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【例文15選】求人票の書き方を解説|応募が増える作成ポイント

求人票の書き方を解説、応募が増える作成ポイント

企業の成長に不可欠な人材採用。その入り口となるのが「求人票」です。数多くの求人情報が溢れる現代において、求職者の目に留まり、心を動かす求人票を作成することは、採用活動の成功を大きく左右します。

しかし、「どう書けば応募が増えるのか分からない」「自社の魅力がうまく伝わらない」といった悩みを抱える採用担当者の方は少なくありません。求人票は、単なる募集条件の羅列ではなく、未来の仲間となる候補者への最初のプレゼンテーションであり、企業の顔とも言える重要なコミュニケーションツールです。

この記事では、求人票の基本的な役割から、応募が集まる求人票を作成するための具体的な準備、9つの書き方のポイント、そして職種別の豊富な例文まで、網羅的に解説します。法律上の注意点やよくあるNG例も紹介するため、初めて求人票を作成する方はもちろん、これまで思うような成果が得られなかった方も、ぜひ参考にしてください。

この記事を最後まで読めば、求職者の心に響き、自社が求める理想の人材からの応募を増やすためのノウハウが身につくはずです。

求人票とは

求人票とは、企業(求人者)が労働者を募集する際に、仕事内容や賃金、労働時間、その他の労働条件を求職者に対して明示するための文書です。ハローワーク(公共職業安定所)への提出が代表的ですが、求人サイトや人材紹介会社を通じて公開される募集情報も広義の求人票に含まれます。

この求人票の最も重要な役割は、企業と求職者の間の「情報格差」をなくし、双方が納得した上で雇用契約を結ぶための土台を築くことです。求職者は求人票に書かれた情報をもとに、その仕事が自分のスキルや経験、希望する働き方に合っているかを判断し、応募するかどうかを決めます。

そのため、求人票の内容が曖昧であったり、実態と異なっていたりすると、応募が集まらないだけでなく、仮に採用できたとしても、入社後に「思っていた仕事と違った」「聞いていた条件と違う」といったミスマッチが生じ、早期離職につながるリスクが高まります。

逆に、仕事の魅力ややりがい、企業の文化やビジョンが具体的に伝わる求人票は、求職者の興味を引きつけ、応募意欲を高める強力なツールとなります。優れた求人票は、単なる「募集」から「集客(応募者を集める)」へと、その役割を昇華させるのです。

また、求人票の作成にあたっては、職業安定法をはじめとする各種法令を遵守する必要があります。例えば、性別や年齢による不当な差別を禁止する規定や、労働条件を正確に明示する義務などが定められています。これらのルールを守り、誠実な情報開示を行うことが、企業の信頼性を担保する上でも極めて重要です。

求人票と求人広告の違い

「求人票」と「求人広告」は、しばしば混同されがちですが、その目的と性質には明確な違いがあります。両者の特性を理解し、適切に使い分けることが、効果的な採用活動につながります。

項目 求人票 求人広告
主な目的 労働条件の正確な明示 企業の魅力訴求、応募喚起
主な掲載場所 ハローワーク、職業紹介事業者、大学のキャリアセンターなど 求人情報サイト、転職エージェントのサイト、SNS、雑誌、新聞など
記載内容の自由度 低い(職業安定法で定められた項目が中心) 高い(デザイン、キャッチコピー、写真・動画の活用など表現が自由)
法的拘束力 強い(職業安定法に基づく明示義務) 広告としての規制(景品表示法など)が適用される場合がある

求人票は、職業安定法に基づき、求職者が仕事内容や労働条件を正確に理解するために必要な情報を記載する「公的な書類」としての側面が強いです。特にハローワークに提出する求人票は、定められたフォーマットに沿って、事実を客観的に記述することが求められます。ここでの主眼は「正確な情報伝達」にあります。

一方、求人広告は、企業の魅力をアピールし、多くの求職者に応募してもらうことを目的とした「マーケティングツール」としての性質が強いと言えます。キャッチーな見出しや魅力的な写真、社員インタビューなどを活用し、求職者の感情に訴えかける表現が可能です。デザインやレイアウトの自由度も高く、企業のブランドイメージを効果的に伝えることができます。

ただし、この二つは完全に独立しているわけではありません。現在主流となっているWebの求人サイトでは、一つの募集情報の中に、求人票が持つ「労働条件の明示」という機能と、求人広告が持つ「魅力の訴求」という機能が融合されています。

つまり、現代の採用担当者に求められるのは、求人票の正確性と求人広告の訴求力を両立させた募集情報を作成するスキルです。法的な要件を満たしつつ、いかに自社の魅力を伝え、ターゲットとする求職者の心に響かせるか。この視点を持つことが、応募が集まる求人票作成の第一歩となります。

応募が集まる求人票を作成するための3つの事前準備

採用したい人物像(ペルソナ)を明確にする、自社の魅力を洗い出す、競合他社の求人を分析する

魅力的な求人票をいきなり書き始めるのは困難です。効果的な求人票を作成するためには、執筆前の「準備」が9割を占めると言っても過言ではありません。ここでは、応募が集まる求人票を作成するために不可欠な3つの事前準備について解説します。

採用したい人物像(ペルソナ)を明確にする

求人票は、不特定多数に向けた手紙ではありません。「まさにあなたのような人に来てほしい」というメッセージを、たった一人の理想の候補者に届けるためのラブレターです。その「たった一人」を具体的に描き出す作業が、ペルソナ設定です。

ペルソナとは、採用したい人物像を、あたかも実在する一人の人物のように、詳細なプロフィールまで具体的に設定したものです。なぜペルソナ設定が重要なのでしょうか。それは、ターゲットが明確になることで、求人票のどの部分で、どのような言葉を使って、何を伝えればその人の心に響くかがクリアになるからです。

【ペルソナ設定の具体的な項目例】

  • 基本情報: 年齢、性別、居住地、家族構成など
  • 学歴・職歴: 最終学歴、現在の職種、業種、企業規模、役職、年収
  • スキル・経験: 保有資格、専門スキル(言語、ツールなど)、マネジメント経験
  • 価値観・志向性: 仕事に求めるもの(安定、成長、やりがい、社会貢献など)、キャリアプラン、働き方への希望(ワークライフバランス、リモートワークなど)
  • 情報収集の方法: 普段利用する求人サイト、SNS、情報収集に使うキーワード
  • 転職を考える理由: 現状の不満(給与、人間関係、業務内容など)、将来への希望

これらの項目を埋めるためには、現場の社員へのヒアリングが欠かせません。「どんな人と一緒に働きたいか」「どんなスキルを持つ人が来たら助かるか」といった具体的な声を集めましょう。また、現在社内で活躍している優秀な社員をモデルに、その人の特徴を分析することも有効な手段です。

ペルソナを設定することで、「この人はきっと、専門用語の多い求人票は読み飛ばしてしまうだろう」「この人なら、裁量権の大きさに魅力を感じるはずだ」といった仮説が立てられます。この仮説こそが、数多ある求人情報の中から自社の求人票を選んでもらうための羅針盤となるのです。

自社の魅力を洗い出す

ターゲット(ペルソナ)が決まったら、次はその人に何をアピールするか、つまり「自社の魅力」を言語化する作業に移ります。多くの企業が「うちには特別な魅力なんてない」と考えがちですが、それは大きな間違いです。社内では「当たり前」だと思われていることこそ、社外の求職者にとっては非常に魅力的に映るケースが少なくありません。

魅力を体系的に整理するために、以下の4つの視点(採用マーケティングにおける4P)で洗い出してみるのがおすすめです。

  1. Philosophy(理念・目的): 企業のビジョン、ミッション、事業の社会的な意義、将来性など。「何のためにこの事業を行っているのか」という根本的な価値観。
  2. Profession(仕事・事業): 仕事内容の面白さ、やりがい、得られるスキル、キャリアパス、事業の独自性や成長性など。「どんな仕事ができるのか」という業務そのものの魅力。
  3. People(人・風土): 社員の人柄、チームワーク、組織風土、経営者との距離感、評価制度など。「どんな人たちと、どんな環境で働くのか」という人間関係や文化の魅力。
  4. Privilege(特権・待遇): 給与、福利厚生、休日休暇、労働時間、オフィス環境、独自の制度など。「どんな待遇や働き方が得られるのか」という物理的・金銭的な魅力。

これらの魅力を洗い出す際には、経営層だけでなく、様々な部署や役職の社員から意見を集めるワークショップを開いたり、匿名アンケートを実施したりすると、多角的な視点が得られます。

例えば、「残業が少ない」という事実は、Privilegeの魅力です。しかし、なぜ残業が少ないのかを深掘りすると、「業務効率化のツールを積極的に導入している(Profession)」「互いに協力し合う文化がある(People)」といった、他の魅力が見えてくることもあります。

洗い出した魅力は、設定したペルソナに響くであろうものを優先的に求人票に盛り込んでいきます。自社の魅力を客観的に棚卸しし、言語化しておくことは、採用活動全体の強力な武器となります。

競合他社の求人を分析する

ペルソナを定め、自社の魅力を把握したら、最後の準備として「競合分析」を行います。採用市場も、顧客に商品やサービスを販売する市場と同じく、競合との競争の中にあります。同じ職種、同じ地域で人材を募集している他社が、どのような条件を提示し、何をアピールしているかを知ることは、自社の戦略を立てる上で不可欠です。

【競合分析の主な観点】

  • 給与・待遇: 給与水準(下限・上限)、賞与、手当の種類や金額。
  • 労働条件: 休日日数、勤務時間、残業時間の実績、リモートワークの可否。
  • 仕事内容: 担当業務の範囲、裁量権の大きさ、使用ツール。
  • アピールポイント: 求人票のキャッチコピー、強調している自社の魅力(風土、成長性、安定性など)。
  • 表現方法: 使っている言葉遣い、写真や動画の雰囲気、情報の具体性。

分析の方法としては、主要な求人サイトで、自社が募集する職種・勤務地と同様の条件で検索し、上位に表示される求人や、応募が集まっていそうな求人を複数ピックアップします。そして、上記のような観点でスプレッドシートなどに情報を整理し、比較してみましょう。

この分析を通じて、「この地域の同じ職種では、月給〇〇円が相場のようだ」「多くの企業がワークライフバランスを打ち出しているな」「この会社は、未経験者向けの研修制度を手厚くアピールしている」といった市場の傾向が見えてきます。

その上で、自社の求人票をどう差別化するかを考えます。例えば、給与水準で劣る場合でも、「他社にはないユニークな福利厚生がある」「スキルアップのための研修費用を全額補助する」といった自社独自の魅力を強調することで、求職者に選ばれる可能性を高めることができます。

競合を知り、自社の立ち位置を客観的に把握すること。これが、独りよがりではない、求職者に「選ばれる」求人票を作成するための最後の鍵となります。

応募が増える求人票の書き方【9つのポイント】

仕事内容を具体的に書く、求める人物像を明確に伝える、専門用語を避け、分かりやすい言葉を選ぶ、自社の魅力を具体的にアピールする、入社後の働き方がイメージできるように書く、給与や待遇は正直に記載する、求職者の不安をなくす情報を加える、写真や動画を活用する、法律を遵守する

事前準備が整ったら、いよいよ求人票の作成です。ここでは、求職者の心をつかみ、応募数を増やすための具体的な書き方のポイントを9つに分けて解説します。

① 仕事内容を具体的に書く

求職者が最も知りたい情報の一つが「入社後、具体的にどんな仕事をするのか」です。ここが曖昧だと、求職者は働くイメージが持てず、応募をためらってしまいます。

NG例:「営業部門における各種業務」
これでは、新規開拓なのかルート営業なのか、個人向けか法人向けか、何も分かりません。

OK例:「法人向けITソリューションの新規開拓営業をお任せします。具体的には、電話やメールでのアポイント獲得から、顧客訪問による課題ヒアリング、最適なサービスの提案、見積書作成、契約手続きまで一貫して担当していただきます。1日の訪問件数は平均3~4件で、営業先は主に都内の中小企業です。」

このように、誰に、何を、どのように提供する仕事なのかを具体的に記述することが重要です。さらに、以下のような情報を加えると、より働くイメージが湧きやすくなります。

  • 1日の仕事の流れ: スケジュール例を示すことで、日々の業務を想像しやすくなります。
  • チーム構成: 何人のチームで、どのような役割分担をしているのか。
  • 使用するツールやソフト: Slack, Salesforce, Adobe Creative Cloudなど、具体的なツール名を挙げると、経験者がスキルを活かせるか判断しやすくなります。
  • 仕事のやりがいと厳しさ: やりがいや魅力だけでなく、仕事の大変な側面も正直に伝えることで、誠実な印象を与え、入社後のミスマッチを防ぎます。

② 求める人物像を明確に伝える

事前準備で設定したペルソナを、求人票の言葉に落とし込みます。「応募資格」や「求める人物像」の欄で、どんな人に来てほしいのかを具体的に伝えましょう。

NG例:「コミュニケーション能力の高い方」
「コミュニケーション能力」の定義は人それぞれで、非常に曖昧です。

OK例:「チームメンバーや他部署と積極的に情報交換を行い、協力しながらプロジェクトを進めるのが得意な方。相手の意見を尊重し、建設的な議論ができる方を歓迎します。」

このように、企業が求める「能力」が、実際の業務シーンでどのように発揮されるのかを記述すると、求職者は自分がその要件に合っているかを判断しやすくなります。

スキルや経験については、「必須(Must)」と「歓迎(Want)」を明確に分けて記載することが親切です。必須要件が多すぎると応募のハードルが上がってしまうため、本当に必要なものに絞り込みましょう。歓迎要件では、「こんな経験があれば、さらに活躍できます」というメッセージを伝えることで、幅広い層からの応募を促すことができます。

③ 専門用語を避け、分かりやすい言葉を選ぶ

採用担当者が当たり前に使っている言葉も、業界未経験者や異業種からの転職者にとっては理解できない専門用語かもしれません。求人票は、できるだけ多くの人に読んでもらい、理解してもらうことが目的です。

NG例:「当社のCRMを活用し、リードのナーチャリングからクロージングまでを担当。KPI達成に向けてPDCAを回していただきます。」
マーケティングや営業の経験者でなければ、意味を正確に理解するのは難しいでしょう。

OK例:「当社が利用する顧客管理システム(CRM)を使い、お問い合わせいただいたお客様(リード)との関係を深め(ナーチャリング)、契約につなげる(クロージング)までを担当していただきます。目標達成(KPI達成)のために、計画(Plan)・実行(Do)・評価(Check)・改善(Action)のサイクルを回しながら業務を進めていきます。」

このように、専門用語や社内用語、アルファベットの略語は避けるか、必ず注釈や説明を加えるように心がけましょう。特に、ペルソナが業界未経験者を含む場合は、中学・高校生が読んでも分かるくらいの平易な言葉を選ぶ意識が重要です。

④ 自社の魅力を具体的にアピールする

「アットホームな職場」「成長できる環境」といった言葉は、多くの求人票で使われているため、もはや求職者の心には響きません。自社の魅力を伝える際は、具体的なエピソードや数字を用いて、オリジナリティのある表現を心がけましょう。

NG例:「風通しの良い、アットホームな職場です。」

OK例:「社長や役員も『さん』付けで呼び合うフラットな組織です。月1回開催される『シャッフルランチ(部署の垣根を越えたランチ会)』では、普段関わらないメンバーとの交流も活発。中途入社者がすぐに馴染めるよう、メンター制度も導入しています。」

数字を入れることも具体性を高める上で非常に効果的です。

  • 「有給休暇が取りやすい」→「有給休暇取得率85%(昨年度実績)
  • 「研修制度が充実」→「入社後3ヶ月間の導入研修に加え、年間10万円まで資格取得費用を補助
  • 「産休・育休からの復帰実績あり」→「過去5年間で産休・育休取得者15名、復職率100%

事前準備で洗い出した自社の魅力を、客観的な事実やストーリーを交えて伝えることで、説得力が格段に増します。

⑤ 入社後の働き方がイメージできるように書く

求職者は、入社後に自分がどのように成長し、キャリアを築いていけるのかに強い関心を持っています。将来への期待感を抱かせることが、応募への最後の一押しになることも少なくありません。

入社後のキャリアパスを具体的に示すことが有効です。

(例)
「入社後はまずメンバーとして業務に慣れていただき、約2年後にはチームリーダーとして後輩の指導やマネジメントをお任せしたいと考えています。将来的には、事業企画や新規サービスの立ち上げなど、より上流のポジションに挑戦することも可能です。」

また、研修制度や評価制度についても具体的に記載しましょう。

  • 研修制度: 入社時研修、OJT、階層別研修、外部研修参加支援など、どのような学びの機会があるのか。
  • 評価制度: 年に何回、どのような基準(成果、能力、行動など)で評価が行われるのか。評価が昇給や昇格にどう結びつくのか。

活躍している社員の(架空の)キャリアモデルを紹介するのも一つの手です。「未経験で入社したAさんは、3年で〇〇の資格を取得し、今ではプロジェクトマネージャーとして活躍しています」といったストーリーは、求職者にとって自身の未来を重ね合わせる良い材料になります。

⑥ 給与や待遇は正直に記載する

給与や待遇は、求職者が企業を選ぶ上で非常に重要な要素です。この部分の情報が曖昧だったり、不誠実だったりすると、企業の信頼性を大きく損ないます。

給与は「月給25万円~40万円」のように、下限と上限を明記した上で、「※経験・能力を考慮の上、優遇します」と一言添えるのが一般的です。求職者が自身の年収をイメージしやすいように、「年収例」を役職や年齢別に記載することも非常に効果的です。

特に注意が必要なのが「固定残業代(みなし残業代)」です。固定残業代制度を採用している場合は、その金額と、それが何時間分の残業代に相当するのかを必ず明記しなければなりません。これは法律(職業安定法)で義務付けられています。

NG例:「月給30万円(残業代含む)」

OK例:「月給30万円 ※上記金額には、月30時間分の固定残業代(58,000円)を含みます。超過分は別途全額支給します。」

正直な情報開示は、誠実な企業姿勢の表れです。

⑦ 求職者の不安をなくす情報を加える

求職者は、応募ボタンを押す前に様々な不安を抱えています。「残業は本当に少ないのか?」「休みはちゃんと取れるのか?」「転勤の可能性はあるのか?」といった疑問です。

これらの不安や疑問を先回りして解消してあげることで、求職者は安心して応募できます。

  • 残業時間: 「平均残業時間は月〇〇時間程度です」と実績を記載する。
  • 有給休暇: 「有給取得率は〇〇%です」「半日単位での取得も可能です」など。
  • 転勤・異動: 「転居を伴う転勤はありません」「本人の希望を考慮しない異動はありません」など。
  • 選考プロセス: 「書類選考→1次面接(Web)→最終面接(対面)→内定」のように、ステップと所要期間の目安を示す。
  • 職場の雰囲気: 男女比、平均年齢、中途入社者の割合などをデータで示す。

求職者の立場に立って、「自分だったら何を知りたいか、何を不安に思うか」を想像することが、親切で応募しやすい求人票につながります。

⑧ 写真や動画を活用する

「百聞は一見に如かず」という言葉通り、写真や動画はテキストだけでは伝えきれない情報を瞬時に伝える力を持っています。職場のリアルな雰囲気を伝える上で、非常に効果的なツールです。

  • オフィスの写真: 執務スペース、会議室、休憩室、カフェテリアなど。清潔感や開放感が伝わる写真を選びましょう。
  • 働く社員の写真: 会議をしている様子、談笑している風景、集中して作業している姿など。自然な表情の写真を載せることで、親近感が湧きます。
  • 集合写真やイベントの写真: 社員旅行や社内イベントの写真からは、組織の一体感やカルチャーが伝わります。

ただし、過度に加工された写真や、モデルを使った作為的な写真は逆効果になることもあります。求職者が見たいのは「着飾った姿」ではなく「ありのままの姿」です。少し雑然としていても、リアルな日常が垣間見える写真の方が、信頼感につながることが多いです。可能であれば、社員のインタビュー動画などを用意すると、さらに魅力が伝わりやすくなります。

⑨ 法律を遵守する

求人票の作成には、守るべき法律がいくつか存在します。意図せずとも法律に違反してしまうと、企業の社会的信用を失うことになりかねません。特に、差別的な表現や虚偽の記載は絶対に避けなければなりません。

  • 性別による差別: 「営業マン」「女性歓迎」→「営業職」「性別不問」
  • 年齢による差別: 原則として年齢制限は禁止されています。「20代の方を募集」→例外事由に該当する場合を除き、記載不可。
  • 虚偽・誇大な表示: 「誰でも月収100万円可能!」のような、実態と乖離した表現はNGです。

後述する「求人票作成で注意すべき法律」のセクションで詳しく解説しますが、コンプライアンス(法令遵守)を意識した誠実な求人票作りは、企業としての基本的な責任です。

【項目別】求人票の書き方のポイントと例文

ここでは、求人票を構成する主要な項目ごとに、応募を増やすための書き方のポイントと具体的な例文を紹介します。自社の状況に合わせてアレンジしてご活用ください。

キャッチコピー・職種名

キャッチコピーと職種名は、求職者が最初に目にする情報であり、求人票をクリックしてもらえるかどうかを左右する重要な要素です。

  • ポイント:
    • ターゲット(ペルソナ)に響くキーワードを入れる(例:「未経験」「第二新卒」「マネージャー候補」)。
    • 仕事の魅力や働き方の特徴を簡潔に伝える(例:「残業月10h以下」「年間休日125日」「フルリモート」)。
    • 職種名は、一般的で分かりやすい名称を基本としつつ、具体的な業務内容がイメージできる言葉を補足する。
  • 例文:
    • 【未経験歓迎】IT業界デビューを応援!研修充実のテクニカルサポート
    • 【フルリモート可】裁量大きく働けるSaaSプロダクトのWebマーケター
    • 【リーダー候補】急成長ベンチャーを支える経理・財務スタッフ
    • 【第二新卒向け】老舗メーカーのルート営業職(ノルマなし)

仕事内容

仕事内容は、求職者が最も重視する項目です。入社後の姿を具体的にイメージできるよう、詳細かつ分かりやすく記述します。

  • ポイント:
    • 「誰に」「何を」「どのように」提供する仕事なのかを明確にする。
    • 具体的な業務を箇条書きでリストアップする。
    • 1日の流れや週のスケジュール例を示す。
    • 仕事のやりがいと、大変な点(厳しさ)の両方を正直に伝える。
  • 例文(Webデザイナー職):
    > 【具体的な業務内容】
    > * 自社運営メディアのUI/UXデザイン
    > * 新規LP(ランディングページ)のデザイン・コーディング
    > * バナー広告のデザイン制作
    > * Google Analyticsなどを用いた効果測定と改善提案
    >
    > 【仕事のやりがい】
    > 自分がデザインしたサイトのPV数やコンバージョン率がダイレクトに分かるため、成果が目に見える面白さがあります。ユーザーの反応を見ながら、継続的にデザインを改善していくプロセスに携われます。
    >
    > 【仕事の厳しさ】
    > デザインには必ず納期があります。複数の案件を並行して進めるため、タスク管理能力とスピード感が求められます。

応募資格・求めるスキル

応募のハードルを適切に設定し、ミスマッチを防ぐための重要な項目です。

  • ポイント:
    • 「必須(Must)条件」と「歓迎(Want)条件」を明確に分ける。
    • 必須条件は、業務遂行に本当に不可欠なものに絞る。
    • スキルだけでなく、「求める人物像」として人柄やスタンスについても言及する。
    • 「学歴不問」「業界未経験OK」など、応募の門戸を広げる情報も忘れずに記載する。
  • 例文(人事職):
    > 【必須条件】
    > * 事業会社での人事業務経験3年以上(採用、労務、制度企画などいずれかの領域)
    > * 基本的なPCスキル(Word, Excel, PowerPoint)
    >
    > 【歓迎条件】
    > * IT業界での採用経験
    > * マネジメント経験
    > * 労働安全衛生法に関する知識
    >
    > 【こんな方を求めています!】
    > * 会社の成長と人の成長に喜びを感じられる方

    • 既存のやり方にとらわれず、新しい企画を立案・実行できる方
    • 経営層や現場社員と円滑なコミュニケーションが取れる方

雇用形態

正社員、契約社員、パート・アルバイトなど、雇用形態を正確に記載します。

  • ポイント:
    • 「正社員」「契約社員」など正式名称を記載する。
    • 契約社員の場合は、契約期間と更新の有無、正社員登用制度の有無と実績を明記すると親切。
  • 例文:
    • 正社員
    • 契約社員(契約期間:1年 ※原則更新。正社員登用制度あり/登用実績:昨年度3名)
    • パート・アルバイト

勤務地

働く場所は、求職者の生活に直結する重要な情報です。

  • ポイント:
    • 住所をビル名や階数まで正確に記載する。
    • 最寄り駅と駅からの所要時間(徒歩〇分)を併記する。
    • 転勤の有無を明記する。
    • リモートワークや在宅勤務が可能であれば、その頻度や条件(例:週3日まで可、フルリモート可など)を具体的に書く。
  • 例文:
    > 東京都渋谷区〇〇1-2-3 〇〇ビル10F
    > 【アクセス】
    > JR山手線「渋谷駅」ハチ公口より徒歩5分
    > 【補足】
    > * 転居を伴う転勤はありません。
    > * 入社後3ヶ月の研修期間終了後、週2日を上限にリモートワークが可能です。

勤務時間・休憩時間

ワークライフバランスを重視する求職者が増えているため、正確かつ詳細な情報が求められます。

  • ポイント:
    • 始業・終業時間と実働時間、休憩時間を明記する。
    • フレックスタイム制やシフト制の場合は、コアタイムやシフトのパターンを具体的に説明する。
    • 「平均残業時間」の実績値を正直に記載する。
  • 例文:
    • 9:30~18:30(実働8時間、休憩1時間)
    • フレックスタイム制(標準労働時間8時間/コアタイム 11:00~16:00)
    • 平均残業時間:月15時間程度(繁忙期により変動あり)

給与

最も注目される項目の一つ。透明性の高い情報開示が信頼につながります。

  • ポイント:
    • 「月給」「年俸」「時給」など給与形態を明記する。
    • 経験やスキルを考慮する旨を伝え、給与額に幅を持たせる(例:月給28万円~45万円)。
    • 固定残業代を含む場合は、その金額と時間数を必ず明記する。
    • 具体的な「年収例」を示すと、求職者は生涯賃金をイメージしやすくなる。
  • 例文:
    > 月給:300,000円~500,000円
    > ※経験・能力を考慮の上、当社規定により優遇いたします。
    > ※上記には月40時間分の固定残業代(72,000円~120,000円)を含みます。超過分は別途支給。
    >
    > 【年収例】
    > * 520万円/28歳(入社3年目)
    > * 700万円/35歳(マネージャー職/入社7年目)

休日・休暇

休日・休暇制度は、企業の働きやすさを測る重要な指標です。

  • ポイント:
    • 「完全週休2日制(土日祝休みなど)」か「週休2日制(月に1回以上、週2日の休みがある)」かを正確に区別して記載する。
    • 「年間休日日数」を明記すると、他社との比較がしやすくなる。
    • 有給休暇以外の特別な休暇制度(夏季、年末年始、リフレッシュ休暇など)もアピールする。
  • 例文:
    > 【年間休日125日以上】
    > * 完全週休2日制(土・日)
    > * 祝日
    > * 夏季休暇(3日間)
    > * 年末年始休暇(12/29~1/4)
    > * 年次有給休暇(入社半年後10日付与)
    > * 慶弔休暇
    > * 産前・産後休業、育児休業(取得・復職実績多数あり)
    > * 創立記念日休暇

待遇・福利厚生

他社との差別化を図る絶好のアピールポイントです。

  • ポイント:
    • 昇給、賞与(支給実績も併記)、社会保険完備、交通費支給といった基本的な項目は漏れなく記載する。
    • 住宅手当、家族手当、資格取得支援、書籍購入補助、ストックオプションなど、独自の制度を具体的にアピールする。
    • 社員の健康や働きやすさを支援する制度(健康診断、人間ドック補助、フリードリンクなど)も魅力になる。
  • 例文:
    > * 昇給 年1回(4月)
    > * 賞与 年2回(6月・12月/昨年度実績:4.5ヶ月分)
    > * 社会保険完備(雇用・労災・健康・厚生年金)
    > * 交通費全額支給
    > * 時間外手当(固定残業超過分)
    > * 住宅手当(月3万円 ※社内規定あり)
    > * 資格取得支援制度(受験費用・研修費用を会社が負担)
    > * 退職金制度
    > * 服装自由
    > * 社内サークル活動支援

契約期間・試用期間

雇用条件の重要な部分であり、明確な記載が必要です。

  • ポイント:
    • 契約期間の定め(有期か無期か)を明記する。
    • 試用期間の有無とその期間(例:3ヶ月)を記載する。
    • 試用期間中に給与や待遇などの条件が異なる場合は、その内容を必ず明記する。
  • 例文:
    • 期間の定め:なし
    • 試用期間:あり(3ヶ月)※期間中の給与・待遇に変動はありません。

加入保険

労働者を守るための基本的な情報です。

  • ポイント:
    • 「社会保険完備」と記載するのが一般的。
    • 具体的に「雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険」と記載するとより丁寧。
  • 例文:
    • 社会保険完備(雇用・労災・健康・厚生年金)

募集者の氏名・名称

求人の責任の所在を明確にするための項目です。

  • ポイント:
    • 会社の正式名称(株式会社、有限会社などを含む)を記載する。
  • 例文:
    • 株式会社〇〇キャリア

【職種別】求人票の例文15選

ここでは、15の代表的な職種について、これまで解説したポイントを盛り込んだ求人票の例文を紹介します。自社の求人票作成の参考にしてください。

① 営業職

【職種名】【第二新卒歓迎】法人向けクラウドサービスの提案営業(反響営業メイン)
【キャッチコピー】年間休日128日&インセンティブ充実!顧客の課題解決に貢献するやりがい。
【仕事内容】
Webサイト経由でお問い合わせいただいたお客様に対し、業務効率化を実現する自社クラウドサービスの提案を行います。テレアポや飛び込みは一切なく、お客様の課題ヒアリングに集中できる環境です。

  • 問い合わせ対応、アポイント調整
  • Web商談によるサービスデモ・提案
  • 見積作成、契約手続き
  • 導入後のフォローアップ
    【求める人物像】
    IT知識は不問です。「人の役に立ちたい」「お客様から感謝される仕事がしたい」という想いのある方を歓迎します。

② 事務職

【職種名】【残業月5h以下】成長企業を支える営業アシスタント事務
【キャッチコピー】完全週休2日(土日祝)!Excelスキルを活かして、チームをサポート。
【仕事内容】
営業担当のサポート役として、バックオフィスから事業の成長を支えるお仕事です。

  • 見積書・請求書の作成、発送
  • 顧客データの入力・管理(Salesforce使用)
  • 電話・メール対応
  • 営業資料の作成補助(PowerPoint使用)
    【求める人物像】
    正確かつスピーディーに作業を進めるのが得意な方。誰かをサポートすることにやりがいを感じる方。

③ エンジニア職

【職種名】【フルリモート】自社開発SaaSプロダクトのバックエンドエンジニア(Ruby on Rails)
【キャッチコピー】技術選定にも関われる!ユーザーの声が届く開発環境でスキルアップ。
【仕事内容】
自社で開発・運営するマーケティングオートメーションツールのバックエンド開発全般をお任せします。

  • 新機能の設計・開発・テスト
  • 既存機能の改修、パフォーマンス改善
  • 開発環境:Ruby, Ruby on Rails, MySQL, AWS, Docker, GitHub
    【求める人物像】
    技術が好きで、自ら学んでいける方。チームで議論しながら、より良いプロダクトを作っていきたい方。

④ 販売・サービス職

【職種名】【正社員】オーガニックコスメ専門店のビューティーアドバイザー
【キャッチコピー】ノルマなし!お客様一人ひとりに寄り添う接客を。充実の研修で未経験でも安心。
【仕事内容】
来店されたお客様の肌の悩みをお伺いし、最適なオーガニックコスメをご提案します。

  • カウンセリング、商品提案、販売
  • レジ業務、ラッピング
  • 商品ディスプレイ、在庫管理
    【求める人物像】
    美容やオーガニックに関心がある方。お客様との会話を楽しみ、笑顔にすることに喜びを感じる方。

⑤ 介護・医療職

【職種名】【介護福祉士】地域密着型のデイサービスセンター介護スタッフ
【キャッチコピー】夜勤なし・日曜定休!利用者様の「ありがとう」が嬉しい仕事。
【仕事内容】
デイサービスセンターにて、利用者様の日常生活のサポートやレクリエーションの企画・運営を行います。

  • 食事、入浴、排泄の介助
  • レクリエーション活動の実施
  • 送迎業務(運転免許保有者)
  • 介護記録の作成
    【求める人物像】
    相手の気持ちを思いやり、温かいコミュニケーションが取れる方。チームワークを大切にできる方。

⑥ 飲食店のホール・キッチン

【職種名】【店長候補】本格イタリアンのホールスタッフ
【キャッチコピー】月8日休み&賞与年2回!ワインの知識も身につく。将来は独立も目指せる。
【仕事内容】
お客様のご案内、オーダーテイク、料理の提供、お会計などのホール業務全般からスタート。ゆくゆくは売上管理やスタッフ育成など、店舗運営にも携わっていただきます。

  • 接客サービス
  • ドリンク作成(カクテル、ワインサーブ)
  • アルバイトスタッフの指導
  • 売上管理、発注業務
    【求める人物像】
    食やワインに興味がある方。人を喜ばせることが好きな方。向上心があり、店舗運営を学びたい方。

⑦ 企画・マーケティング職

【職種名】【Webマーケティング担当】ECサイトの集客・売上アップを担う企画職
【キャッチコピー】データ分析から戦略立案まで!裁量を持ってチャレンジできる環境。
【仕事内容】
自社で運営するインテリア雑貨のECサイトのグロースハックをお任せします。

  • SEO対策、コンテンツマーケティング
  • Web広告(リスティング、SNS広告)の運用・効果測定
  • メルマガ、SNSアカウントの企画・運営
  • Google Analyticsを用いたアクセス解析と改善提案
    【求める人物像】
    数字に基づいて仮説検証を繰り返すことが好きな方。トレンドに敏感で、新しい施策に積極的に挑戦できる方。

⑧ クリエイター・デザイナー職

【職種名】【グラフィックデザイナー】広告・販促ツールのデザイン制作
【キャッチコピー】大手クライアント多数!コンセプト企画から携われるデザインの仕事。
【仕事内容】
ナショナルクライアントのポスター、カタログ、パンフレット、Webサイトなど、幅広い広告・販促ツールのデザインを担当します。

  • クライアントとの打ち合わせ、コンセプト立案
  • デザイン制作、入稿データ作成
  • 使用ツール:Adobe Illustrator, Photoshop, InDesign
    【求める人物像】
    コミュニケーションを取りながら、デザインの意図を言語化できる方。クオリティにこだわり、粘り強く制作に取り組める方。※応募時にポートフォリオの提出が必須です。

⑨ コンサルタント職

【職種名】【ITコンサルタント】中小企業のDX推進を支援
【キャッチコピー】未経験からコンサルタントへ!充実の研修で、企業の課題解決パートナーに。
【仕事内容】
人手不足や生産性の課題を抱える中小企業に対し、ITツール導入によるデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援します。

  • 経営者へのヒアリング、経営課題の抽出
  • IT戦略の立案、最適なツールの選定
  • 導入プロジェクトのマネジメント
  • 導入後の定着支援、効果測定
    【求める人物像】
    論理的思考力と課題解決意欲のある方。経営視点を身につけ、企業の成長に貢献したい方。

⑩ 建築・土木関連職

【職種名】【施工管理】公共工事・民間工事の建築施工管理
【キャッチコピー】資格取得を全面サポート!地図に残る仕事で、街づくりに貢献。
【仕事内容】
ビル、マンション、学校、道路などの建設現場における、安全・品質・工程・予算の管理(4大管理)を行います。

  • 施工計画の作成
  • 協力会社の手配、資材の発注
  • 現場での進捗管理、安全パトロール
  • 施工図の作成、各種書類作成
    【求める人物像】
    責任感が強く、リーダーシップを発揮できる方。多くの人と関わりながら、一つのものを造り上げることにやりがいを感じる方。

⑪ 軽作業・製造・物流職

【職種名】【倉庫内軽作業スタッフ】通販商品のピッキング・梱包
【キャッチコピー】空調完備で快適!シンプル作業で未経験でも安心。週3日から勤務OK。
【仕事内容】
大手通販サイトの物流センター内で、アパレル商品や雑貨などの仕分け作業を行います。

  • ハンディ端末を使った商品のピッキング
  • 検品、梱包、ラベル貼り
  • 簡単なPC入力作業
    【求める人物像】
    コツコツと正確に作業を進めることが得意な方。体を動かすことが好きな方。

⑫ ドライバー職

【職種名】【2t・4tトラックドライバー】ルート配送(食品)
【キャッチコピー】夜間配送なし!毎日家に帰れる近距離ルート配送。安定収入とプライベートを両立。
【仕事内容】
担当エリア内のスーパーや飲食店へ、チルド・冷凍食品などを配送します。決まったルートを回るため、道も覚えやすいです。

  • トラックへの荷物の積み込み
  • 担当ルートへの配送、荷下ろし
  • 配送車両の日常点検
    【求める人物像】
    安全運転を第一に考えられる方。時間やルールをきちんと守れる方。お客様に明るく挨拶ができる方。

⑬ 保育士

【職種名】【正社員保育士】定員60名の認可保育園
【キャッチコピー】持ち帰り仕事ゼロ&残業ほぼなし!子ども一人ひとりの個性を大切にする保育。
【仕事内容】
0歳~5歳児の保育業務全般。当園では「見守る保育」を大切にし、子どもたちの自主性を育んでいます。

  • 日常生活のサポート(食事、着替え、午睡など)
  • 遊びや活動の企画・実施
  • 保護者対応、連絡帳の記入
  • 年間行事の準備・運営
    【求める人物像】
    子どもが好きで、成長を温かく見守れる方。職員同士で協力し、より良い保育を目指せる方。

⑭ 警備員

【職種名】【施設警備スタッフ】オフィスビルの常駐警備
【キャッチコピー】未経験から始めるセキュリティのプロ。座り仕事メインで体力的な負担少なめ。
【仕事内容】
都心の大型オフィスビルにて、施設内の安全と安心を守る仕事です。

  • 出入管理、受付業務
  • 施設内の巡回
  • 防災センターでの監視モニター業務
  • 緊急時対応
    【求める人物像】
    真面目で責任感のある方。冷静な判断力と対応力がある方。人の役に立つ仕事に就きたい方。

⑮ 不動産営業

【職種名】【賃貸仲介営業】100%反響営業のルームアドバイザー
【キャッチコピー】ノルマなし!お客様の新生活をサポートするお部屋探しのパートナー。
【仕事内容】
Webサイトなどを見てご来店・お問い合わせいただいたお客様に、最適なお部屋をご提案します。

  • お客様へのヒアリング、物件紹介
  • 物件へのご案内(内見)
  • 契約手続き、鍵の引き渡し
  • 物件の写真撮影、Webサイトへの情報登録
    【求める人物像】
    人と話すのが好きで、相手の希望を丁寧に聞き出すことができる方。街や間取りに興味がある方。

求人票作成で注意すべき法律

職業安定法、男女雇用機会均等法、雇用対策法(年齢制限の禁止)、最低賃金法、労働基準法、若者雇用促進法

求人募集や採用活動は、様々な法律によってルールが定められています。知らずに法律違反を犯してしまうと、行政指導の対象となったり、企業の信用を失墜させたりする可能性があります。ここでは、求人票作成時に特に注意すべき6つの法律のポイントを解説します。

職業安定法

職業安定法は、求人・求職に関する最も基本的な法律です。

  • 労働条件の明示義務: 賃金、労働時間、業務内容などの労働条件を、求職者に正確に明示することが義務付けられています。
  • 虚偽・誇大な表示の禁止: 事実と異なる情報や、著しく誤解を招くような表現で求人を行うことは禁止されています。「誰でも簡単に高収入」「楽な仕事」といった誇張表現は避けなければなりません。
  • 固定残業代の明示: 固定残業代制度を設ける場合、①固定残業代の金額、②その金額に充当される労働時間数、③固定残業時間を超える労働には割増賃金が追加で支払われる旨、の3点を明記する必要があります。

男女雇用機会均等法

この法律は、募集・採用において、性別を理由とする差別を禁止しています。

  • 性別を理由に応募を制限することの禁止: 一方の性別のみを対象としたり、特定の性別を有利に扱ったりすることはできません。「男性歓迎」「女性のみ募集」といった表現は原則NGです。
  • 間接差別の禁止: 合理的な理由なく、身長・体重・体力を応募条件とすることや、転勤要件を設けることなどが、結果的に一方の性に不利益となる場合は間接差別として禁止される可能性があります。
  • 性別を特定する職種名の使用: 「営業マン」「保母さん」「カメラマン」といった性別が固定されたような名称ではなく、「営業職」「保育士」「フォトグラファー」など、中立的な名称を使用する必要があります。

雇用対策法(年齢制限の禁止)

労働者の募集・採用において、原則として年齢制限を設けることは禁止されています。
「35歳までの方」のように上限を設けたり、「20代歓迎」のように特定の年代を優遇したりする表現はできません。

ただし、以下のような例外事由に該当する場合は、理由を明示した上で年齢制限を設けることが認められています。

  • 長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合(例:「35歳以下の方(長期勤続によるキャリア形成のため)」)
  • 技能・ノウハウの継承の観点から、特定の職種において労働者数が相当程度少ない特定の年齢層に限定し、かつ、期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合

安易に年齢制限を設けず、年齢不問で募集することが基本です。

最低賃金法

企業は、最低賃金法で定められた金額以上の賃金を労働者に支払わなければなりません。最低賃金は都道府県ごとに定められており、毎年改定されます。求人票に記載する給与額が、勤務地の地域別最低賃金を下回らないように、必ず事前に確認が必要です。
(参照:厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧)

労働基準法

労働基準法は、労働時間、休日、賃金など、労働条件の最低基準を定めた法律です。

  • 法定労働時間: 原則として「1日8時間・週40時間」を超えて労働させることはできません。これを超える場合は、36(サブロク)協定の締結・届出が必要です。
  • 休憩時間: 労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければなりません。
  • 休日: 毎週少なくとも1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。

求人票に記載する勤務時間や休日は、これらの基準を遵守している必要があります。

若者雇用促進法

青少年の雇用機会の確保と職場への定着を目的とした法律です。この法律により、企業は新卒者などの若者の募集・採用にあたり、応募者や求人申込者からの求めに応じて、以下の3つのカテゴリーに関する職場情報を提供することが努力義務とされています。

  1. 募集・採用に関する状況(直近3事業年度の新卒採用者数・離職者数など)
  2. 職業能力の開発・向上に関する状況(研修内容、自己啓発支援制度など)
  3. 企業における雇用管理に関する状況(月平均の残業時間、有給休暇取得日数、育児休業取得者数など)

これらの情報を積極的に開示することは、企業の透明性を示すことにつながり、若者からの信頼獲得に貢献します。

やってはいけない求人票のNG例

抽象的な表現が多い、専門用語や社内用語を多用している、差別的な表現が含まれている、情報が古い・誤字脱字がある

ここでは、求職者から敬遠されたり、応募が集まらなかったりする「やってはいけない求人票」の典型的なNG例を4つ紹介します。自社の求人票がこれに当てはまっていないか、チェックしてみましょう。

抽象的な表現が多い

「やりがいのある仕事です」「風通しの良い職場です」「成長できる環境です」
これらの言葉は、一見すると魅力的に見えますが、具体性が全くないため、求職者の心には響きません。どの企業でも使えるありきたりな表現は、その他大勢の求人の中に埋もれてしまいます。

なぜやりがいがあるのか、どのように風通しが良いのか、どうすれば成長できるのかを、具体的なエピソードや制度、数字を用いて説明しなければ、説得力は生まれません。抽象的な美辞麗句を並べるのではなく、「事実」と「ストーリー」で語ることを意識しましょう。

専門用語や社内用語を多用している

「当社のコンピテンシーに基づき、KGI・KPIを意識してPDCAを回せる人材を求めます」
このような求人票は、特定の業界や企業文化に精通している人以外には、何を求められているのか理解できません。特に、異業種からの転職者や未経験者を採用したい場合には、致命的なNG例となります。

求人票は、できるだけ幅広い層に自社の魅力を伝えるためのツールです。社内でしか通用しない言葉や、一部の人しか知らない専門用語は、求職者との間に壁を作ってしまいます。誰が読んでも理解できるよう、平易な言葉への言い換えや、注釈を加える配慮が不可欠です。

差別的な表現が含まれている

法律のセクションでも触れましたが、性別、年齢、国籍、心身の障害、信条などを理由に応募者を限定したり、不利益な扱いをしたりする差別的な表現は、法律で固く禁じられています。

  • NG例:「体力に自信のある男性歓迎」
  • NG例:「主婦の方歓迎」
  • NG例:「30歳までの方を募集」
  • NG例:「日本人の方に限る」

これらの表現は、意図せず使ってしまうケースもありますが、企業のコンプライアンス意識の低さを示すことになり、社会的な信用を大きく損ないます。応募資格は、あくまで業務を遂行する上で客観的に必要な能力や経験に限定すべきです。

情報が古い・誤字脱字がある

「募集要項に記載されている給与額が、面接で提示された額と違った」「求人票に書かれていた福利厚生制度が、現在は廃止されていた」
このような情報の不一致は、応募者の不信感を招き、内定辞退や早期離職の大きな原因となります。求人票を掲載する前には、記載されている情報が最新かつ正確であるかを必ず確認しましょう。

また、誤字脱字が多い求人票は、「仕事が雑な会社」「管理体制がずさんな会社」というマイナスの印象を与えてしまいます。たった一つの漢字の間違いが、企業の信頼性を損なうこともあり得ます。公開前には、複数人でダブルチェックを行うなど、細心の注意を払いましょう。

求人票の作成に役立つテンプレート

以下に、汎用的に使える求人票のテンプレートを用意しました。各項目に自社の情報を当てはめていくことで、基本的な求人票の骨子が完成します。これをベースに、自社ならではの魅力を肉付けしていってください。

### 【求人票テンプレート】

**【職種名】**
(例:【未経験歓迎】企業の成長を支えるバックオフィス事務)

**【キャッチコピー】**
(例:年間休日125日以上&残業月10h以下!プライベートも大切にできる環境です)

**【仕事内容】**
●具体的な業務内容
・〇〇
・〇〇
・〇〇
●1日の流れ(例)
09:00 出社、メールチェック
10:00 〇〇作成
12:00 ランチ
13:00 チームミーティング
15:00 〇〇対応
18:00 退社
●仕事のやりがい・魅力
(例:自分のサポートがチームの成果につながることを実感できます)
●大変な点・厳しさ
(例:複数のタスクを並行して進めるため、正確性とスピードが求められます)

**【応募資格】**
●必須スキル・経験
・基本的なPCスキル(Word, Excel)
●歓迎スキル・経験
・日商簿記3級以上の資格
・営業事務または経理事務の経験
●求める人物像
・チームで協力して仕事を進めるのが好きな方
・細かい作業を丁寧に行える方

**【雇用形態】**
正社員
※試用期間:3ヶ月(期間中の条件変更:なし)

**【勤務地】**
東京都新宿区〇〇1-2-3 〇〇ビル5F
・アクセス:JR「新宿駅」より徒歩5分
・転勤の有無:なし
・リモートワーク:不可

**【勤務時間】**
9:00~18:00(実働8時間、休憩1時間)
・平均残業時間:月10時間程度

**【給与】**
月給25万円~35万円
※経験・スキルを考慮の上、決定します。
※上記金額には固定残業代(月20時間分/34,000円~47,000円)を含みます。超過分は別途支給します。
●年収例
・400万円/入社2年目/26歳
・520万円/入社5年目/32歳(リーダー職)

**【休日・休暇】**
●年間休日125日
・完全週休2日制(土・日)
・祝日
・年次有給休暇
・夏季休暇(3日)
・年末年始休暇(5日)
・慶弔休暇
・産前産後・育児休業(取得実績あり)

**【待遇・福利厚生】**
・昇給年1回(4月)
・賞与年2回(7月・12月/昨年度実績:4ヶ月分)
・社会保険完備
・交通費(上限月3万円まで)
・住宅手当(月2万円 ※社内規定あり)
・資格取得支援制度
・書籍購入補助
・服装自由

**【選考プロセス】**
書類選考 → 1次面接(Web) → 最終面接(対面)+適性検査 → 内定
※ご応募から内定までは2~3週間を予定しています。

**【募集者の名称】**
株式会社〇〇

求人票の書き方に関するよくある質問

ハローワークの求人票の書き方のポイント、求人票に書いてはいけないこと、募集要項との違い

最後に、求人票の作成に関して採用担当者からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

ハローワークの求人票の書き方のポイントは?

ハローワークの求人票は、Webの求人サイトと比べてフォーマットが固定されており、デザインや写真で差別化することが難しいという特徴があります。そのため、限られた文字数の中で、いかに情報を効果的に伝えるかが鍵となります。

ポイントは以下の3つです。

  1. 「仕事の内容」欄を最大限活用する: ここが最も自由に記述できるスペースです。具体的な業務内容、1日の流れ、仕事のやりがい・厳しさなどを、箇条書きも活用しながら分かりやすく詰め込みましょう。
  2. 「求人に関する特記事項」欄を有効活用する: 「仕事の内容」欄で書ききれなかった自社の魅力(独自の福利厚生、研修制度、職場の雰囲気など)をアピールする絶好のスペースです。求職者の不安を解消する情報(残業時間の実績、有給取得率など)もここに記載すると良いでしょう。
  3. 職種名は具体的にする: 単に「事務」とするのではなく、「経理事務(請求書作成・入金管理)」のように、具体的な業務内容が分かる職種名にすると、求職者の目に留まりやすくなります。

文字数制限があるため、伝えたい情報の優先順位をつけ、最もアピールしたいことから記述していくことが重要です。

求人票に書いてはいけないことは具体的に何ですか?

求人票に記載してはいけない内容は、主に法律で定められています。代表的なものは以下の通りです。

  • 差別的な表現:
    • 性別による差別: 「男性のみ」「女性歓迎」など(男女雇用機会均等法違反)
    • 年齢による差別: 合理的な理由なく年齢を制限すること(雇用対策法違反)
    • その他、国籍、出身地、信条、社会的身分、障害などを理由とする差別
  • 虚偽または誇大な内容:
    • 実際の業務内容とかけ離れた仕事内容
    • 支払う意思のない高額な給与額の提示
    • 事実と異なる休日日数や福利厚生の記載(職業安定法違反)
  • 法令に違反する労働条件:
    • 勤務地の最低賃金を下回る給与額(最低賃金法違反)
    • 法定の休憩時間が確保されていない勤務時間(労働基準法違反)
  • 個人情報の不適切な取り扱い:
    • 応募に不要な個人情報(家族構成、信条など)の収集を求めること

基本は、「事実を誠実に、差別なく、分かりやすく伝える」ことです。迷った場合は、ハローワークや社会保険労務士などの専門家に相談することをおすすめします。

募集要項との違いは何ですか?

「求人票」と「募集要項」は、実際にはほぼ同じ意味で使われることが多く、明確な使い分けの定義はありません。しかし、厳密に言えば、その成り立ちやニュアンスに若干の違いがあります。

  • 求人票: もともとはハローワーク(公共職業安定所)に提出する、職業安定法で定められた書式を指す言葉でした。そのため、「労働条件を明示するための公的な書類」というニュアンスが強いです。
  • 募集要項: 企業が採用活動を行うにあたって、応募者に伝えるべき「募集の要点をまとめたもの」全般を指します。求人票よりも自由な形式で、企業の理念や魅力を盛り込みやすい、より広義な言葉と言えます。

現代のWeb求人サイトに掲載されている募集情報は、法的な要件を満たした「求人票」としての側面と、企業の魅力を伝える「募集要項」としての側面を併せ持っています。どちらの言葉を使うかよりも、求職者にとって必要かつ魅力的な情報が、正確に分かりやすく記載されているかが本質的に重要です。

まとめ

本記事では、応募が集まる求人票の書き方について、事前準備から具体的な作成のポイント、法律上の注意点、豊富な例文まで、幅広く解説してきました。

効果的な求人票とは、単に募集条件を並べたものではありません。それは、未来の仲間となるべき理想の候補者(ペルソナ)に向けて、自社の魅力を情熱と誠実さをもって伝える「マーケティングツール」です。

この記事で紹介した重要なポイントを改めてまとめます。

  • 執筆前の3つの準備が成功の9割を決める: 「①採用したい人物像(ペルソナ)の明確化」「②自社の魅力の洗い出し」「③競合他社の分析」を徹底的に行うことが、心に響く求人票の土台となります。
  • 求職者視点で、具体的かつ正直に書く: 「自分が入社したらどう働くのか」を求職者が鮮明にイメージできるよう、仕事内容やキャリアパスを具体的に記述しましょう。また、良い面だけでなく大変な面も正直に伝える誠実さが、企業の信頼につながります。
  • 法律を遵守し、信頼性を担保する: 差別的な表現や虚偽の記載は絶対に避け、法令を遵守したクリーンな情報発信を心がけることが、企業の社会的責任です。

採用は、企業と個人の未来を左右する重要な出会いの場です。その最初の接点である求人票に心を込めて向き合うことが、結果としてミスマッチのない、幸福な採用の実現につながります。

ぜひ、この記事を参考に、貴社の魅力を最大限に引き出す求人票を作成し、理想の人材との素晴らしい出会いを実現してください。