PlayStation 5(PS5)の登場により、家庭用ゲーム体験は新たな次元へと進化しました。その進化の最前線に立つのが、次世代バーチャルリアリティ(VR)システム「PlayStation VR2(PSVR2)」です。まるでゲームの世界に直接入り込んだかのような、圧倒的な没入感とリアリティは、これまでのゲームの常識を覆すほどの衝撃を与えてくれます。
しかし、PSVR2を手に入れた、あるいは購入を検討している多くの人が抱く疑問は、「どのソフトで遊べば、その真価を最大限に体験できるのか?」ということでしょう。PSVR2には、息をのむような美しい世界を冒険する大作から、爽快感抜群のシューティング、心ゆくまで体を動かせるリズムゲームまで、多種多様なジャンルの魅力的なソフトが揃っています。
この記事では、PSVR2がもたらす革新的なVR体験の魅力から、購入前に知っておくべき注意点、そしてジャンル別に厳選した絶対ハマるおすすめソフト35本まで、徹底的に解説します。アクション、シューティング、レース、パズル、ホラーなど、あなたの好みにぴったりの一本が必ず見つかるはずです。
さあ、この記事をガイドに、あなたを待つ未知のVR世界へ旅立ちましょう。
目次
PlayStation VR2(PSVR2)とは
PlayStation VR2(PSVR2)は、PlayStation 5(PS5)専用に開発された、最先端の技術を搭載したバーチャルリアリティヘッドセットです。単に映像を360度表示するだけでなく、視線トラッキングやヘッドセットフィードバック、3Dオーディオといった革新的な機能により、プレイヤーをゲームの世界へと深く没入させます。ここでは、PSVR2の基本情報から価格、そして初代PSVRからの進化点まで、その全貌を解き明かしていきます。
PS5で楽しむ次世代のVRヘッドセット
PSVR2は、その名の通りPlayStation 5の性能を最大限に引き出すために設計されたVRシステムです。PS4向けに発売された初代PlayStation VR(PSVR)の後継機にあたり、あらゆる面で大幅なスペックアップを遂げています。
VR(バーチャルリアリティ)とは、コンピュータによって創り出された仮想空間を、あたかも現実であるかのように体験できる技術です。PSVR2を装着すると、視界は完全にゲームの世界に覆われ、首を動かせば360度、意のままに周囲を見渡せます。そこはもはやテレビ画面の向こう側にある世界ではなく、プレイヤー自身が「その場にいる」と感じられる空間です。
PSVR2が「次世代」と呼ばれる所以は、単なる映像美の向上だけに留まりません。後述する視線トラッキングやヘッドセットフィードバックといった機能が、視覚、聴覚、そして触覚にまで働きかけ、これまでにない次元の没入感を生み出します。例えば、ゲーム内でキャラクターの頭上を巨大なドラゴンが飛び去るシーン。4K HDRの美麗な映像でドラゴンの姿を捉え、3Dオーディオで羽ばたきが頭上を通り過ぎる音を聞き、そしてヘッドセットフィードバックでその振動を頭部に感じる。これら全ての感覚が一体となることで、プレイヤーは「本当にドラゴンがそこにいる」という強烈なリアリティを体験するのです。
PSVR2はPS5のパワフルな処理能力を背景に、これまで家庭用ゲーム機では実現が難しかった高品質なVR体験を提供します。PS5を持っている、またはこれから購入する予定があるユーザーにとって、PSVR2はゲームの楽しみ方を根底から変える可能性を秘めた、まさに究極の周辺機器と言えるでしょう。
PSVR2の価格と同梱物
PSVR2の購入を検討する上で、価格と何がセットになっているかは最も重要な情報の一つです。PSVR2には、主に2つのパッケージが存在します。
パッケージ名 | 希望小売価格(税込) | 主な同梱物 |
---|---|---|
PlayStation VR2 | 74,980円 | ・PS VR2ヘッドセット ・PS VR2 Senseコントローラー(L)/(R) ストラップ付属 ・USBケーブル(コントローラーのペアリングと充電用) ・ステレオヘッドホン ・イヤーピース3セット ・印刷物一式 |
PlayStation VR2 “Horizon Call of the Mountain” 同梱版 | 79,980円 | ・上記同梱物 ・PlayStation Store用「Horizon Call of the Mountain」のプロダクトコード |
※価格は2024年6月時点のものです。最新の情報は公式サイトをご確認ください。参照:PlayStation公式サイト
通常版は、PSVR2をプレイするために必要なものがすべて揃った基本パッケージです。一方の「”Horizon Call of the Mountain” 同梱版」は、通常版のセットに加えて、PSVR2の性能を存分に体験できるキラータイトル『Horizon Call of the Mountain』のダウンロード版が付属します。価格差は5,000円であり、『Horizon Call of the Mountain』を別途購入するよりもお得な設定になっています。初めてPSVR2を購入する方で、どのようなゲームをプレイすれば良いか迷っている場合には、この同梱版が非常におすすめです。
また、別売りアクセサリーとして「PlayStation VR2 Senseコントローラー充電スタンド」(希望小売価格:5,480円税込)も用意されています。コントローラーを置くだけで充電できるため、プレイ後の収納と充電が非常にスマートになります。
PSVR2のスペックを初代PSVRと比較
PSVR2が初代PSVRからどれほどの進化を遂げたのか、そのスペックを比較することでより深く理解できます。グラフィック、トラッキング、操作性、セットアップの簡便さなど、あらゆる面で飛躍的な向上が見られます。
スペック項目 | PlayStation VR2 | 初代 PlayStation VR (CUH-ZVR2) |
---|---|---|
ディスプレイ | 有機EL (OLED) | 有機EL (OLED) |
解像度 | 片目 2000 x 2040 | 片目 960 x 1080 |
HDR | 対応 | 非対応 |
リフレッシュレート | 90Hz, 120Hz | 90Hz, 120Hz |
視野角 | 約110度 | 約100度 |
接続方法 | PS5へUSB-Cケーブル1本 | PS4へHDMI、USB、プロセッサーユニット経由で複数ケーブル |
トラッキング方式 | インサイドアウト方式(ヘッドセット搭載カメラ4台) | アウトサイドイン方式(PlayStation Camera) |
コントローラー | PS VR2 Senseコントローラー | PS Move モーションコントローラー / DUALSHOCK 4 |
主なコントローラー機能 | ハプティックフィードバック、アダプティブトリガー、フィンガータッチ機能 | 振動機能 |
追加機能 | 視線トラッキング、ヘッドセットフィードバック、3Dオーディオ | 3Dオーディオ |
参照:PlayStation公式サイト
この表から分かる通り、PSVR2の進化は一目瞭然です。
- 解像度: 片目あたりの解像度が約4倍に向上。これにより、映像のきめ細やかさが格段に増し、文字が読みやすくなるなど、全体的な視覚体験の質が大きく向上しました。
- HDR対応: HDR(ハイダイナミックレンジ)に対応したことで、明るい部分と暗い部分の表現力が豊かになりました。現実世界に近い光の表現が可能になり、ゲーム世界のリアリティを深めています。
- 接続方法: 初代PSVRのセットアップは、プロセッサーユニットを介した複雑な配線が必要でした。一方、PSVR2はPS5本体とUSB-Cケーブル1本で接続するだけという、驚くほどのシンプルさを実現しています。
- トラッキング方式: 外部にカメラを設置する必要があった初代に対し、PSVR2はヘッドセット自体に搭載されたカメラで位置を認識する「インサイドアウト方式」を採用。これにより、セットアップの手間が省けるだけでなく、カメラの死角を気にすることなく、より自由なプレイスタイルが可能になりました。
- コントローラー: PSVR2 Senseコントローラーは、PS5のDualSenseコントローラーが持つハプティックフィードバックやアダプティブトリガーといった革新的な機能を搭載。さらに、指の動きを検知するフィンガータッチ機能も備え、仮想空間のオブジェクトを「掴む」「指さす」といった直感的な操作を実現しています。
これらの技術的な進化が、次に解説する「PSVR2がもたらす次世代VR体験」の基盤となっているのです。
PSVR2がもたらす次世代VR体験の5つの魅力
PSVR2は、ただのVRヘッドセットではありません。最新技術を結集し、プレイヤーにこれまでにない深い没入感と感動を提供する「体験増幅装置」とも言える存在です。ここでは、PSVR2が持つ数々の魅力の中から、特に革新的とされる5つのポイントに絞って、その凄さを具体的に解説していきます。
① 4K HDR有機ELディスプレイによる圧倒的な映像美
VR体験の根幹をなすのは、視覚情報です。PSVR2がもたらす映像体験は、まさに「息をのむ」という言葉がふさわしいレベルに達しています。その秘密は、片目あたり2000×2040ピクセルという高解像度と、有機EL(OLED)ディスプレイ、そしてHDR(ハイダイナミックレンジ)技術の組み合わせにあります。
初代PSVRの解像度(片目960×1080)と比較して、総ピクセル数は約4倍。この高精細化により、遠くの風景のディテールやキャラクターの表情、テキストの可読性などが劇的に向上しました。初代PSVRで感じられた、網目のようなものが見える「スクリーンドア効果」も大幅に軽減され、より自然でクリアな視界が広がります。
さらに、ディスプレイに有機ELを採用している点が重要です。有機ELはピクセル自体が発光するため、液晶ディスプレイのようにバックライトを必要としません。これにより、「完全な黒」を表現できるのが最大の強みです。ホラーゲームの漆黒の闇、宇宙空間の深淵、夜の森の静けさなど、黒が重要な役割を果たすシーンでのリアリティは格別です。
そして、HDR技術がその映像美を完成させます。HDRは、表現できる明るさの幅を広げる技術です。洞窟の暗闇から差し込む一筋の光、夕日の眩しさ、爆発の閃光などが、まるで現実世界で見ているかのようなリアリティで描かれます。例えば、『Horizon Call of the Mountain』で雄大な自然を見渡すとき、太陽の光が木々の間からこぼれる様子や、機械獣の金属光沢がリアルに再現され、プレイヤーは本当にその世界に立っているかのような感覚に陥るでしょう。この圧倒的な映像美こそが、PSVR2の没入感を支える最も重要な柱の一つなのです。
② 視線トラッキングによる直感的な操作と描画負荷の軽減
PSVR2が「次世代機」たる所以を最も象徴するのが、この視線トラッキング(アイトラッキング)機能です。ヘッドセットに内蔵された赤外線カメラがプレイヤーの眼球の動きを正確に追跡し、ゲームに反映させます。この技術は、ゲームプレイに2つの大きな革命をもたらしました。
一つは、直感的なインターフェース操作です。従来、VR空間でメニュー項目を選択するには、頭を動かしてポインターを合わせるか、コントローラーでカーソルを操作する必要がありました。しかし視線トラッキングを使えば、プレイヤーが見ただけで項目がハイライトされ、ボタン一つで決定できます。これにより、メニュー操作が驚くほどスピーディかつストレスフリーになりました。『Horizon Call of the Mountain』のメニュー画面や、『バイオハザード ヴィレッジ』のアイテム選択など、多くの対応ソフトでこの快適さを体験できます。
もう一つは、「フォビエイテッド・レンダリング(Foveated Rendering)」という革新的な描画技術の実現です。これは、人間の目の特性を利用した技術で、プレイヤーが見ている中心視野を高解像度で、そして視野の端に行くほど解像度を落として描画するというものです。人間の目は中心部分しか鮮明に認識できないため、プレイヤーはこの処理にほとんど気づきません。しかし、ゲーム機(PS5)側から見れば、描画処理の負荷を大幅に軽減できるという絶大なメリットがあります。この技術により、PSVR2は4K HDRという高画質な映像を、120fpsという滑らかなフレームレートで安定して動作させることが可能になりました。高画質と快適なパフォーマンスを両立させる、まさに縁の下の力持ちと言える機能です。
③ ヘッドセットフィードバックと3Dオーディオによる深い没入感
PSVR2の没入感は、視覚だけに頼るものではありません。触覚と聴覚へのアプローチも、かつてないレベルに進化しています。
ヘッドセットフィードバックは、ヘッドセット本体に内蔵されたモーターが振動し、プレイヤーの頭部に直接的な触覚フィードバックを与える機能です。これはコントローラーの振動とは全く異なる体験をもたらします。例えば、敵の攻撃が頭をかすめた時の衝撃、巨大な敵が歩く地響き、高速で乗り物を運転している際の風圧など、ゲーム内の出来事を「体感」としてプレイヤーに伝えます。『Horizon Call of the Mountain』で巨大な機械獣が頭上を通り過ぎる際の轟音と振動は、多くのプレイヤーに衝撃を与えました。この機能により、危険を直感的に察知したり、世界との一体感をより強く感じたりすることができます。
そして、その体験をさらに増幅させるのがTempest 3Dオーディオ技術です。これはPS5が誇る立体音響技術で、音の発生源の位置や方向を極めて正確に再現します。ヘッドホンやイヤホンを通じて、前後左右はもちろん、上下からの音もリアルに感じ取れます。背後で忍び寄る敵の足音、頭上を飛び交う矢の風切り音、洞窟内に響き渡る水滴の音など、音によって空間の広がりや状況を把握できるのです。ホラーゲームでは恐怖を倍増させ、アクションゲームでは索敵の重要な手がかりとなります。
視覚(4K HDR)、触覚(ヘッドセットフィードバック)、聴覚(3Dオーディオ)が三位一体となることで、PSVR2はプレイヤーをゲームの世界へといざない、もはや「プレイしている」のではなく「体験している」という感覚を生み出すのです。
④ 直感的な操作を可能にするPS VR2 Senseコントローラー
PSVR2の体験を司るもう一つの主役が、両手に持つ「PS VR2 Senseコントローラー」です。球状のトラッキングリングが特徴的なデザインで、握りやすく、軽量化されています。このコントローラーには、PS5のDualSenseコントローラーで高い評価を得た機能が惜しみなく投入されています。
- ハプティックフィードバック: 従来の単純な振動(ランブル)とは一線を画す、多彩で繊細な触覚表現を可能にする技術です。弓を引き絞る際の弦の緊張感、水の中を泳ぐ感覚、砂漠を歩くザラザラとした感触など、状況に応じたリアルな手触りを再現します。
- アダプティブトリガー: R2/L2トリガーに搭載された機能で、ゲーム内の状況に応じてトリガーを引く際の抵抗力が変化します。銃の引き金の重さや、固いオブジェクトを握りつぶす際の反発力などをリアルにシミュレートし、操作への没入感を飛躍的に高めます。
- フィンガータッチ機能: コントローラーを握っている指の位置(親指、人差し指、中指)を、ボタンを押さなくても検知する機能です。これにより、ゲーム内で親指を立てる「サムズアップ」や、物を指さす、手を振るといった自然なジェスチャーが可能になります。仮想空間でのコミュニケーションやオブジェクトとのインタラクションが、より直感的かつリアルになります。
これらの機能が組み合わさることで、プレイヤーの手はゲームの世界と直接つながります。『バイオハザード』で銃を構え、トリガーの重みを感じながら狙いを定め、発砲の衝撃を手で受け止める。その一連の動作が、驚くほどリアルに感じられるのです。
⑤ ケーブル1本で接続できる簡単なセットアップ
どれだけ高性能でも、セットアップが複雑では気軽に楽しめません。初代PSVRは、プロセッサーユニット、HDMIケーブル、USBケーブル、電源ケーブルなど多くの配線が必要で、セットアップの煩雑さが一つのハードルとなっていました。
その点を、PSVR2は劇的に改善しました。PSVR2のヘッドセットから伸びるUSB Type-Cケーブルを、PS5本体の前面にあるポートに接続するだけ。たったこれだけで、ハードウェアの接続は完了です。このシンプルさは、VRゲームをより身近なものにしてくれました。
初期設定も非常に洗練されています。ヘッドセットを装着すると、画面の指示に従って簡単な設定を進めるだけです。特に秀逸なのが、プレイエリアの設定です。ヘッドセットに搭載されたカメラで周囲の部屋をスキャンし、コントローラーでプレイしたい範囲をなぞるだけで、安全なプレイエリアを簡単に設定できます。設定したエリアから出そうになると、ヘッドセットのパススルービュー(現実の周囲の映像)に切り替わって警告してくれるため、安心してプレイに集中できます。
この「箱から出してすぐに遊べる」手軽さは、PSVR2の大きな魅力であり、より多くの人がVRの世界へ足を踏み入れるきっかけとなっています。
【ジャンル別】PSVR2おすすめソフト35選
PSVR2の真価は、その性能を活かした魅力的なソフトウェアがあってこそ発揮されます。ここでは、数あるタイトルの中から特におすすめの35本を厳選し、ジャンル別に紹介します。あなたを新たな世界へ誘う「神ゲー」が、きっとこの中に見つかるはずです。
【アクション・アドベンチャー】世界に入り込む人気作
壮大な世界を冒険し、物語に没入する。VRとの相性が最も良いジャンルの一つです。
Horizon Call of the Mountain
PSVR2のローンチタイトルにして、その性能をフルに体験できるショーケースのような作品。プレイヤーは新たな主人公となり、険しい山々を素手で登り、弓矢を手に巨大な機械獣と対峙します。息をのむほどの絶景と、高所でのクライミングがもたらすスリルはVRならでは。機械獣が目の前に迫る迫力は圧巻の一言。PSVR2を買ったらまずプレイすべき一本です。
バイオハザード ヴィレッジ VRモード
ゲーム本編を丸ごとVRでプレイできる無料DLC。イーサン・ウィンターズとなり、不気味な村を探索する恐怖体験は、平面モニターとは比較にならないほどの臨場感です。両手のSenseコントローラーで銃を構え、リロードし、ナイフを振るう。すべての操作が直感的で、敵が目の前に迫る恐怖はまさに絶叫レベル。PSVR2のホラー体験の最高峰と言えます。
No Man’s Sky
無限に自動生成される宇宙を旅する壮大なアドベンチャーゲーム。PSVR2への対応により、その没入感は新たな次元へ。宇宙船のコクピットに座り、自分の手で操縦桿を握って惑星から飛び立つ感覚は、宇宙への憧れを抱いた人なら誰もが感動するでしょう。未知の惑星に降り立ち、奇妙な動植物を間近で観察する体験は、まさに宇宙探検家そのものです。
The Walking Dead: Saints & Sinners – Chapter 2: Retribution
人気ドラマを原作としたサバイバルホラー。ウォーカー(ゾンビ)が蔓延るニューオーリンズで、物資を漁り、生き残るために戦います。本作の魅力は、物理演算に基づいたリアルな戦闘。武器には重さがあり、ウォーカーの頭にナイフを突き刺すには実際に力を込める必要があります。極限状況でのサバイバルが、強烈な没入感と共に体験できます。
Moss / Moss: Book II
愛らしいネズミの「クイル」と共に、絵本のような美しい世界を冒険するアクションパズル。プレイヤーはクイルを導く「読者」として、三人称視点で彼女を助けます。VRならではのジオラマのような世界観が素晴らしく、小さなクイルがすぐそばで奮闘する姿は、思わず応援したくなる愛おしさです。心温まるストーリーと、VRの特性を活かした謎解きが楽しめます。
Synapse
モノクロの世界を舞台に、超能力と銃撃を駆使して戦うスタイリッシュなローグライトアクション。左手でオブジェクトを掴んで投げつける「テレキネシス」と、右手で銃を撃つアクションを組み合わせた戦闘が特徴。特に視線トラッキングで敵をロックオンし、遮蔽物の向こうにいる敵にオブジェクトを投げつけるという操作は、本作ならではの快感です。
Red Matter 2
冷戦時代の宇宙開発競争を背景にした、SFパズルアドベンチャー。プレイヤーはエージェントとなり、謎に満ちた宇宙ステーションを探索します。特筆すべきは、PSVR2の中でもトップクラスと評される圧倒的なグラフィック。細部まで作り込まれた船内のオブジェクトや、宇宙空間の表現は、まるで実写かと見紛うほどのクオリティです。
【シューティング】爽快感がたまらないFPS/TPS
VRで銃を構え、狙いを定め、撃つ。その直感的な操作はシューティングゲームと最高の相性を誇ります。
Pavlov
PC VRで絶大な人気を誇る、リアル志向のマルチプレイヤーミリタリーシューター。多彩な銃器のリアルなリロード操作や、チームベースでの戦術的な攻防が魅力です。仲間とボイスチャットで連携しながら戦場を駆け巡る体験は、本物の特殊部隊員になったかのような緊張感を味わえます。
Firewall Ultra
PSVRの人気作『Firewall Zero Hour』の続編。4対4で攻守に分かれて戦う、タクティカルマルチプレイヤーシューターです。視線トラッキングを使ってグレネードを投げたり、仲間とアイコンタクトで連携したりと、PSVR2の新機能を活かした戦略的なプレイが楽しめます。
Crossfire: Sierra Squad
アーケードゲームのような爽快感を重視した、Co-op主体のミリタリーシューター。次々と現れる敵を仲間と共に撃ちまくる、シンプルながらも中毒性の高いゲームプレイが特徴です。難しいことを考えずに、ただひたすら銃を撃つ快感に浸りたいという方におすすめです。
After the Fall
最大4人での協力プレイが可能なゾンビシューター。仲間と連携して、雪に覆われた終末世界のロサンゼルスで、大量のゾンビ(スノーブリード)と戦います。背中を預けられる仲間がいる安心感と、四方八方から襲い来るゾンビの群れを共に切り抜ける達成感がたまりません。
The Light Brigade
銃と魔法が融合した世界で戦う、ローグライクFPS。プレイヤーは光の旅団の一員となり、闇に堕ちた世界を救うために戦います。プレイするたびにマップや敵の配置が変わるため、常に新鮮な気持ちで挑戦できます。歴史を感じさせるリアルな銃器の操作感と、幻想的な世界観が độc đáoな魅力を放っています。
Pistol Whip
音楽に合わせて現れる敵を撃ち、障害物を避けていく、リズムゲームとシューティングを融合させた新感覚ガンアクション。映画のワンシーンのようなスタイリッシュなアクションが、誰でも簡単に繰り出せます。ビートに乗って体を動かしながら敵をなぎ倒していく爽快感は、本作ならではの魅力です。
【レース・シミュレーション】リアルな操縦を体験
コックピット視点が基本となるこのジャンルは、VRによって究極の進化を遂げました。
グランツーリスモ7
リアルドライビングシミュレーターの金字塔が、PSVR2に完全対応(一部モード除く)。VRモードでは、実車と見紛うほど精巧に再現された車のコクピットに乗り込み、360度の視点でレースに没入できます。コーナーの先を目で追い、サイドミラーで後続車を確認する。そのすべてが現実の運転と同じ感覚で行えます。ハンドルコントローラーを使えば、その体験はさらに極まります。
Kayak VR: Mirage
美しい景色の中を、カヤックを漕いで進むシミュレーションゲーム。パドルを漕ぐリアルな操作感と、水の表現、そして世界各地の絶景が相まって、まるで本当にその場にいるかのような癒やしと冒険を体験できます。レースモードでタイムを競うことも、フリーモードでただゆったりと景色を楽しむことも可能です。
Ace Combat 7: Skies Unknown (VRモード)
人気フライトシューティング『エースコンバット7』のPS4版に収録されていたVRモードが、PSVR2向けに無料DLCとして配信。PS5のパワーでより美麗になった空で、戦闘機のパイロット体験ができます。眼下に広がる大地、雲を突き抜ける感覚、敵機との緊迫のドッグファイトは、鳥肌モノの迫力です。
【リズム・音楽】体で楽しむ音ゲー
音と光の洪水に身を任せ、全身でビートを刻む。VRは音楽ゲームを新たな次元のエンターテインメントへと昇華させました。
Beat Saber
VRリズムゲームの代名詞的存在。両手のコントローラーが光の剣となり、前方から迫りくるノーツ(キューブ)を音楽に合わせて斬りまくります。シンプルながら奥が深く、一度始めると時間を忘れて没頭してしまいます。全身を使ってプレイするため、楽しみながらエクササイズにもなるのが嬉しいポイントです。
Synth Riders
80年代風のシンセウェイヴサウンドに乗って、レールの上を滑りながら両手でノーツに触れていくリズムゲーム。『Beat Saber』が剣で斬る感覚なら、こちらは流れるように踊る感覚に近いかもしれません。滑らかな動きとサイバーな世界観が心地よく、独特の浮遊感を味わえます。
Thumper
「リズム・バイオレンスゲーム」と銘打たれた、強烈な個性を持つ作品。プレイヤーは金属的な甲虫となり、サイケデリックなコースを猛スピードで疾走します。迫りくる障害物をリズムに合わせて回避・破壊していくのですが、その攻撃的なビジュアルとインダストリアルな音楽が、独特の緊張感と没入感を生み出しています。
Drums Rock
両手のコントローラーがドラムスティックに!悪魔たちが迫りくるステージで、ドラムを叩いて撃退するユニークなリズムゲームです。ロックやメタルの激しい楽曲に合わせて、思い切りドラムを叩きつける爽快感は格別。ドラマー気分を味わいながら、ストレスも発散できます。
【パズル・謎解き】VRならではのギミックに挑戦
自分の手でオブジェクトを掴み、回し、組み合わせる。VRはパズルゲームに「触れる楽しさ」をもたらしました。
The Room VR: A Dark Matter
高い評価を得ているパズルゲーム『The Room』シリーズのVR版。不気味な雰囲気漂う部屋で、複雑なからくり箱の謎を解き明かしていきます。VRならではの直感的な操作で、仕掛けを触り、動かし、覗き込むことで謎が解けていく過程は、知的好奇心を大いに満たしてくれます。
Humanity
プレイヤーは光る柴犬となり、「アッチ」「コッチ」といった指示を出して、意思を失った人間たちをゴールへと導く、新感覚のアクションパズル。群衆を誘導するというユニークなゲーム性に加え、VRモードではまるで神の視点からミニチュアの世界を操っているかのような不思議な感覚を味わえます。自分でステージを作成して共有することも可能です。
Another Fisherman’s Tale
手や体の一部を取り外して投げ、遠隔操作できるという奇妙な能力を持つ主人公の物語。自分の手を伸ばして遠くのアイテムを取ったり、頭を外して狭い場所を覗いたりと、VRの特性とユニークなギミックを融合させた謎解きが満載です。心温まるストーリーも魅力の一つです。
Tentacular
巨大なタコの触手になって、島の人々の手伝い(?)をする物理パズルアクション。その巨大な触手でコンテナを運んだり、建物を建てたりと、ダイナミックなアクションが楽しめます。しかし、その力加減は難しく、意図せず街を破壊してしまうハプニングもまた一興。コミカルな世界観で、物理演算の面白さを存分に味わえます。
【ホラー】絶叫間違いなしの恐怖体験
安全な場所からでは味わえない、本物の恐怖。VRホラーは、あなたの度胸を試します。
バイオハザード RE:4 VRモード
サバイバルホラーの金字塔『バイオハザード4』のリメイク版を、丸ごとVRで体験できる無料DLC。レオン・S・ケネディとなり、狂気に満ちた村人たちと対峙します。ナイフでのパリィや、銃のリロードといったアクションがすべて自分の手で行えるため、アクションの面白さと恐怖が格段にアップしています。『ヴィレッジ』と並ぶ、PSVR2ホラーの決定版です。
Phasmophobia
最大4人で協力して幽霊調査に挑む、オンライン協力型のホラーゲーム。温度計やビデオカメラといった様々な機材を駆使して、屋敷に潜む幽霊の種類を特定するのが目的です。仲間とボイスチャットで怯えながら調査を進める一体感と、いつ幽霊が襲ってくるか分からない緊張感がたまりません。友達と遊べば、恐怖と笑いが入り混じった最高の体験ができます。
Five Nights at Freddy’s: Help Wanted 2
夜間警備員のバイトとなり、恐ろしい機械人形(アニマトロニクス)が徘徊する施設で朝まで生き延びる人気ホラーシリーズのVR版。監視カメラをチェックしたり、設備を修理したりと、様々なミニゲーム形式で恐怖が襲いかかってきます。突然目の前に現れるアニマトロニクスによるジャンプスケア(びっくり演出)は、心臓の弱い方は要注意です。
【スポーツ・フィットネス】楽しく体を動かせるゲーム
ゲームを楽しみながら、健康にもなれる。VRフィットネスは、運動の新しい形です。
Creed: Rise to Glory – Championship Edition
映画『クリード』の世界で、ボクサーとして頂点を目指すボクシングゲーム。対戦相手のパンチを実際に体を動かして避け、隙を見てパンチを叩き込む。その一挙手一投足がリアルで、数ラウンド戦うだけで汗だくになるほどの運動量です。楽しみながら本格的なトレーニングができます。
C-Smash VRS
スカッシュとブロック崩しを融合させたような、スタイリッシュな未来のスポーツゲーム。シンプルながら奥深いゲーム性と、洗練されたビジュアル、心地よい音楽が特徴です。体を動かす爽快感と、ゲームとしての面白さが見事に両立しています。オンライン対戦や協力プレイも楽しめます。
LES MILLS BODYCOMBAT
世界的な人気を誇るフィットネスプログラム「ボディコンバット」を、自宅でVRで体験できるアプリ。パンチやキックなど、格闘技の動きを取り入れたワークアウトを、インストラクターの指導のもとで行います。ゲーム感覚で本格的な有酸素運動ができ、運動不足解消やダイエットに最適です。
【その他】ユニークな体験ができる名作
特定のジャンルには収まらない、個性的で魅力あふれるタイトルたち。
Job Simulator / Vacation Simulator
コミカルなロボットたちが支配する世界で、「お仕事」や「バケーション」を体験するシミュレーションゲーム。VR空間にあるオブジェクトはほとんど何でも掴んだり、投げたり、操作したりできます。VRインタラクションの楽しさを純粋に味わえる作品で、VRが初めてという方にもおすすめです。
Demeo
テーブルトークRPG(TRPG)の体験を、VR空間で再現した画期的なゲーム。プレイヤーはファンタジー世界のヒーローとなり、仲間と協力してダンジョンを攻略します。ミニチュアの駒を自分の手で動かし、サイコロを振る感覚は、まさに友達とボードゲームを囲んでいるかのよう。ボイスチャットでの作戦会議も盛り上がります。
Puzzling Places
世界各地の美しい風景や建物を、3Dのジグソーパズルとして組み立てていく癒し系パズルゲーム。バラバラになったピースを手に取り、立体的に組み上げていく作業は、非常にリラックスでき、瞑想的な体験です。完成した時の達成感と、作り上げたジオラマをじっくり眺める楽しさがあります。
Ghost Signal: A Stellaris Game
人気の宇宙戦略ゲーム『Stellaris』の世界観をベースにした、ローグライト・アクションゲーム。プレイヤーは宇宙船の船長となり、広大な宇宙を探索し、敵と戦い、船をアップグレードしていきます。手軽に遊べるローグライトのゲーム性と、『Stellaris』の奥深い世界観が見事に融合しています。
PSVR2購入前に知っておきたい注意点
PSVR2は素晴らしいVR体験を提供してくれますが、購入してから「こんなはずじゃなかった」とならないために、事前に知っておくべきいくつかの注意点があります。価格や互換性、設置スペース、そしてVR特有の現象について、正直に解説します。
価格が比較的高価
PSVR2を楽しむためには、まず大前提としてPlayStation 5本体が必要です。その上で、PSVR2本体の価格(通常版で74,980円)が加わります。PS5本体とPSVR2を同時に購入する場合、合計金額は14万円を超え、決して安い買い物ではありません。(2024年6月時点の価格)
もちろん、その価格に見合うだけの革新的な体験価値があることは間違いありません。しかし、予算には限りがあるため、この初期投資の大きさは購入を検討する上で最も大きなハードルとなるでしょう。自分のゲームスタイルやプレイ頻度を考え、本当にその価値があるかをじっくり検討することが重要です。「”Horizon Call of the Mountain” 同梱版」を選ぶ、セールを待つなど、少しでもお得に購入する方法を模索するのも一つの手です。
初代PSVRのソフトはプレイできない(後方互換性なし)
これは非常に重要なポイントです。PSVR2では、初代PSVR用に発売されたゲームソフトをプレイすることはできません。いわゆる「後方互換性」には対応していないのです。
この理由は、両者の技術的な違いにあります。PSVR2は、トラッキング方式(インサイドアウト方式)、コントローラー(Senseコントローラー)、視線トラッキングなど、初代PSVRとは全く異なる新しいシステムを採用しています。そのため、初代PSVRのゲームをそのまま動かすことが技術的に困難なのです。
『バイオハザード7』や『ASTRO BOT: RESCUE MISSION』といった初代PSVRの名作をプレイしたいと考えていた方にとっては、残念なお知らせかもしれません。ただし、一部のタイトルは開発元によってPSVR2版が別途リリースされたり、アップグレード対応されたりしています(例:『グランツーリスモ7』『No Man’s Sky』など)。購入したいソフトがどちらのハードに対応しているか、PlayStation Storeなどで事前に確認するようにしましょう。PSVR2の購入は、あくまで「PSVR2専用、および対応ソフトを遊ぶため」と割り切る必要があります。
プレイするにはある程度のスペースが必要
VRゲームを安全に楽しむためには、体を動かせるだけの物理的なスペースが不可欠です。PlayStation公式サイトでは、プレイスタイに応じて以下のスペースを推奨しています。
- ルームスケール(大きく動き回るプレイスタイル): 最低でも 2m × 2m のプレイエリア
- シッティング(座ってプレイ)/ スタンディング(立ってプレイ): 最低でも 1m × 1m のプレイエリア
ルームスケールでプレイする場合、腕を大きく振ったり、一歩二歩踏み出したりしても、壁や家具にぶつからない程度の空間が必要です。PSVR2にはプレイエリアを設定し、その境界に近づくと警告してくれるガーディアン機能がありますが、それでもギリギリのスペースでは思い切ったプレイができません。
購入前に、自宅のゲームをプレイする部屋で、推奨されるスペースを確保できるかメジャーなどで測ってみることを強くおすすめします。テレビの前を片付ける、テーブルを移動させるなど、プレイのたびに準備が必要になる可能性も考慮しておきましょう。安全に、そして最大限に楽しむためには、ゆとりのあるプレイ環境が理想です。
VR酔いの可能性と対策
VR体験につきものなのが、「VR酔い」です。これは、乗り物酔いと似たメカニズムで発生します。VR空間での視覚情報(移動している映像)と、現実世界での身体の感覚(三半規管は移動していないと感じる)にズレが生じることで、脳が混乱し、吐き気や頭痛、めまいといった症状を引き起こします。
VR酔いのしやすさには個人差が大きく、まったく酔わない人もいれば、非常に酔いやすい人もいます。また、ゲームの種類によっても酔いやすさは変わります。一般的に、自分の意思とは関係なく視点が激しく動くゲーム(レースゲームや、スティックでのスムーズ移動があるFPSなど)は酔いやすい傾向にあります。
しかし、VR酔いは対策や慣れである程度克服できます。
- こまめに休憩を取る: 少しでも気分が悪くなったら、無理せずヘッドセットを外して休憩しましょう。
- ゲーム内の設定を変更する: 多くのVRゲームには、酔いを軽減するためのオプションが用意されています。移動方法をワープ移動(テレポート)に変更したり、視界の周辺を暗くして視野角を狭めたり(トンネリング/ビネッティング)する設定が効果的です。
- 酔いにくいゲームから始める: 最初は、移動が少ない、あるいは自分の動きと視点が一致しているゲーム(『Beat Saber』『Job Simulator』など)から始めて、徐々にVR体験に慣れていくのがおすすめです。
- 体調を整える: 空腹や満腹、寝不足の状態では酔いやすくなります。体調の良い時にプレイするように心がけましょう。
PSVR2は120Hzという高いリフレッシュレートに対応しており、映像が滑らかになったことで初代PSVRよりも酔いにくくなったと言われています。それでも、VR酔いの可能性はゼロではありません。自分の体と相談しながら、少しずつVRの世界に慣れていくことが大切です。
PSVR2をさらに楽しむためのTIPS
PSVR2を手に入れたら、そのポテンシャルを最大限に引き出し、より快適なVRライフを送るためのいくつかのヒントがあります。メガネとの併用、プレイ環境の最適化、そして持っていると便利なアクセサリーについて紹介します。
メガネをかけたままでもプレイできる?
視力が低いユーザーにとって、メガネをかけたままプレイできるかは死活問題です。結論から言うと、PSVR2はメガネをかけたままでもプレイ可能です。ヘッドセットのスコープ(顔に当たる部分)は、前後の位置調整ができるようになっており、メガネとヘッドセットのレンズが接触しないようにスペースを確保できます。
ただし、注意点もいくつかあります。
- フレームのサイズ: あまりに大きなフレームや、特殊なデザインのメガネは、ヘッドセット内に収まらない可能性があります。
- レンズの接触: スコープ調整をしても、激しく動いた際にメガネのレンズとPSVR2のレンズが接触し、両方に傷がついてしまうリスクがあります。これは絶対に避けたい事態です。
- 曇り: プレイ中に体温が上がると、メガネのレンズが曇ってしまうことがあります。
これらの問題を解決するための最善策として、「PSVR2専用の度付きレンズアダプター」の利用が挙げられます。これは、サードパーティ製のアクセサリーで、自分の視力に合わせた度付きレンズをPSVR2のレンズに直接取り付けるものです。これを使えば、メガネなしでクリアな視界が得られ、レンズ同士が傷つく心配も、メガネの曇りもありません。少々コストはかかりますが、日常的にメガネを使用しているユーザーにとっては、快適さと安全性を両立できる最もおすすめの解決策です。
おすすめのプレイ環境の整え方
最高の没入感を得るためには、ゲームをプレイする環境を整えることが非常に重要です。以下のポイントを参考にして、自分だけの快適なVR空間を作り上げましょう。
- 安全なプレイエリアの確保: 前述の通り、最低でも2m x 2mのスペースを確保し、床に物を置かない、周囲に壊れやすいものを置かないなど、安全対策を徹底しましょう。足元には柔らかいマットを敷くと、プレイエリアの中心を足の感触で把握しやすくなり、安全性が向上します。
- ケーブルの取り回し: PSVR2はケーブル1本でシンプルになりましたが、それでも4.5mのケーブルは存在します。プレイ中に足に絡まないよう、ケーブルの配線を工夫しましょう。天井から吊るすなどの高度な方法もありますが、まずはPS5本体の位置を調整し、ケーブルが背中側にくるようにするだけでも、かなり快適になります。
- 空調と換気: VRゲーム、特に体を動かすものは想像以上に汗をかきます。快適にプレイするためにも、エアコンで室温を調整したり、サーキュレーターで空気を循環させたりすることをおすすめします。プレイ前後の換気も忘れずに行いましょう。
- 水分補給: 熱中してプレイしていると、脱水症状になる危険性もあります。プレイエリアのすぐ手の届く場所に、飲み物を準備しておくと良いでしょう。
- 音響環境: PSVR2にはステレオヘッドホンが付属していますが、より高い没入感を求めるなら、PS5公式の「PULSE 3D ワイヤレスヘッドセット」などがおすすめです。ワイヤレスなのでケーブルの煩わしさがなく、Tempest 3Dオーディオ技術の性能を最大限に引き出してくれます。
少しの工夫で、PSVR2の体験は格段に向上します。自分にとって最適な環境を追求するのも、VRの楽しみ方の一つです。
あると便利な周辺アクセサリー3選
PSVR2本体とソフトだけでも十分に楽しめますが、さらに快適性を高めてくれる便利なアクセサリーが存在します。ここでは、特におすすめの3つを紹介します。
① PS VR2 Senseコントローラー充電スタンド
プレイが終わった後、2つのSenseコントローラーをUSBケーブルでそれぞれ充電するのは、少し面倒に感じるかもしれません。純正の「PS VR2 Senseコントローラー充電スタンド」があれば、その手間から解放されます。
この充電スタンドは、コントローラーをカチッとはめ込むだけで充電が開始されるクリックイン式デザインを採用しています。PS5本体のUSBポートを塞ぐことなく、2つのコントローラーを同時に充電でき、見た目もスマートに収納できます。プレイ後の片付けと充電が習慣化し、いつでも満充電の状態で次のプレイに臨めるようになります。PSVR2を頻繁にプレイするなら、マストアイテムと言っても過言ではないでしょう。
② ヘッドホン・イヤホン
PSVR2にはシンプルなステレオヘッドホンが付属しており、ヘッドセット本体に取り付けて使用できます。これはこれで手軽で良いのですが、音質や没入感をさらに高めたい場合は、別途ヘッドホンやイヤホンを用意するのがおすすめです。
特におすすめなのが、前述した「PULSE 3D ワイヤレスヘッドセット」です。PS5のTempest 3Dオーディオに最適化されており、ワイヤレス接続なので、プレイ中にケーブルが邪魔になることもありません。
また、普段から愛用している高音質な有線ヘッドホンやイヤホンがあれば、それを使用するのも良いでしょう。PSVR2ヘッドセットには3.5mmイヤホンジャックが搭載されています。音はVRの没入感を左右する重要な要素ですので、自分好みのサウンド環境を構築してみましょう。
③ レンズ保護カバー・フィルム
PSVR2の心臓部とも言えるのが、接眼レンズです。このレンズに傷がついてしまうと、視界に常に傷が映り込み、没入感が大きく損なわれてしまいます。皮脂やホコリの付着も気になります。
そこで役立つのが、サードパーティから発売されているレンズ保護カバーや保護フィルムです。
- レンズ保護カバー: プレイしない時にレンズをホコリや日光から守るためのシリコン製などのカバーです。レンズの劣化を防ぎ、長期間にわたってクリアな視界を保つのに役立ちます。
- レンズ保護フィルム: スマートフォンの画面に貼るものと同様に、レンズに直接貼り付けて傷を防ぐフィルムです。メガネとの接触による傷が心配な場合に特に有効です。
これらのアクセサリーは、比較的安価で導入できます。大切なPSVR2を長く使い続けるためにも、転ばぬ先の杖として、レンズの保護は早めに行っておくことを強く推奨します。
PSVR2に関するよくある質問
PSVR2に関して、多くの人が抱くであろう疑問点をQ&A形式でまとめました。購入前の不安や、購入後の疑問解決に役立ててください。
PSVR2はPCに接続して使える?
発売当初、PSVR2はPS5専用であり、PCに接続して使用することは公式にはサポートされていませんでした。しかし、多くのPC VRユーザーからの要望を受け、状況は変わりました。
ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、2024年8月7日に「PlayStation VR2 PCアダプター」を発売することを発表しました。このアダプターを使用することで、PSVR2をPCに接続し、Steamで配信されている豊富なPC VRゲームライブラリにアクセスできるようになります。
ただし、PCで利用する場合、PSVR2が持つすべての機能が使えるわけではありません。HDR、ヘッドセットフィードバック、視線トラッキング、アダプティブトリガー、ハプティックフィードバック(振動は除く)といった、PS5ならではの機能は非対応となります。それでも、4Kの美麗な映像(片目2000 x 2040)や約110度の視野角、フィンガータッチ機能、3Dオーディオといった基本性能の高さは健在です。
このアダプターの登場により、PSVR2は「PS5用の高品質VRシステム」と「PC用の高性能VRヘッドセット」という二つの顔を持つことになり、その価値はさらに高まったと言えるでしょう。
参照:PlayStation.Blog
シネマティックモードとは?
シネマティックモードは、VR非対応の通常のPS5ゲームや、映画などの映像コンテンツを、VRヘッドセット内に表示される巨大な仮想スクリーンで楽しむための機能です。
PSVR2を装着してこのモードを起動すると、目の前に映画館のスクリーンのような巨大な画面が現れます。この仮想スクリーン上で、お気に入りのPS5/PS4ゲームをプレイしたり、動画配信サービスの映画を鑑賞したりできます。
主な仕様は以下の通りです。
- 解像度: 1920×1080
- フレームレート: 24Hz, 60Hz, 120Hz
- HDR: 対応
家族がテレビを使っている時でも、大画面でゲームに没頭したい、あるいは、深夜に映画館のような迫力で映画を楽しみたい、といったニーズに応えてくれます。VRゲームの合間に、巨大スクリーンで一休みする、といった使い方も可能です。PSVR2はVRゲーム専用機ではなく、パーソナルな大画面シアターとしても活用できるのです。
画面のずれやトラッキング問題を修正する方法は?
プレイ中に視界が徐々にずれていったり、コントローラーの位置が正確に認識されなくなったりすることが稀にあります。これはトラッキング(位置認識)の問題で、いくつかの原因が考えられます。以下の対処法を試してみてください。
- トラッキングエリアの再設定: 最も簡単で効果的な方法です。オプションボタンを長押しすると、現在の視点の向きを正面としてリセットできます。また、設定メニューから「プレイエリアを設定」を選び、再度エリアをスキャンし直すことで改善される場合があります。
- ヘッドセットのカメラを清掃する: PSVR2はヘッドセット前面にある4つのカメラで周囲の環境を認識しています。このカメラのレンズに指紋や汚れが付着していると、トラッキング精度が低下します。マイクロファイバークロスなどの柔らかい布で、優しく拭き取りましょう。
- 照明環境の見直し: 暗すぎる部屋や、逆に特定の光源(窓からの直射日光、鏡の反射など)が強すぎる部屋では、カメラがうまく環境を認識できないことがあります。部屋全体を均一に、かつ適度に明るくすることで、トラッキングが安定します。
- コントローラーの再ペアリング: コントローラーのトラッキングがおかしい場合は、一度PS5本体とのペアリングを解除し、再度USBケーブルで接続してペアリングし直すことで解決することがあります。
- テレビ画面を確認する: PSVR2はテレビ画面に表示されるトラッキングサポート用の枠も参照しています。テレビの電源が入っているか、何かに遮られていないかを確認してください。
これらの方法を試しても改善しない場合は、PS5本体の再起動や、PSVR2のシステムソフトウェアが最新であるかの確認も行ってみましょう。
PSVR2本体やコントローラーのアップデート方法は?
PSVR2の性能を最大限に引き出し、安定して動作させるためには、本体およびコントローラーのシステムソフトウェアを常に最新の状態に保つことが重要です。
アップデートは非常に簡単です。PSVR2をPS5に接続し、PS5がインターネットに接続されていれば、アップデートが利用可能になると自動的に通知が表示されます。画面の指示に従ってアップデートを実行するだけです。
もし自動で通知が来ない場合や、手動で確認したい場合は、以下の手順で確認できます。
- PS5のホーム画面から[設定] > [周辺機器] > [PlayStation VR2]を選択します。
- [PlayStation VR2のシステムソフトウェア]または[PS VR2 Senseコントローラーのソフトウェア]を選択します。
- 利用可能なアップデートがある場合は、ここに表示され、アップデートを実行できます。
コントローラーのアップデートには、左右両方のコントローラーがPS5に認識されている必要があります。定期的にアップデートを確認し、常に最新の状態で快適なVR体験を楽しみましょう。
まとめ:PSVR2で最高のVRゲーム体験を始めよう
この記事では、PlayStation VR2の基本的な情報から、その革新的な技術がもたらす魅力、そしてジャンル別に厳選した35本のおすすめソフトまで、幅広く解説してきました。
PSVR2は、単なるゲームの周辺機器ではありません。4K HDRの圧倒的な映像美、視線トラッキングやヘッドセットフィードバックといった最先端技術が融合し、プレイヤーをゲームの世界そのものへと誘う、まさに「次世代の体験装置」です。ケーブル1本で接続できる手軽さも、VRをより身近な存在にしてくれました。
ご紹介した35本のソフトは、多種多様なPSVR2の魅力の一端に過ぎません。
- 『Horizon Call of the Mountain』で雄大な自然と機械獣の迫力を体感する。
- 『グランツーリスモ7』で本物のレーサーさながらの緊張感を味わう。
- 『Beat Saber』で音楽と一体になり、全身でビートを刻む。
- 『バイオハザード ヴィレッジ』で本能的な恐怖に絶叫する。
これらの体験は、従来のゲームでは決して味わうことのできない、強烈な感動と興奮を与えてくれるはずです。もちろん、高価であることや後方互換性がないといった注意点もありますが、それを補って余りあるほどの価値がPSVR2には秘められています。
もしあなたがPlayStation 5を所有していて、まだVRの世界に足を踏み入れたことがないのなら、PSVR2は最高の選択肢となるでしょう。この記事を参考に、あなたにぴったりの一本を見つけ、誰もが夢見た「ゲームの中に入る」という体験を、ぜひその身で味わってみてください。未知なる感動が、あなたを待っています。