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Neos VRとは?始め方や基本的な使い方を初心者向けに解説

Neos VRとは?、始め方や基本的な使い方を初心者向けに解説

近年、仮想空間で他のユーザーと交流できる「ソーシャルVR」が大きな注目を集めています。その中でも、特にクリエイティブな活動に特化し、「メタバースを創造するためのエンジン」とまで呼ばれるプラットフォームが「Neos VR」です。

この記事では、Neos VRに興味を持ち始めた初心者の方に向けて、その基本的な概念から、有名な「VRChat」との違い、具体的な始め方、基本的な操作方法、そして無限に広がる楽しみ方まで、網羅的に解説します。

この記事を最後まで読めば、Neos VRがどのようなプラットフォームであり、自分に合っているかどうかが明確に理解でき、スムーズにその世界へ足を踏み入れることができるでしょう。

Neos VRとは?

Neos VRとは?

Neos VRは、単なるコミュニケーションツールやゲームプラットフォームではありません。ユーザー自身がVR空間内で、ワールド、アイテム、アバター、さらにはゲームのロジックそのものまで創造できる、非常に自由度の高い「メタバースエンジン」です。ここでは、まずNeos VRの基本的な概念と、その魅力を支える主な特徴について詳しく見ていきましょう。

「メタバースエンジン」とも呼ばれるソーシャルVR

Neos VRは、一般的に「ソーシャルVR」というジャンルに分類されます。ソーシャルVRとは、VR(仮想現実)技術を活用し、ユーザーがアバターとなって仮想空間に入り込み、世界中の人々とリアルタイムでコミュニケーションや共同体験を楽しめるプラットフォームの総称です。友人との会話、イベントへの参加、ゲームのプレイなど、その楽しみ方は多岐にわたります。

しかし、Neos VRは他の多くのソーシャルVRプラットフォームとは一線を画す特徴を持っています。それが「メタバースエンジン」としての側面です。

エンジンと聞くと、ゲーム開発に用いられる「Unity」や「Unreal Engine」を思い浮かべるかもしれません。これらのゲームエンジンは、開発者がPC上でコードを書いたり、アセットを配置したりしてゲームを制作するためのツールです。完成したゲームは、プレイヤーが「遊ぶ」ためのものであり、プレイヤーがゲームの内容を根本から改変することは通常できません。

一方、Neos VRは、VR空間そのものが開発環境(エンジン)として機能します。ユーザーはVRヘッドセットを装着し、仮想空間に「ログイン」した状態で、目の前にあるオブジェクトを掴んだり、ツールを使って新しいものを生み出したり、ビジュアルプログラミングで複雑な仕組みを構築したりできます。つまり、「遊びながら創る」「創りながら遊ぶ」という体験がシームレスに融合しているのです。

この特性により、Neos VR内では、ユーザーが想像するあらゆるものを形にできます。美しい風景が広がるワールド、物理演算を利用した乗り物、複雑なルールを持つマルチプレイゲーム、インタラクティブな教育コンテンツなど、その可能性は無限大です。そして、それらの創造物は、他のユーザーとリアルタイムで共有し、共に体験し、さらに改良していくことが可能です。この「ユーザーがメタバースそのものを構築していく」という思想こそが、Neos VRが「メタバースエンジン」と呼ばれる所以なのです。

Neos VRの主な特徴

Neos VRが「メタバースエンジン」として機能するために、多くのユニークで強力な特徴を備えています。ここでは、その中でも特に重要な5つの特徴を掘り下げて解説します。

VR空間内でワールドやアイテムを自由に作れる

Neos VRの最大の特徴は、外部の専門的な3Dモデリングソフトやゲームエンジン(Blender、Unityなど)を一切使わなくても、VR空間内ですべてのクリエイティブ活動が完結する点にあります。

多くのソーシャルVRプラットフォームでは、ワールドやアバターを作成するために、まずPC上で専門ツールを使ってデータを制作し、それをプラットフォームにアップロードするという手順が必要です。これには専門的な知識やスキルが求められ、初心者にとっては高いハードルとなります。

しかし、Neos VRには「デヴツールチップ」をはじめとする強力なクリエイティブツールが標準で備わっています。ユーザーはVRコントローラーを使い、粘土をこねるように直感的に3Dモデルを作成したり、ブラシで空間に絵を描いたり、既存のオブジェクトを組み合わせて新しいアイテムを作り出したりできます。

さらに特筆すべきは、リアルタイムでの共同編集機能です。友人と同じワールドに集まり、リアルタイムでチャットしながら一緒に一つの建築物を作り上げたり、ゲームのギミックを共同で開発したりできます。一人がモデルの形を整え、もう一人が色を塗り、別の一人がそれを動かすためのロジックを組む、といった役割分担も可能です。この共同創造体験は、他のプラットフォームでは味わえないNeos VRならではの醍醐味と言えるでしょう。

高度なカスタマイズ性と表現の自由度

Neos VRの創造性を支えるもう一つの柱が、「LogiX(ロジックス)」と呼ばれる独自のビジュアルプログラミングシステムです。

プログラミングと聞くと、難解なコードを記述するイメージがあるかもしれませんが、LogiXは全く異なります。LogiXでは、「ノード」と呼ばれる機能のブロックを線で繋ぎ合わせることで、オブジェクトの動作やインタラクションを視覚的にプログラムできます。

例えば、「ボタンが押されたら」「ドアが開く」という仕組みを作りたい場合、「ボタン」のノードと「ドア」のノードを「開く」という命令のノードで繋ぐだけで実装できます。これにより、プログラミングの知識が全くない人でも、試行錯誤しながら複雑なギミックやゲームシステムを構築できます。

LogiXで実現できることは非常に幅広く、以下のような例が挙げられます。

  • 物理演算の制御: 乗り物の挙動、ボールの跳ね返り、重力の設定など。
  • インタラクティブなオブジェクト: 触れると音が出る楽器、近づくと反応するキャラクターなど。
  • ゲームシステムの構築: HPやスコアの管理、敵キャラクターのAI、アイテムの効果など。
  • 外部データとの連携: Web APIを叩いて現実世界の天気情報をワールドに反映させるなど。

このLogiXの存在により、Neos VRでは単に静的なオブジェクトを配置するだけでなく、動的でインタラクティブな、まさに「生きた世界」を創造することが可能になります。

作成したものを簡単に共有・売買できる

Neos VRは、クリエイターが自身の作品を簡単に管理し、他者と共有するための洗練されたシステムを備えています。それが「インベントリ」システムです。

ユーザーは、自作したアイテムやアバター、ワールド全体の設定、さらには便利なツールやスクリプト(LogiXの組み合わせ)まで、あらゆるものを自身のインベントリに保存できます。インベントリはクラウド上に保存されるため、どのワールドに移動しても、いつでも好きな時に保存したものを取り出して使えます。

このインベントリシステムを通じて、アイテムの共有も非常に簡単です。気に入ったアイテムをフレンドに渡したり、ワールドに設置して誰でも自由に使えるように設定したりできます。

さらに、Neos VRはクリエイターエコノミーを重視しており、公式の収益化システムがプラットフォーム内に組み込まれています。Neos VRには「NCR(Neos Credits)」という暗号資産(仮想通貨)が存在し、ユーザーはこれを使ってクリエイターが作成したアイテムやアバター、ツールなどを購入できます。クリエイターは、自身の作品に価格を設定して販売し、得られたNCRを現実の通貨に換金することが可能です。

これにより、クリエイターは自身の創造的な活動を通じて直接的な収益を得る機会があり、創作活動のモチベーションを高める一助となっています。

多人数でのコミュニケーションやイベント参加が可能

Neos VRは強力なクリエイティブツールを備えつつも、その核は「ソーシャルVR」です。世界中のユーザーとリアルタイムで交流するための機能が充実しています。

  • ボイスチャット: 高品質な空間オーディオに対応しており、相手のいる方向や距離によって声の聞こえ方が変わるため、非常にリアルな会話体験ができます。
  • アバター表現: フルボディトラッキングに対応しており、身体全体の動きをアバターに反映させられます。これにより、言葉だけでなく、身振り手振りを通じたノンバーバルなコミュニケーションが豊かになります。
  • ダイナミックなインタラクション: オブジェクトを掴んで相手に渡したり、一緒に乗り物に乗ったりと、物理的なインタラクションを通じて共同体験を楽しめます。

また、ユーザーコミュニティは非常に活発で、日々さまざまなイベントが開催されています。定期的な交流会、音楽ライブ、DJイベント、技術的なテーマについて語り合う勉強会、ユーザー制作のゲームで競い合う大会など、その種類は多岐にわたります。これらのイベントに参加することで、新たな発見があったり、共通の趣味を持つ友人ができたりと、ソーシャルVRならではの楽しみを存分に味わえるでしょう。

クロスプラットフォームに対応

Neos VRは、より多くの人がアクセスできるよう、複数のプラットフォームに対応しています。

  • PCVRモード: Valve Index、Meta Questシリーズ(Link/Air Link経由)、HTC VIVEシリーズなど、SteamVRに対応した主要なVRヘッドセットでプレイできます。最も没入感の高い体験が可能です。
  • デスクトップモード: VRヘッドセットを持っていないユーザーでも、PCのモニター上でプレイ可能です。操作は一般的なPCゲームのようにキーボードとマウスで行います。VRユーザーと同じ空間で交流したり、クリエイティブな活動を行ったりできます。

このクロスプラットフォーム対応により、VR機器の有無に関わらず、誰もがNeos VRの世界に参加できる門戸が開かれています。デスクトップモードでまずはお試しで始めてみて、その魅力に触れてからVR機器の購入を検討するというステップも可能です。

Neos VRとVRChatの違い

ソーシャルVRに興味を持つ人が必ずと言っていいほど耳にするのが、「VRChat」の存在です。VRChatは世界最大級のユーザー数を誇るプラットフォームであり、Neos VRと比較されることがよくあります。どちらも魅力的なプラットフォームですが、その思想や特徴には明確な違いがあります。ここでは、特に重要な3つの観点から両者の違いを比較してみましょう。

比較項目 Neos VR VRChat
クリエイティブツール VR空間内で完結する直感的なツール(デヴツール、LogiX)を標準搭載。リアルタイム共同編集に強い。 外部ツール(Unity、VRChat SDK)での開発が基本。専門知識が必要だが、Unityのアセットが豊富。
収益化機能 公式の暗号資産「NCR」を用いたアイテム売買システムがプラットフォーム内に統合されている。 公式の収益化は限定的(有料サブスク等)。多くは外部サイト(Boothなど)でアバター等を販売。
コミュニティとユーザー数 ユーザー数は少なめだが、クリエイターや技術志向のユーザーが多く、密度の濃いコミュニティ。 世界最大級のユーザー数を誇り、多様なコミュニティが存在。日本語の情報やイベントも非常に豊富。

クリエイティブツールの自由度と使いやすさ

Neos VRの最大の特徴は、VR空間内でシームレスに創造活動が行える点です。前述の通り、デヴツールチップを使えば、まるで魔法のようにオブジェクトを生成し、変形させ、組み合わせられます。さらに、ビジュアルプログラミング言語「LogiX」を使えば、そのオブジェクトに複雑な動きや機能を与えることもVR内で完結します。

この「インワールド・クリエイション(VR空間内での創造)」は、特に複数人での共同作業において絶大な効果を発揮します。友人たちと同じ空間に集まり、リアルタイムでアイデアを出し合いながら、目の前でワールドがみるみるうちに形になっていく体験は、Neos VRならではの感動があります。思いついたアイデアをその場で試し、すぐに結果を確認できるため、トライ&エラーのサイクルが非常に速く、創造性が刺激されます。

一方、VRChatでのワールドやアバター制作は、主に「Unity」という外部のゲームエンジンと、「VRChat SDK」という専用の開発キットを使ってPC上で行います。Unityは非常に高機能で、世の中の多くの商用ゲームにも使われているため、作り込めることの幅は非常に広いです。また、Unityで利用できる豊富なアセット(3Dモデル、テクスチャ、エフェクトなど)をVRChatのコンテンツ制作に流用できるという大きなメリットもあります。

しかし、この手法はUnityの操作やプログラミング(C#)に関する専門的な知識が必要となり、初心者にとっては学習コストが高いという側面があります。また、制作したコンテンツをVRChatにアップロードして確認するという手順を踏むため、Neos VRのような「その場で試す」という手軽さはありません。

まとめると、直感的かつスピーディに、仲間との共同創造を楽しみたいならNeos VR、専門的なツールを駆使してじっくりと高品質なコンテンツを作り込みたいならVRChatが、それぞれ向いていると言えるでしょう。

クリエイター向けの収益化機能の有無

クリエイターが自身の活動を持続させる上で、収益化は重要な要素です。この点において、Neos VRとVRChatは大きく異なるアプローチを取っています。

Neos VRは、プラットフォーム内に公式の経済圏を構築することを目指しています。その中核をなすのが、暗号資産(仮想通貨)である「NCR(Neos Credits)」です。クリエイターは、自身が制作したアバター、アイテム、便利なツール、ワールドのテンプレートなどを、NCRを使ってNeos VR内で直接販売できます。ユーザーはNCRを購入してクリエイターの作品を手に入れ、クリエイターはその対価として得たNCRを取引所を通じて法定通貨に換金することが可能です。

このシステムは、クリエイターがNeos VR内での活動だけで収益を得る道筋を公式に提供しており、クリエイターエコノミーの活性化を強力に後押ししています。作品の販売だけでなく、イベントの入場料や、個人レッスン、制作依頼などもNCRでやり取りすることが想定されています。

対して、VRChatには、現状、Neos VRのようなオープンな公式アイテム売買システムはありません。(有料サブスクリプション「VRChat Plus」の機能として、フレンドにお金を送る仕組みなどはありますが、本格的なクリエイターエコノミーとは異なります)。VRChatのクリエイターの多くは、「BOOTH」のような外部の3Dモデル販売サイトで自作のアバターや衣装などを販売し、収益を得ています。これは非常に大きな市場を形成していますが、あくまでプラットフォーム外での経済活動です。

したがって、プラットフォームに統合された公式の仕組みで収益化を目指したいクリエイターにとってはNeos VRが魅力的であり、既に確立された巨大な外部市場で活動したいクリエイターにとってはVRChat(とその周辺エコシステム)が適していると言えます。

コミュニティの規模とユーザー数

コミュニティの規模と性質も、プラットフォームを選ぶ上で重要な要素です。

VRChatは、ソーシャルVRプラットフォームとして世界最大級のユーザー数を誇ります。毎日何万人ものユーザーが同時に接続しており、非常に活気があります。ユーザー層も多種多様で、ただ雑談を楽しむ人、ロールプレイをする人、ゲームで遊ぶ人、イベントを開催する人など、様々な目的を持った人々が集まっています。日本語話者のコミュニティも非常に大きく、初心者向けの案内イベントや、特定の趣味を持つ人々が集まるコミュニティが数多く存在するため、情報収集がしやすく、友人を作りやすい環境が整っています。

一方、Neos VRのユーザー数はVRChatと比較するとまだ少ないのが現状です。しかし、その分、ユーザー一人ひとりの結びつきが強く、密度の濃いコミュニティが形成されています。特に、Neos VRの高度なクリエイティブ機能に魅力を感じた開発者、エンジニア、アーティストといった技術志向・クリエイター志向のユーザーが多く集まる傾向にあります。そのため、ワールドを歩いていると、何やらすごい発明品を作っている現場に遭遇したり、LogiXの高度な使い方について議論が交わされていたり、といった光景が日常的に見られます。

もしあなたが「とにかくたくさんの人と出会い、大規模なイベントに参加したい」「日本語で手厚いサポートを受けながら始めたい」のであればVRChatがおすすめです。一方で、「最先端のメタバース技術に触れたい」「クリエイター仲間と深く交流しながらモノづくりに没頭したい」という思いが強いのであれば、Neos VRのコミュニティは非常に刺激的で居心地の良い場所になるでしょう。

Neos VRの始め方【5ステップ】

必要なものを準備する、Steamからダウンロード・インストールする、Neos VRを起動する、アカウントを登録する、プロフィールを設定しチュートリアルへ進む

Neos VRの世界に飛び込む準備はできましたか? ここからは、実際にNeos VRを始めるための具体的な手順を5つのステップに分けて、初心者にも分かりやすく解説します。

① 必要なものを準備する

Neos VRを始めるには、まず必要な機材を揃える必要があります。快適なVR体験のためには、ある程度のスペックを持つPCが不可欠です。

PCの推奨スペック

Neos VRは非常に高機能なため、PCに要求されるスペックも比較的高めです。特に、多くのユーザーや複雑なオブジェクトが存在するワールドでは、PCの性能が体験の質を大きく左右します。公式サイト(Steamストアページ)に記載されているスペック情報を基に、快適なプレイの目安を見てみましょう。

最低要件 推奨要件
OS Windows 10 Windows 10
プロセッサー (CPU) Intel Core i5 / AMD Ryzen 5 または同等以上 Intel Core i7 / AMD Ryzen 7 または同等以上
メモリー (RAM) 8 GB RAM 16 GB RAM
グラフィック (GPU) NVIDIA GeForce GTX 1060 / AMD RX 580 または同等以上 NVIDIA GeForce RTX 2070 / AMD RX 5700 XT または同等以上
ストレージ 20 GB の空き容量 20 GB の空き容量 (SSD推奨)

参照:Neos VR Steamストアページ

最低要件は、あくまで「起動できる」レベルの目安です。実際に多くのワールドを快適に楽しむためには、推奨要件以上のスペックを持つPCを準備することをおすすめします。特に、グラフィックボード(GPU)とメモリ(RAM)は重要です。スペックが不足していると、画面がカクカクしてしまい(フレームレートの低下)、VR体験の質が損なわれるだけでなく、VR酔いの原因にもなります。

対応VRヘッドセット

Neos VRを最も楽しめるのは、やはりVRヘッドセットを使ったVRモードです。Neos VRはPCVR専用のプラットフォームであり、SteamVRに対応しているVRヘッドセットであれば、ほとんどの機種で利用できます。代表的な対応ヘッドセットは以下の通りです。

  • Valve Index: 高いリフレッシュレートと広い視野角、指の動きをトラッキングできるコントローラーが特徴。ハイエンドなVR体験を求めるユーザーに人気です。
  • Meta Quest シリーズ (Quest 2, Quest 3, Quest Proなど): PCとUSBケーブルで接続する「Link」や、Wi-Fi経由で無線接続する「Air Link」「Virtual Desktop」を利用することで、PCVRとして動作します。手軽さとコストパフォーマンスの高さが魅力です。(Quest単体では動作しない点に注意が必要です)
  • HTC VIVE シリーズ (VIVE Pro, VIVE Cosmosなど): 高精度なトラッキングシステムで知られる、PCVRの代表的なシリーズです。
  • その他、PICOシリーズなど、SteamVRに対応した多くのヘッドセットで利用可能です。

もちろん、前述の通りVRヘッドセットがなくてもデスクトップモードでプレイ可能なので、まずは手持ちのPCで試してみるのも良いでしょう。

② Steamからダウンロード・インストールする

Neos VRは、PCゲームの巨大なプラットフォームである「Steam」を通じて無料で配布されています。

  1. Steamのインストール: もしPCにSteamがインストールされていない場合は、まずSteamの公式サイトからクライアントをダウンロードし、インストールしてください。アカウント作成も必要になります。
  2. Neos VRを検索: Steamを起動し、画面上部にある「ストア」をクリックします。ストアページの検索バーに「Neos VR」と入力して検索します。
  3. ダウンロード: Neos VRのストアページが表示されたら、ページを少し下にスクロールし、「ゲームをプレイ」ボタンをクリックします。すると、ダウンロードとインストールが自動的に開始されます。インストールに必要なディスク容量を確認し、完了するまで待ちましょう。

③ Neos VRを起動する

インストールが完了したら、いよいよNeos VRを起動します。

  1. ライブラリから起動: Steamクライアントの「ライブラリ」タブに移動し、ゲームリストの中から「Neos VR」を見つけてクリックします。
  2. プレイボタン: 画面に表示される緑色の「プレイ」ボタンをクリックします。
  3. 起動オプションの選択: 起動時に、プレイモードを選択するウィンドウが表示される場合があります。
    • Launch Neos in VR: VRヘッドセットを使ってプレイする場合に選択します。
    • Launch Neos in Screen Mode: デスクトップモード(VRなし)でプレイする場合に選択します。
      自身の環境に合わせて選択しましょう。

④ アカウントを登録する

初めてNeos VRを起動すると、アカウント登録画面が表示されます。Neos VRでは、ゲストとして一時的に遊ぶこともできますが、作成したアイテムやフレンドリストなどを保存するためにはアカウント登録が必須です。後々のために、必ず登録しておくことを強く推奨します。

登録手順は画面の指示に従うだけです。

  1. ユーザー名の決定: Neos VR内で使用する名前を決めます。後から変更も可能です。
  2. メールアドレスとパスワードの設定: ログインに必要なメールアドレスとパスワードを登録します。パスワードは忘れないように管理しましょう。
  3. 利用規約への同意: 利用規約などを確認し、同意します。

これでアカウント登録は完了です。次回以降は、このアカウントでログインすることで、自分のデータにアクセスできます。

⑤ プロフィールを設定しチュートリアルへ進む

アカウント登録が完了すると、いよいよNeos VRの世界に入ります。最初はシンプルなハブワールドに降り立つことが多いです。ここで、まずは基本的な設定とチュートリアルを進めましょう。

  1. アバターの選択: 最初はロボットのようなデフォルトアバターになっています。ダッシュメニュー(後述)から「アバター」を選択し、用意されているいくつかのアバターの中から好きなものを選んでみましょう。
  2. チュートリアルの開始: Neos VRには、基本的な操作方法を学べる公式のチュートリアルワールドが用意されています。多くの場合、初回起動時にチュートリアルへ移動するかどうか尋ねられます。操作に慣れるために、このチュートリアルは必ず体験しておくことをおすすめします。移動方法、物の掴み方、メニューの開き方など、Neos VRで過ごす上で必須の知識をインタラクティブに学べます。

これで、Neos VRの世界を冒険する準備はすべて整いました。

Neos VRの基本的な使い方・操作方法

基本的な移動方法、ダッシュメニュー(ダッシュボード)の開き方、コンテキストメニューの開き方、インベントリの開き方、ツールの取り出し方、アバターの作成と変更方法

Neos VRは非常に多機能なため、最初は操作に戸惑うかもしれません。しかし、基本的なメニューや操作方法をいくつか覚えてしまえば、格段に快適に過ごせるようになります。ここでは、絶対に覚えておきたい基本的な使い方と操作方法を解説します。

基本的な移動方法

ワールド内を自由に動き回るための移動操作は、VRモードとデスクトップモードで異なります。

  • VRモード:
    • テレポート移動: 左コントローラーのスティックを前に倒すと、移動先のポインターが表示されます。行きたい場所でスティックを離すと、その場所に瞬間移動します。VR酔いしにくい、初心者におすすめの移動方法です。
    • スムーズロコモーション: 左コントローラーのスティックを倒した方向に、滑るように連続して移動します。より直感的な移動が可能ですが、慣れないうちはVR酔いを起こしやすい場合があります。
    • 移動方法は設定で変更可能です。
  • デスクトップモード:
    • W, A, S, D キー: 前後左右への移動。一般的なPCゲームの操作と同じです。
    • マウス: 視点の移動。
    • スペースキー: ジャンプ。
    • Shiftキー: ダッシュ(速く走る)。

ダッシュメニュー(ダッシュボード)の開き方

ダッシュメニューは、Neos VRのあらゆる機能にアクセスするための最も重要なメニューです。ワールドの移動、フレンドの確認、インベントリの表示、各種設定の変更など、すべてここから行います。

  • VRモード:
    • コントローラーのメニューボタン(機種によって異なりますが、一般的に平らで小さいボタン。Meta Questなら左コントローラーの「Y」ボタン、Valve Indexなら「B」ボタンなど)を短く押すことで開きます。
  • デスクトップモード:
    • キーボードの「Esc」キーを押すことで開きます。

ダッシュメニューには「ワールド」「セッション」「フレンド」「インベントリ」「設定」などのタブが並んでおり、これらを使いこなすことがNeos VRに慣れるための第一歩です。

コンテキストメニューの開き方

コンテキストメニューは、オブジェクトや他のユーザーに対して、より詳細な操作を行うためのメニューです。オブジェクトを複製したり、詳細な設定(コンポーネント)を確認したり、他のユーザーをフレンドに追加したりする際に使用します。

  • VRモード:
    • 操作したい対象(オブジェクトやアバター)にコントローラーのレーザーを向け、メニューボタン(ダッシュメニューを開くボタンと同じ)を長押しするか、機種によっては第二のメニューボタン(例: Meta Questの「X」ボタン)を押すことで開きます。円形のメニューが表示され、スティックで項目を選択します。
  • デスクトップモード:
    • 操作したい対象にマウスポインターを合わせ、右クリックすることで開きます。

このメニューから「デストロイ(破壊)」や「複製」、「インスペクターを開く(詳細設定)」などの重要な操作ができます。

インベントリの開き方

インベントリは、あなたが保存したアバター、アイテム、ツールなどを保管しておく仮想的な倉庫です。ここから好きなものを取り出して、ワールド内で使用できます。

  1. ダッシュメニューを開きます
  2. 上部のタブから「インベントリ」を選択します。
  3. すると、フォルダ構造で整理されたあなたのインベントリが表示されます。
  4. 取り出したいアイテムを見つけたら、それを選択して「スポーン(出現させる)」ボタンを押すか、VRモードなら直接掴んでワールド内に引き出すことで使用できます。

お気に入りのアバターや便利なツールは、インベントリの分かりやすい場所に整理しておくと良いでしょう。

ツールの取り出し方

Neos VRでの創造活動に欠かせないのが、「ツール」です。オブジェクトを生成する「デヴツールチップ」、オブジェクトの見た目(マテリアル)を変更する「マテリアルツールチップ」などが代表的です。これらのツールは、最初からあなたのインベントリに用意されています。

  1. インベントリを開きます
  2. 「Neos Essentials」というフォルダを探し、その中にある「Tools」フォルダを開きます。
  3. 中に様々なツールチップが入っているので、使いたいツール(例: DevToolTip)をスポーンさせます。
  4. 出現したツールを手に装備する(コントローラーで掴む)と、そのツールが使えるようになります。

アバターの作成と変更方法

Neos VRの楽しみの一つに、個性的なアバターでの自己表現があります。アバターの変更や作成は簡単に行えます。

  • アバターを変更する方法:
    1. インベントリに保存されているアバターを選択するか、ワールド内に置かれているアバターオーブ(アバターが球体になったもの)に触れます。
    2. コンテキストメニューを開き、「着替える」といった趣旨の選択肢を選びます。
    3. もしくは、ダッシュメニューの「アバター」タブから、保存済みのアバターリストを選択して着替えることもできます。
  • アバターを簡単に作成する方法:
    Neos VRには、専門知識がなくても簡単に自分好みのアバターを作成できる「アバタークリエイター」という機能や、そういった機能が設置されたワールドが存在します。
    ワールドブラウザで「Avatar Creator」などと検索して、そういったワールドを訪れてみましょう。用意されたパーツを組み合わせたり、色を変えたりするだけで、手軽にオリジナルアバターを作成し、インベントリに保存できます。

これらの基本操作をマスターすれば、Neos VRの世界を自由に探索し、他のユーザーと交流し、そして創造活動を始めるための準備が整います。

Neos VRの楽しみ方・できること

さまざまなワールドを探索する、イベントやゲームに参加する、他のユーザーとコミュニケーションをとる、自分でワールドやアイテム、アバターを作る

基本的な操作を覚えたら、いよいよNeos VRの無限の可能性を探求する時間です。ここでは、Neos VRで体験できる代表的な楽しみ方や活動を4つのカテゴリーに分けて紹介します。

さまざまなワールドを探索する

Neos VRの世界は、ユーザーが作成した無数の「ワールド」によって構成されています。ダッシュメニューの「ワールド」タブからワールドブラウザを開けば、現在公開されている様々なワールドに自由にジャンプできます。

  • 美しい景観のワールド: 現実世界を精巧に再現した街並み、ファンタジー映画のような幻想的な風景、宇宙空間に浮かぶステーションなど、ただ訪れて散策するだけでも楽しいワールドが数多く存在します。写真撮影が趣味の人にとっては、絶好のロケーションとなるでしょう。
  • ゲームが遊べるワールド: 他のユーザーと対戦できるシューティングゲーム、頭を使うパズルゲーム、物理演算を活かしたアスレチックなど、本格的なゲームが楽しめるワールドも豊富です。友人たちと集まってゲーム大会を開くのも一興です。
  • ソーシャルハブ: 多くのユーザーが集まり、雑談や交流を楽しむことを目的としたワールドです。新しい出会いを求めたり、気軽に誰かと話したい時に訪れるのに最適です。日本のユーザーが集まるハブワールドも存在します。
  • 教育・学習コンテンツ: 人体の構造をインタラクティブに学べるワールド、物理法則を視覚的に体験できるシミュレーター、プログラミングを学べるチュートリアルワールドなど、Neos VRは教育分野でもそのポテンシャルを発揮しています。

新しいワールドを訪れるたびに、製作者の創造性や技術力に驚かされることでしょう。ワールドの探索は、Neos VRの多様性と奥深さを知るための最も手軽で楽しい方法です。

イベントやゲームに参加する

Neos VRのコミュニティは非常にアクティブで、ユーザー主催のイベントが毎日のように開催されています。一人でワールドを巡るのも楽しいですが、イベントに参加することで、より深くコミュニティと関わり、共通の興味を持つ仲間を見つけられます。

  • 定期集会: 特定のテーマ(例えば、初心者交流、クリエイターの情報交換など)で定期的に開催される集会です。同じ目的を持つユーザーと効率的に出会うことができます。
  • 音楽イベント: ユーザーがDJやVJとしてパフォーマンスを行うクラブイベントや、バーチャルな楽器を使ったライブコンサートなどが頻繁に開催されています。現実のライブ会場さながらの熱気と一体感を、自宅にいながら体験できます。
  • 勉強会・ワークショップ: LogiXの高度な使い方、3Dモデリングのテクニック、シェーダーの書き方など、専門的な知識を教え合う勉強会も活発です。自分のスキルを高めたいクリエイターにとっては絶好の機会となります。
  • ゲーム大会: 前述のゲームワールドを利用して、ユーザー主催の大会が開催されることもあります。仲間とチームを組んで参加すれば、楽しさも倍増です。

イベントの情報は、公式のDiscordサーバーや、ユーザーが作成したイベントカレンダーなどで告知されています。興味のあるイベントを見つけたら、ぜひ気軽に参加してみましょう。

他のユーザーとコミュニケーションをとる

ソーシャルVRの根幹は、やはり他者とのコミュニケーションです。Neos VRでは、そのための多様な手段が用意されています。

アバターを通じたコミュニケーションは、テキストチャットやビデオ通話とは全く異なる、「そこにいる」という強い実在感を伴います。ボイスチャットで声を聞きながら、フルボディトラッキングで再現された相手の身振り手振りを見ることで、言葉以上のニュアンスが伝わります。

最初は知らない人に話しかけるのに勇気がいるかもしれませんが、多くのユーザーは新しい人との出会いを歓迎しています。ソーシャルハブなどで、まずは「こんにちは」と挨拶をしてみることから始めてみましょう。共通の話題が見つかれば、そこから会話が弾み、一緒にワールドを巡ったり、フレンドになったりといった関係に発展していくかもしれません。

また、Neos VRではオブジェクトを介したコミュニケーションも豊かです。ペンを取り出して一緒に絵を描いたり、楽器をセッションしたり、乗り物を一緒に操縦したりと、共同作業を通じて自然と仲が深まることも少なくありません。言葉の壁がある海外のユーザーとも、こうしたノンバーバルなコミュニケーションで楽しむことが可能です。

自分でワールドやアイテム、アバターを作る

そして、Neos VRの真髄とも言えるのが、自分自身がクリエイターになることです。最初は他の人の作品を見て楽しむだけでも十分ですが、少し慣れてきたら、ぜひ簡単なものからで良いので、何かを「創る」ことに挑戦してみてください。

  1. 簡単なオブジェクトの作成: まずはデヴツールチップを使って、キューブやスフィアといった基本的な図形(プリミティブ)を生成してみましょう。色を変えたり、大きさを変えたり、複数組み合わせて簡単なオブジェを作ったりするだけでも、創造の第一歩です。
  2. アイテムのインポート: 自分で作った3Dモデルや画像があるなら、それをNeos VR内にインポートして、ワールドに飾ることもできます。自分の作品で空間を彩っていくのは楽しい体験です。
  3. LogiXに挑戦: 簡単なLogiXを組んでみましょう。例えば、「ボタンを押したら、音が鳴る」「オブジェクトに触れたら、色が変わる」といった簡単なインタラクションから始めるのがおすすめです。チュートリアルワールドや、他の人が作ったLogiXの構造を参考にしながら学ぶことができます。
  4. ワールドの制作: 最終的な目標として、自分だけのワールドを創り上げることも夢ではありません。自分の好きなものを詰め込んだ秘密基地、友人と集まるためのプライベートな空間、多くの人に遊んでもらうためのゲームワールドなど、想像力次第で可能性は無限に広がります。

Neos VRでの創造活動は、プログラミングやゲーム開発のスキルを楽しみながら学ぶ絶好の機会でもあります。失敗を恐れずに、色々なものを創り、壊し、また創るというプロセスそのものを楽しんでみましょう。

Neos VRを始める上での注意点

Neos VRは無限の可能性を秘めた素晴らしいプラットフォームですが、その高度さゆえに、初心者が知っておくべきいくつかの注意点も存在します。事前にこれらの点を理解しておくことで、よりスムーズにNeos VRの世界に馴染むことができるでしょう。

PCの要求スペックが高い

これはNeos VRを始める上で最も重要な注意点の一つです。前述の通り、Neos VRはリアルタイムでの物理演算や、ユーザーが自由にオブジェクトを生成できる仕組みなど、PCに高い負荷をかける機能を多く含んでいます。

特に、多くのユーザーが集まっていたり、非常に凝ったオブジェクトやギミックが大量に配置されていたりするワールドでは、PCの処理能力が追いつかずにパフォーマンスが大幅に低下することがあります。具体的には、画面の動きがカクカクする「フレームレートの低下」が発生します。

デスクトップモードであれば、多少のパフォーマンス低下は我慢できるかもしれませんが、VRモードにおいてフレームレートの低下は致命的です。視界の動きと実際の頭の動きがズレることで、深刻なVR酔いを引き起こす可能性があります。VR酔いは、乗り物酔いに似た不快な症状で、一度経験するとVRそのものに苦手意識を持ってしまうことにも繋がりかねません。

この問題への対策として、以下の点が挙げられます。

  • 推奨スペック以上のPCを用意する: 最も根本的な解決策です。特にGPU(グラフィックボード)とCPU、RAM(メモリ)は、体験の質に直結します。
  • グラフィック設定を調整する: Neos VR内の設定メニューから、描画品質やシャドウのクオリティなどを下げることで、PCへの負荷を軽減できます。
  • 表示するユーザー数を制限する: 他のユーザーのアバター表示を簡略化したり、一定距離以上のユーザーを非表示にしたりする設定もあります。
  • 負荷の高いワールドを避ける: 始めのうちは、比較的シンプルな構造のワールドや、人数の少ないワールドを中心に探索すると良いでしょう。

自分のPCスペックを把握し、無理のない範囲で楽しむことが、長くNeos VRを続けるための秘訣です。

日本語の情報や対応がまだ少ない

VRChatが日本で巨大なコミュニティを形成し、日本語の解説サイトや動画、イベントが豊富に存在するのに対し、Neos VRはまだ日本語圏での知名度やユーザー数が発展途上の段階にあります。

これにより、以下のような課題に直面する可能性があります。

  • 公式の日本語対応が不十分: Neos VRのUI(ユーザーインターフェース)や公式ドキュメント、チュートリアルは、その多くが英語で提供されています。基本的な操作はアイコンなどで直感的に理解できる部分もありますが、高度な機能を使おうとすると、英語の読解力が必要になる場面が出てきます。
  • 日本語の解説情報が限られている: 特定の機能の使い方やLogiXの組み方、トラブルシューティングなどについて日本語で解説しているウェブサイトや動画は、VRChatに比べると圧倒的に少ないのが現状です。情報を探す際には、英語の情報を翻訳しながら調べる必要が出てくるかもしれません。
  • 日本人コミュニティの規模: 日本人のユーザーも確実に増えており、活発なコミュニティも存在しますが、VRChatのように「いつでもどこでも日本人ユーザーに会える」という状況ではありません。時間帯によっては、日本人ユーザーと出会うのが難しい場合もあります。

しかし、これは必ずしもデメリットだけではありません。

  • 日本のユーザーコミュニティは非常に協力的: ユーザー数が少ない分、コミュニティ内の結びつきは強く、初心者に対して親切なユーザーが多い傾向にあります。公式のDiscordサーバーには日本語チャンネルがあり、そこで質問すれば、ベテランユーザーが丁寧に答えてくれることがよくあります。
  • 能動的に学ぶ力が身につく: 情報が少ないからこそ、自ら試行錯誤したり、英語の情報を読み解いたりする力が養われます。この過程で得た知識は、Neos VRだけでなく、他の分野でも役立つスキルとなるでしょう。

英語に抵抗がなく、自分で調べて解決していく探求心のある人や、最先端の技術をいち早く学びたいという意欲のある人にとっては、むしろNeos VRの環境は魅力的に映るかもしれません。

Neos VRに関するよくある質問

基本プレイは完全無料、スマホやQuest単体ではプレイ不可、クリエイターや最先端技術に触れたい人におすすめ

最後に、Neos VRを始めるにあたって多くの人が抱くであろう疑問について、Q&A形式で回答します。

Neos VRは無料でプレイできますか?

はい、Neos VRの基本的なプレイは完全に無料です。

Steamからアプリケーションをダウンロードし、アカウントを作成し、ワールドを探索したり、他のユーザーと交流したり、クリエイティブツールを使ってモノづくりをしたりといった、Neos VRの核となる体験は、一切費用をかけずに楽しむことができます。

有料の要素としては、以下のようなものがあります。

  • NCR (Neos Credits): 前述の通り、これはクリエイターが作成したアイテムやアバターなどを購入するために使用される暗号資産です。他のユーザーの作品を購入したい場合に、現実の通貨でNCRを購入する必要があります。しかし、これは必須ではなく、あくまで追加的な要素です。
  • Patreonでの支援: Neos VRの開発チームは、クラウドファンディングサイト「Patreon」を通じてユーザーからの支援を受け付けています。支援者は、支援額に応じてストレージ容量の増加や、特別なバッジなどの特典を受け取ることができます。これも、Neos VRの発展を応援したいユーザー向けの任意のものであり、支援しなくても機能的な制限はほとんどありません。

結論として、お金を一切かけなくても、Neos VRの魅力を存分に味わうことは可能です。

スマホやQuest 2単体でもプレイできますか?

いいえ、2024年現在、Neos VRはスマートフォン(iOS/Android)や、Meta Quest 2 / Quest 3のスタンドアロン版(PCに接続しない状態)には対応していません

Neos VRはPCのパワフルな処理能力を前提として設計されたPCVRプラットフォームです。そのため、プレイするには必ずPCが必要になります。

Meta QuestシリーズでNeos VRをプレイしたい場合は、以下のいずれかの方法でPCと接続する必要があります。

  • Meta Link (Quest Link): 公式の機能で、USB-Cケーブルを使ってPCとQuestを物理的に接続します。安定した接続が魅力です。
  • Air Link: 公式の機能で、Wi-Fi経由でPCとQuestを無線接続します。ケーブルの煩わしさから解放されますが、快適にプレイするには高速で安定したWi-Fi環境(Wi-Fi 6推奨)が必要です。
  • Virtual Desktop: サードパーティ製の有料アプリですが、高機能で詳細な設定が可能なため、多くのユーザーに利用されています。こちらもAir Link同様、無線接続です。

将来的にスタンドアロン版が登場する可能性はゼロではありませんが、現時点ではPCが必須であると覚えておきましょう。

どんな人におすすめですか?

これまでの内容を踏まえると、Neos VRは特に以下のような人に強くおすすめできるプラットフォームです。

  • VR空間でモノづくりがしたいクリエイター: 3Dモデリング、プログラミング、ゲームデザインなどに興味がある人にとって、Neos VRは最高の遊び場であり、学習ツールです。直感的なツールで、アイデアをすぐに形にできます。
  • 最先端のメタバース技術に触れたい人: 「メタバースエンジン」というコンセプトに惹かれる人や、VRの未来がどこへ向かうのかを肌で感じたい技術者・研究者にとって、Neos VRは非常に刺激的な環境です。
  • 仲間と協力して何かを創り上げたい人: リアルタイム共同編集機能は、Neos VRの大きな魅力です。友人やチームメンバーと集まって、一緒にワールドやゲームをゼロから作り上げるという体験に価値を感じる人には最適です。
  • 密度の濃いコミュニティで深く交流したい人: 大規模で雑多なコミュニティよりも、特定の興味(特にクリエイティブ分野)を共有する人々と、深く、じっくりと関係を築きたい人に向いています。
  • 探求心が強く、自ら学ぶことを楽しめる人: 日本語の情報が少ないという現状を、ネガティブに捉えるのではなく、フロンティアを開拓するチャンスとして楽しめる人には、発見の喜びに満ちた体験が待っています。

もし、あなたがこれらのいずれかに当てはまるのであれば、Neos VRはきっと忘れられない体験を提供してくれるでしょう。

まとめ

本記事では、「メタバースエンジン」とも呼ばれるソーシャルVRプラットフォーム「Neos VR」について、その基本概念から特徴、VRChatとの違い、具体的な始め方、操作方法、楽しみ方、そして注意点まで、幅広く解説しました。

Neos VRの最大の魅力は、他の追随を許さない圧倒的な自由度と、VR空間内ですべてが完結するシームレスな創造体験にあります。ユーザーは単なる消費者ではなく、メタバースそのものを構築していく創造主となることができます。ビジュアルプログラミング「LogiX」を駆使すれば、あなたの想像力はVR空間内で無限に形となり、動き出します。

確かに、要求されるPCスペックの高さや、日本語情報の少なさといった、初心者にとっては少し高いハードルが存在するのも事実です。しかし、そのフロンティア精神をくすぐる環境は、クリエイターや技術者、そして新しい体験を求めるすべての人々にとって、計り知れない価値を持っています。

この記事が、あなたがNeos VRという未知なる世界へ第一歩を踏み出すための、信頼できるガイドとなれば幸いです。さあ、必要なものを準備して、あなただけが創れる無限の可能性が広がるメタバースへ旅立ちましょう。