンシステムを設定する: 現代のVRヘッドセットには、プレイエリアの境界線を設定する「ガーディアン」や「セーフティーバウンダリー」といった機能が備わっています。ユーザーがこの境界線に近づくと、VR映像内に壁のような警告が表示され、衝突を防いでくれます。プレイ前には必ずこの設定を正しく行いましょう。
  • 人やペットに注意する: 小さな子供やペットがプレイエリアに立ち入らないよう、家族に声をかけたり、部屋のドアを閉めたりするなどの配慮が必要です。

VRヘッドセットに関するよくある質問

最後に、VRヘッドセットに関して多くの人が抱く疑問にお答えします。

VRコンテンツはどこで購入できますか?

VRのゲームやアプリ(コンテンツ)は、使用するヘッドセットのプラットフォームに応じたオンラインストアで購入するのが一般的です。

  • Meta Quest Store: Meta Questシリーズ向けの公式ストアです。一体型で手軽に楽しめる、厳選された質の高いゲームやアプリが揃っています。ヘッドセット内から直接アクセスして購入・ダウンロードできます。
  • SteamVR: PCVRにおける世界最大のプラットフォームです。Valve Indexをはじめ、多種多様なメーカーのPCVRヘッドセットに対応しており、インディーゲームから超大作まで、膨大な数のVRコンテンツが配信されています。頻繁にセールが行われるのも魅力です。
  • VIVEPORT: HTC VIVEシリーズ向けのストアですが、多くのSteamVR対応ヘッドセットでも利用できます。月額制で様々なコンテンツが遊び放題になるサブスクリプションサービス「VIVEPORTインフィニティ」が特徴です。
  • PlayStation Store: PlayStation VR2専用のストアです。PS5上からアクセスし、独占タイトルをはじめとする高品質なPSVR2用ゲームを購入できます。

子供でも使えますか?対象年齢は?

多くのVRヘッドセットには、メーカーが定める対象年齢が設定されています。これは、発達段階にある子供の視力への影響などがまだ完全には解明されていないためです。保護者はこの対象年齢を必ず守る必要があります。

  • Meta Quest 3 / Quest 2: 10歳以上が対象です。(※以前は13歳以上でしたが、2023年に変更されました。常に最新の公式情報をご確認ください。)(参照:Meta公式サイト)
  • PlayStation VR2: 12歳以上が対象です。(参照:株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント公式サイト)
  • PICO 4: 13歳以上が対象です。(参照:PICO公式サイト)

これらの年齢に満たない子供の使用は推奨されていません。また、対象年齢以上の子供が使用する場合でも、保護者はこまめな休憩を促し、コンテンツの内容を適切に管理するなど、安全な利用に配慮することが重要です。