企業の成長に不可欠な「採用活動」。しかし、少子高齢化による労働人口の減少や働き方の多様化により、優秀な人材の獲得競争は激化の一途をたどっています。複数の求人媒体への出稿、応募者との度重なる連絡、面接日程の調整、選考状況の管理など、採用担当者の業務は複雑化・煩雑化し、大きな負担となっているのが現状です。
このような課題を解決し、戦略的な採用活動を実現するツールとして注目されているのが「採用管理システム(ATS:Applicant Tracking System)」です。
本記事では、採用管理システム(ATS)の基本的な知識から、導入のメリット・デメリット、失敗しない選び方のポイントまでを網羅的に解説します。さらに、2024年6月最新のおすすめATS 35選を、目的や企業規模、料金別に分類し、それぞれの特徴を徹底的に比較・紹介します。
自社に最適なATSを見つけ、採用活動を次のステージへと引き上げるための一助となれば幸いです。
目次
- 1 採用管理システム(ATS)とは
- 2 採用管理システムの主な機能
- 3 採用管理システムを導入する6つのメリット
- 4 採用管理システム導入の3つのデメリット・注意点
- 5 失敗しない採用管理システムの選び方と比較ポイント9選
- 6 採用管理システムの料金体系と費用相場
- 7 【目的・採用形態別】おすすめの採用管理システム
- 8 【企業規模別】おすすめの採用管理システム
- 9 【料金別】おすすめの採用管理システム
- 10 採用管理システム(ATS)おすすめ35選の比較表
- 11 採用管理システム(ATS)おすすめ35選
- 12 採用管理システム導入の流れ4ステップ
- 13 採用管理システムに関するよくある質問(FAQ)
- 14 まとめ:自社に最適な採用管理システムで採用活動を成功させよう
採用管理システム(ATS)とは
採用管理システム(ATS)は、現代の採用活動において中心的な役割を担うツールです。ここでは、その基本的な定義、正式名称の意味、そしてなぜ今これほどまでに注目されているのか、その背景を深掘りして解説します。
採用業務のあらゆる情報を一元管理できるツール
採用管理システム(ATS)とは、募集から応募、選考、内定、そして入社に至るまで、採用活動に関わるあらゆる情報と業務プロセスを一元管理し、効率化するためのシステムです。
これまでExcelやスプレッドシート、あるいは手作業で行われていた煩雑な業務を、一つのプラットフォーム上で集約・自動化します。具体的には、求人情報の作成と各媒体への掲載、複数の経路から集まる応募者情報の一元管理、面接官との日程調整、応募者への連絡、選考の進捗状況の可視化、採用活動全体の効果測定といった多岐にわたる機能を提供します。
例えば、ある企業が中途採用を行う場合を考えてみましょう。自社サイト、複数の転職サイト、人材紹介エージェントなど、様々なチャネルで募集をかけます。ATSがなければ、それぞれのチャネルから送られてくる応募者の情報を、担当者が手作業でExcelシートに転記し、応募者ごとにフォルダを作成して履歴書を管理し、メールソフトを立ち上げて個別に連絡を取る必要があります。誰がどの選考段階にいるのか、どの媒体からの応募が多いのかといった情報も、都度集計しなければ把握できません。
しかし、ATSを導入すれば、各チャネルからの応募者情報が自動的にシステムに取り込まれ、候補者データとして一元管理されます。履歴書や職務経歴書、面接の評価シートといった関連書類もすべて候補者情報に紐づけて保存できるため、「あの人の履歴書はどこだっけ?」と探す手間がなくなります。選考プロセスもカンバン方式などで視覚的に管理でき、チーム全体で進捗をリアルタイムに共有可能です。これにより、採用担当者は煩雑な事務作業から解放され、候補者とのコミュニケーションや採用戦略の立案といった、より本質的な業務に集中できるようになります。
ATSは「Applicant Tracking System」の略
ATSは、「Applicant Tracking System(アプリカント・トラッキング・システム)」の略称です。直訳すると「応募者追跡システム」となり、その名の通り、応募者(Applicant)を募集から採用まで追跡(Tracking)し、管理するためのシステムであることを示しています。
この「追跡」という言葉には、単に進捗を管理するという意味合いだけでなく、より深い意味が込められています。いつ、どの求人媒体経由で応募してきたのか、どのようなスキルや経験を持っているのか、面接ではどのような評価だったのか、どのようなコミュニケーションを取ってきたのか、といった候補者に関するあらゆるデータを時系列で記録・蓄積していくのです。
これにより、単なる「点」としての情報ではなく、「線」として候補者を理解することが可能になります。過去の応募者データを蓄積し、分析することで、自社にとってどのような人材が活躍しやすいのか、どの採用チャネルが効果的なのかといったインサイトを得ることができます。このデータに基づいた採用活動は、勘や経験だけに頼らない、客観的で戦略的な人材獲得へとつながります。ATSは、まさに現代のデータドリブンな採用活動を支える基盤と言えるでしょう。
採用管理システムが注目される背景
近年、採用管理システムの導入が急速に進んでいる背景には、いくつかの社会的な変化と、それに伴う企業側の採用課題が存在します。
1. 労働市場の変化と採用競争の激化
日本は深刻な少子高齢化に直面しており、生産年齢人口は年々減少しています。これにより、企業は優秀な人材を確保することがますます困難になっています。限られた人材を巡って企業間の競争が激化する中で、従来の「待ち」の採用スタイルでは、必要な人材を確保できなくなりつつあります。
企業側から候補者に直接アプローチする「ダイレクトリクルーティング」や、社員の紹介による「リファラル採用」など、より能動的で多様な採用手法が求められるようになりました。これらの複雑な採用チャネルを効率的に管理し、候補者一人ひとりに合わせたきめ細やかなアプローチを行うためには、ATSのような一元管理ツールが不可欠です。
2. 採用チャネルの多様化と複雑化
かつては新卒採用なら就職情報サイト、中途採用なら転職サイトやハローワークが主な募集チャネルでした。しかし現在では、前述のダイレクトリクルーティングやリファラル採用に加え、SNS採用、自社採用サイト、イベント経由など、候補者との接点が多岐にわたっています。
これらの複数のチャネルから集まる応募情報を手作業で管理するのは非常に煩雑であり、対応の遅れや連絡漏れといったミスを引き起こしがちです。迅速かつ丁寧な対応は候補者の企業に対する印象を大きく左右するため、対応の遅れは機会損失に直結します。ATSは、これらの多様なチャネルからの情報を自動で集約し、スムーズな管理を実現することで、候補者体験(Candidate Experience)の向上にも貢献します。
3. 働き方の多様化と価値観の変化
終身雇用が当たり前ではなくなり、転職が一般化したことで、個人のキャリアに対する考え方も大きく変化しました。特に若い世代を中心に、仕事内容だけでなく、企業のビジョンへの共感や、働きがい、ワークライフバランスを重視する傾向が強まっています。
こうした価値観の変化に対応するためには、企業側も自社の魅力を積極的に発信し、候補者との相互理解を深めるプロセスが重要になります。ATSを活用して候補者とのコミュニケーション履歴を一元管理し、一貫性のある丁寧な情報提供を行うことで、企業のブランディングを強化し、入社後のミスマッチを防ぐことにもつながります。
4. DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
社会全体でDXが推進される中、人事・採用領域も例外ではありません。旧態依然としたアナログな管理手法から脱却し、データを活用して業務効率化と生産性向上を図る動きが活発化しています。
採用活動は、多くの定型業務やデータ処理を含むため、システム化による効率化の効果が大きい領域です。ATSの導入は、採用業務のDXの第一歩であり、ここで蓄積されたデータを活用することで、将来的なタレントマネジメントや人材育成へとつなげていくことも可能になります。
これらの背景から、採用管理システムは単なる業務効率化ツールに留まらず、企業の持続的な成長を支えるための戦略的投資として、その重要性を増しているのです。
採用管理システムの主な機能
採用管理システム(ATS)は、採用活動の効率化と質向上を実現するための多彩な機能を備えています。ここでは、多くのATSに共通して搭載されている主要な機能について、それぞれが具体的にどのような役割を果たし、採用担当者の業務をどう変えるのかを詳しく解説します。
候補者情報の一元管理
これはATSの最も基本的かつ中心的な機能です。様々な経路から応募してきた候補者の情報を、一つのデータベースに集約・管理します。
- 自動取り込み: 連携している求人媒体や自社採用サイト、人材紹介会社などから送られてくる応募者情報を、システムが自動で取り込み、候補者データとして登録します。これにより、手作業での転記ミスや入力漏れを防ぎます。
- 情報集約: 氏名や連絡先といった基本情報に加え、履歴書、職務経歴書、ポートフォリオなどの添付ファイル、面接の評価、コミュニケーション履歴など、候補者に関するあらゆる情報を時系列で一元管理します。
- タレントプール: 過去に応募があったものの、その時点では採用に至らなかった候補者のデータを「タレントプール」として蓄積できます。将来、新たなポジションが生まれた際に、このタレントプールから適切な人材を検索し、再度アプローチすることが可能になり、効率的な母集団形成につながります。
この機能により、採用担当者や面接官は、いつでも必要な候補者情報に正確かつ迅速にアクセスでき、情報共有の漏れや属人化を防ぐことができます。
求人情報の作成・管理
ATSは、求人票の作成から公開までをシステム内で完結させる機能を持っています。
- 求人票作成: システム上に用意されたフォーマットに沿って、職務内容、応募資格、勤務条件などを入力するだけで、統一感のある求人票を簡単に作成できます。
- 一括掲載・更新: 作成した求人情報を、提携している複数の求人媒体や自社の採用サイトにワンクリックで一括掲載できます。募集内容の修正や募集停止も、ATS上で一度操作するだけで、すべての掲載先に反映されるため、管理工数が大幅に削減されます。
- 効果測定: どの求人情報から何件の応募があり、その後の選考通過率はどうだったか、といったデータを求人ごとに分析できます。これにより、効果の高い求人媒体や求人票の書き方を見極め、次回の募集に活かすことができます。
選考プロセスの進捗管理
候補者が「書類選考」「一次面接」「二次面接」「最終面接」「内定」といったどの選考段階にいるのかを可視化し、管理する機能です。
- ステータス管理: 多くのATSでは、カンバン方式(各選考フェーズを列とし、候補者カードをドラッグ&ドロップで移動させる形式)のUIが採用されており、誰がどの段階にいるのかを一目で把握できます。
- 進捗の可視化: 採用チームのメンバー全員がリアルタイムで選考状況を共有できるため、「あの候補者の選考はどこまで進んだ?」といった確認作業が不要になります。
- 滞留アラート: 特定の選考段階で候補者の対応が一定期間滞留している場合に、アラートで通知してくれる機能もあります。これにより、対応漏れや選考の遅延を防ぎ、候補者体験の低下を回避します。
面接の日程調整
採用業務において最も時間と手間がかかる作業の一つが、面接の日程調整です。ATSはこの煩雑なプロセスを大幅に効率化します。
- カレンダー連携: GoogleカレンダーやOutlookカレンダーなど、面接官が普段使っているカレンダーツールと連携します。
- 空き時間の自動抽出: ATSが面接官のカレンダーから空き時間を自動で抽出し、候補者に提示します。
- 候補者による予約: 候補者は提示された日時の中から、自身の都合の良い時間をクリックするだけで面接予約が完了します。
- 自動確定・通知: 日程が確定すると、関係者(候補者、面接官、採用担当者)全員に自動でカレンダー登録と通知メールが送信されます。日程変更やキャンセルもシステム上で完結するため、面倒な再調整のやり取りがなくなります。
候補者とのコミュニケーション(メール・LINE)
候補者との円滑なコミュニケーションは、採用の成否を分ける重要な要素です。ATSは、このコミュニケーションを効率化し、質を高めるための機能を備えています。
- メールテンプレート: 書類選考の合否連絡、面接案内、内定通知など、頻繁に送るメールのテンプレートを保存しておけます。候補者の氏名や面接日時などを自動で差し込む機能もあり、迅速かつミスのない連絡が可能です。
- 一括/個別送信: 同じ選考段階にいる複数の候補者に一括でメールを送信したり、特定の候補者に個別でメッセージを送ったりと、状況に応じた対応が可能です。
- LINE連携: 若年層の採用では、メールよりもLINEの方が開封率や返信率が高い傾向にあります。一部のATSではLINEと連携し、候補者との連絡をLINEで行うことが可能です。よりカジュアルで迅速なコミュニケーションを実現し、他社との差別化を図れます。
採用活動の効果測定・分析
勘や経験に頼る採用から、データに基づいた戦略的な採用へと転換するために不可欠な機能です。
- レポーティング機能: 求人媒体別の応募数・採用数・費用対効果、選考段階ごとの通過率(歩留まり)、内定承諾率、採用決定までの日数など、採用活動に関する様々なデータを自動で集計し、グラフや表で可視化します。
- ボトルネックの特定: 例えば、「一次面接から二次面接への通過率が極端に低い」といったデータが得られれば、一次面接の評価基準や面接官のスキルに課題がある可能性が示唆されます。このように、採用プロセスのどこにボトルネックがあるのかを客観的に特定し、改善策を講じることができます。
- 採用計画への活用: これらの分析結果は、次年度の採用計画を立てる際の重要な根拠となります。どの媒体に予算を投下すべきか、どのような人材像をターゲットにすべきか、といった意思決定をデータに基づいて行うことができます。
外部サービスとの連携
ATSは単体で機能するだけでなく、他の様々なツールと連携することで、さらにその利便性を高めます。
- Web面接ツール: interview MakerやharutakaなどのWeb面接ツールと連携し、ATS上で面接予約が完了すると、自動でWeb面接のURLが発行・通知されます。
- 適性検査ツール: SPIや玉手箱などの適性検査ツールと連携し、ATSから受検依頼を送り、結果をATS上で一元管理できます。
- カレンダーツール: 前述の通り、GoogleカレンダーやOutlookカレンダーと連携し、日程調整を自動化します。
- チャットツール: SlackやMicrosoft Teamsなどのビジネスチャットツールと連携し、候補者の新規応募や選考進捗の更新などをリアルタイムでチームのチャンネルに通知できます。
これらの機能を組み合わせることで、採用業務のあらゆる側面をシームレスにつなぎ、全体最適化を図るのが採用管理システムの役割です。
採用管理システムを導入する6つのメリット
採用管理システム(ATS)の導入は、単なる業務効率化に留まらず、採用活動の質そのものを向上させ、企業の競争力強化に貢献します。ここでは、ATSがもたらす6つの具体的なメリットについて、その効果と理由を詳しく解説します。
① 採用業務の効率化と工数削減ができる
これがATS導入の最も直接的で分かりやすいメリットです。採用活動には、多くの手作業による定型業務が存在します。
- 応募者情報の転記: 複数の求人媒体からの応募者情報をExcelに手入力する作業。
- 個別連絡: 書類選考の合否、面接の案内、リマインドなどを一人ひとりに行うメール送信作業。
- 日程調整: 候補者と複数の面接官のスケジュールを往復メールで調整する作業。
- 進捗管理: 誰がどの選考段階にいるかをExcelやホワイトボードで管理し、更新する作業。
これらの煩雑なノンコア業務をATSによって自動化・システム化することで、採用担当者が費やしていた時間を大幅に削減できます。例えば、1件あたり30分かかっていた面接の日程調整が、ATSの自動調整機能を使えば数分で完了するかもしれません。1日に10件の調整があれば、それだけで数時間の工数削減につながります。創出された時間は、候補者の動機付けや面接の質の向上、採用戦略の策定といった、人でなければできないコア業務に振り向けることが可能になります。
② 採用担当者の負担を軽減できる
採用業務は多岐にわたり、一人の担当者が多くの役割を担うことが少なくありません。特に中小企業では、人事担当者が他の業務と兼務しているケースも多く、その負担は深刻です。
ATSを導入することで、前述の工数削減はもちろんのこと、精神的な負担も大きく軽減されます。
- ミスの防止: 「連絡を忘れていた」「日程を間違えて伝えた」といったヒューマンエラーは、候補者の信頼を損なう致命的なミスにつながりかねません。ATSはタスク管理や自動通知機能によって、こうしたミスを未然に防ぎます。
- 属人化の解消: 「あの候補者の状況は〇〇さんしか知らない」といった属人化は、担当者の不在時に業務が滞るリスクや、退職時の引き継ぎコスト増大を招きます。ATSを使えば、採用に関する情報がすべてプラットフォーム上に集約・可視化されるため、チーム内の誰でも状況を把握でき、業務の標準化と属人化の解消が実現します。
- 情報共有の円滑化: 経営層や現場の面接官から「現在の応募状況はどうなってる?」と聞かれた際に、都度Excelを集計して報告する必要がなくなります。ATSのレポート機能やダッシュボードを見れば、関係者全員がリアルタイムで最新の状況を共有できます。
これにより、採用担当者は常にマルチタスクに追われるストレスから解放され、より計画的で落ち着いた業務遂行が可能になります。
③ 採用に関するデータを蓄積・活用できる
Excelやスプレッドシートでの管理では、データが散在しやすく、過去の情報を有効活用することが困難でした。ATSは、採用活動に関するあらゆるデータを構造化された形で蓄積する「データベース」としての役割を果たします。
- タレントプールの構築: 過去の応募者データは、企業の貴重な資産です。その時はポジションが合わずに不採用となった優秀な人材も、将来的にタレントプールとして活用できます。新たな募集が出た際に、ゼロから母集団を形成するのではなく、まずはタレントプールにアプローチすることで、採用コストと時間を大幅に削減できる可能性があります。
- データドリブンな採用戦略: ATSに蓄積されたデータを分析することで、「どの求人媒体からの応募者が内定に至りやすいか」「どのようなスキルセットを持つ人材が面接通過率が高いか」「採用決定までの平均日数はどれくらいか」といった客観的な事実を把握できます。この分析結果に基づき、広告予算の最適な配分、求める人物像の再定義、選考プロセスの見直しなど、データに基づいた精度の高い採用戦略を立案・実行できるようになります。
④ 採用の質向上とミスマッチ防止につながる
採用の成功とは、単に欠員を補充することではなく、入社した人材が定着し、活躍してくれることです。ATSは、採用の「質」の向上にも大きく貢献します。
- 評価基準の統一: ATS上で評価項目や基準を標準化した評価シートを作成・運用することで、面接官ごとの評価のバラつきを防ぎ、客観的で公平な選考が可能になります。面接官の主観や印象だけに頼るのではなく、構造化されたデータに基づいて候補者を評価することで、自社に本当にマッチした人材を見極める精度が高まります。
- 候補者体験の向上: 迅速なレスポンス、スムーズな日程調整、一貫性のある情報提供など、きめ細やかな対応は候補者の企業に対する志望度を高めます。ATSを活用して質の高いコミュニケーションを実現することは、候補者体験(Candidate Experience)を向上させ、優秀な人材を惹きつけ、他社との競合に打ち勝つための重要な要素となります。
- ミスマッチの防止: 採用プロセス全体で得られた客観的なデータ(適性検査の結果、複数面接官の評価など)を総合的に判断することで、入社後の「こんなはずではなかった」というミスマッチを減らす効果が期待できます。
⑤ 採用コストの最適化・削減ができる
採用活動には、求人広告費や人材紹介手数料など、多額のコストがかかります。ATSは、これらのコストを最適化し、削減することにも役立ちます。
- 費用対効果の可視化: どの求人媒体にいくら費用をかけ、そこから何人の応募があり、最終的に何人採用できたのか、という媒体ごとの費用対効果(採用単価)を正確に測定できます。これにより、効果の低い媒体への出稿を停止し、効果の高い媒体に予算を集中させるといった、データに基づいた合理的な予算配分が可能になります。
- リファラル採用・ダイレクトリクルーティングの促進: ATSの中には、リファラル採用(社員紹介)を支援する機能や、タレントプールを活用したダイレクトリクルーティングを効率化する機能を備えたものもあります。これらの手法は、一般的に求人広告や人材紹介よりも採用単価を低く抑えられるため、積極的に活用することで全体の採用コストを削減できます。
⑥ 内定辞退率の改善が期待できる
多くの企業が頭を悩ませるのが、内定を出した後の辞退です。ATSは、内定辞退率の改善にも間接的に貢献します。
- 選考スピードの向上: ATSによる業務効率化は、応募から内定までの期間を短縮します。選考期間が長引くと、候補者は他の企業から内定を得てしまったり、志望度が下がってしまったりするリスクが高まります。スピーディーな選考プロセスは、優秀な人材を他社に奪われるのを防ぐ上で非常に重要です。
- 内定者フォローの強化: ATSを使えば、内定者とのコミュニケーション履歴も一元管理できます。定期的な連絡や、オンライン懇親会の案内、入社前研修の通知などを計画的に行う「内定者フォロー」を効率的に実施できます。内定から入社までの期間、継続的にコミュニケーションを取ることで、内定者の不安を解消し、入社意欲を維持・向上させることができます。
これらのメリットは相互に関連し合っており、ATSを導入することで、採用活動全体がポジティブなサイクルへと転換していくことが期待できます。
採用管理システム導入の3つのデメリット・注意点
採用管理システム(ATS)は多くのメリットをもたらす一方で、導入にあたっては考慮すべきデメリットや注意点も存在します。これらを事前に理解し、対策を講じることが、導入を成功させるための鍵となります。
① 導入・運用にコストがかかる
最も分かりやすいデメリットは、金銭的なコストが発生することです。ATSの利用には、一般的に以下の費用がかかります。
- 初期費用: システム導入時に一度だけ発生する費用です。アカウントの設定や基本的な環境構築、初期のトレーニングなどが含まれます。相場は無料のものから数十万円までと幅広く、高機能なシステムほど高額になる傾向があります。
- 月額(または年額)費用: システムを継続して利用するためのライセンス費用です。料金体系は、利用する機能の範囲、従業員数、候補者登録数などによって変動します。無料プランを提供しているサービスもありますが、多くは月額数万円から数十万円が相場です。
これらの費用が、自社の採用規模や課題解決によって得られるメリット(工数削減による人件費の抑制、採用コストの最適化など)に見合うかどうか、費用対効果を慎重に検討する必要があります。「高機能だから」という理由だけでオーバースペックなシステムを導入すると、コストだけがかさんでしまう結果になりかねません。まずは解決したい課題を明確にし、それに見合った価格帯のシステムを選ぶことが重要です。
【よくある質問】コストを抑える方法は?
無料プランや低価格帯のATSから始めるのが一つの手です。ただし、無料プランは機能や登録できる候補者数に制限がある場合がほとんどです。まずはスモールスタートでATSの利便性を体感し、事業の成長や採用規模の拡大に合わせて、より高機能なプランに移行していくというアプローチも有効です。
② システムが社内に定着するまで時間がかかる
新しいシステムを導入する際には、必ず「定着」という壁が立ちはだかります。これはATSも例外ではありません。
- 操作方法の習得: 採用担当者はもちろん、面接官として関わる現場の社員や、承認者となる役員など、関係者全員がシステムの基本的な操作方法を覚える必要があります。特にITツールに不慣れな社員がいる場合、抵抗感を示されたり、使い方を間違えたりすることが起こり得ます。
- 運用ルールの策定と浸透: 「候補者情報はどのタイミングで入力するのか」「面接の評価はいつまでに、どの項目を記載するのか」「ステータスの更新は誰が責任を持って行うのか」といった、具体的な運用ルールを事前に策定し、関係者全員に周知徹底する必要があります。このルールが曖昧だと、情報が入力されなかったり、古い情報のまま放置されたりして、せっかくのシステムが形骸化してしまいます。
- 導入初期の業務負荷: システムの導入初期は、既存のデータ(過去の応募者情報など)を新システムに移行する作業や、運用ルールの学習など、一時的に業務負荷が増加する可能性があります。
これらの課題を乗り越えるためには、導入前の丁寧な準備が不可欠です。なぜこのシステムを導入するのかという目的を全社で共有し、導入後の運用ルールを明確に定め、操作マニュアルの作成や研修会を実施するなど、現場がスムーズに移行できるようなサポート体制を整えることが成功の鍵となります。
③ 機能が多すぎて使いこなせない可能性がある
ATSは、多機能であることが魅力の一つですが、それが逆にデメリットになることもあります。特に、初めてATSを導入する企業が、いきなり最高峰の多機能システムを選んでしまうと、「機能が多すぎて何から手をつけていいか分からない」「自社の業務フローに合わない機能ばかりで、結局ほとんど使っていない」という状況に陥りがちです。
これは「宝の持ち腐れ」状態であり、無駄なコストを払い続けることになります。例えば、新卒採用を一切行わない企業が、新卒採用に特化した高度な機能(マイページ作成機能やLINE連携など)が充実したシステムを導入しても、その価値を享受することはできません。
この問題を避けるためには、「失敗しない採用管理システムの選び方」で後述するように、まずは自社の採用課題を徹底的に洗い出すことが最も重要です。
- 現在、採用業務のどこに最も時間がかかっているのか?(例:日程調整、媒体管理)
- どのようなミスが頻発しているか?(例:連絡漏れ、情報共有ミス)
- データ活用において、何ができていないのか?(例:媒体効果の測定、歩留まり分析)
これらの課題を明確にすることで、自社にとって「本当に必要な機能」が見えてきます。多くの機能の中から必要なものを選ぶのではなく、「この課題を解決するために、この機能は必須だ」という視点でシステムを選ぶことが、失敗を防ぐための鉄則です。多くのサービスで無料トライアルやデモが提供されているので、実際に操作感を試しながら、自社の業務にフィットするかどうかを見極めることも非常に重要です。
失敗しない採用管理システムの選び方と比較ポイント9選
数多く存在する採用管理システム(ATS)の中から、自社に最適な一つを見つけ出すことは容易ではありません。ここでは、導入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、必ず押さえておきたい9つの選び方と比較ポイントを詳しく解説します。
① 自社の採用課題と導入目的を明確にする
これが最も重要であり、全ての選定プロセスの出発点となります。なぜATSを導入したいのか、その目的を具体的に言語化しましょう。目的が曖昧なままでは、どのシステムが良いのか判断基準が持てません。
- 課題の例:
- 「面接の日程調整に毎月20時間以上かかっている」→ 工数削減が目的
- 「どの求人媒体が効果的か分からず、広告費を無駄にしている気がする」→ 採用コストの最適化が目的
- 「面接官によって評価がバラバラで、採用のミスマッチが多い」→ 採用の質向上が目的
- 「応募者への返信が遅れがちで、機会損失が発生している」→ 候補者体験の向上が目的
- 「過去の応募者リストが活用できていない」→ タレントプールの構築が目的
このように、現状の課題(As-Is)と、ATS導入によって実現したい理想の状態(To-Be)を明確にすることで、自社が必要とする機能の優先順位が自ずと見えてきます。この軸がブレなければ、営業担当者の巧みなセールストークや、多機能さだけに惑わされることなく、冷静な判断ができます。
② 採用形態(新卒・中途・アルバイト)に対応しているか
採用形態によって、求められる機能や業務フローは大きく異なります。自社が主に行っている採用活動に特化した、あるいは幅広く対応できるシステムを選びましょう。
- 新卒採用: 学生とのコミュニケーションを円滑にするLINE連携機能や、企業説明会の予約管理、内定者専用のマイページ機能などが重要になります。
- 中途採用: 複数の転職サイトや人材紹介エージェントとの連携がスムーズに行えるか、求人媒体連携の豊富さがポイントです。また、即戦力人材を見極めるための構造化された評価シート機能も役立ちます。
- アルバイト・パート採用: 大量の応募を効率的にさばくための応募者対応の自動化機能や、面接日程の即時予約機能、採用後のシフト管理システムとの連携などが強みを持つシステムが適しています。
「新卒・中途の両方に対応」と謳っているシステムでも、どちらか一方に強みがある場合が多いです。自社の採用活動のメインは何かを見極め、それぞれの領域に強いシステムを比較検討することが重要です。
③ 自社の企業規模に合っているか
企業の規模によっても、最適なATSは異なります。
- 中小企業・ベンチャー企業:
- コストパフォーマンス: 導入・運用コストが手頃であること。
- シンプルさ: 専任の採用担当者がいない場合も多いため、誰でも直感的に使えるシンプルな操作性が求められます。
- 立ち上がりの速さ: 複雑な設定なしに、すぐに利用を開始できること。
- 大企業:
- カスタマイズ性: 独自の複雑な選考フローや承認プロセスに対応できる柔軟性。
- セキュリティ: 数千・数万件の個人情報を取り扱うため、高度なセキュリティ基準(ISMS認証など)を満たしていること。
- 権限管理機能: 部門や役職に応じて、アクセスできる情報や操作できる機能を細かく設定できること。
- サポート体制: 多数の利用者をサポートするための、専任担当者による手厚いフォロー体制。
自社の事業フェーズや組織体制に合わないシステムを選ぶと、運用が形骸化する原因になります。
④ 必要な機能が過不足なく搭載されているか
①で明確にした導入目的に立ち返り、「Must(必須)機能」と「Want(あると嬉しい)機能」を整理しましょう。全ての機能が揃っている必要はありません。むしろ、不要な機能が多いと、画面が複雑になり操作性を損なうだけでなく、コストも無駄にかかります。
例えば、「工数削減」が最優先課題であれば、「面接日程の自動調整機能」や「メール自動送信機能」はMust機能です。一方で、「タレントプール活用」は将来的には行いたいが今すぐではない、という場合はWant機能に分類できます。この優先順位に基づいて、各システムの機能一覧をチェックし、自社の要件を満たすものを選びましょう。
⑤ 誰でも直感的に使える操作性か
システムは、使われなければ意味がありません。特に、採用担当者だけでなく、現場の面接官や経営層など、ITリテラシーが様々である多くの人が関わるツールだからこそ、操作性の高さ(UI/UX)は極めて重要です。
カタログやWebサイトの情報だけでは、実際の使い勝手は分かりません。必ず無料トライアルやデモを申し込み、実際に触ってみることをお勧めします。その際は、採用担当者だけでなく、実際にシステムを使うことになる面接官にも試してもらい、フィードバックをもらうと良いでしょう。「画面が見やすいか」「操作に迷わないか」「マニュアルなしでも使えるか」といった観点でチェックしましょう。
⑥ 料金体系と費用対効果は妥当か
ATSの料金体系は様々です。「採用管理システムの料金体系と費用相場」で後述しますが、主に月額固定制や従量課金制があります。自社の採用人数や頻度を考慮し、どちらの体系がコスト効率が良いかシミュレーションしてみましょう。
そして、単に価格の安さだけで選ぶのではなく、その費用で「どのくらいの効果が見込めるか」という費用対効果(ROI)の視点を持つことが重要です。例えば、月額5万円のシステムを導入することで、これまで月20時間かかっていた事務作業が5時間に短縮されたとします。担当者の時給が3,000円だとすれば、15時間 × 3,000円 = 45,000円の人件費が削減できた計算になり、コストはほぼ回収できたと言えます。これに加えて、採用の質向上やミスマッチ減による効果も考慮すれば、十分な投資価値があると言えるでしょう。
⑦ 導入後のサポート体制は充実しているか
導入後に問題が発生した際や、活用方法に悩んだ際に、迅速で的確なサポートを受けられるかは非常に重要です。
- サポートチャネル: 電話、メール、チャットなど、どのような問い合わせ方法があるか。
- 対応時間: 平日の日中のみか、夜間や土日も対応しているか。
- サポートの質: 専任のカスタマーサクセス担当者がつくのか、FAQやマニュアルは充実しているか。
- オンボーディング支援: 導入初期のセットアップや運用ルールの構築を支援してくれるプログラムがあるか。
特に初めてATSを導入する場合や、社内にITに詳しい人材がいない場合は、手厚いサポート体制が整っているベンダーを選ぶと安心です。
⑧ セキュリティ対策は万全か
ATSは、応募者の氏名、住所、経歴といった機密性の高い個人情報を大量に取り扱います。万が一、情報漏洩が発生すれば、企業の社会的信用を大きく損なうことになりかねません。
そのため、ベンダーのセキュリティ対策は厳しくチェックする必要があります。
- 第三者認証の有無: 「ISMS(ISO27001)」認証や「プライバシーマーク(Pマーク)」を取得しているかは、客観的な信頼性の指標となります。
- 具体的なセキュリティ施策: 通信の暗号化(SSL/TLS)、IPアドレス制限、二要素認証、データのバックアップ体制など、どのような対策が講じられているかを確認しましょう。
公式サイトや資料でこれらの情報を公開しているベンダーは、セキュリティ意識が高いと判断できます。
⑨ 連携できる外部サービスを確認する
ATSは単体で使うだけでなく、他のツールと連携することで利便性が飛躍的に向上します。自社がすでに利用している、あるいは将来的に利用したいツールと連携できるかを確認しておきましょう。
- カレンダー: Googleカレンダー、Outlookカレンダー
- Web面接ツール: Zoom、Google Meet、interview Maker、harutaka
- コミュニケーションツール: Slack、Microsoft Teams、LINE
- 適性検査ツール: SPI、玉手箱
- 労務管理システム: 入社手続きをスムーズにするため
これらの連携がスムーズであれば、データを手動で移し替える手間が省け、業務フローがよりシームレスになります。
以上の9つのポイントを一つひとつチェックし、複数のサービスを比較検討することで、自社にとって本当に価値のあるATSを見つけ出すことができるでしょう。
採用管理システムの料金体系と費用相場
採用管理システム(ATS)の導入を検討する上で、コストは最も気になる要素の一つです。ここでは、ATSの主な料金体系の種類と、それぞれの費用相場について解説します。自社の採用規模や予算に合わせて、最適なプランを選ぶための参考にしてください。
料金体系の種類
ATSの料金体系は、主に「月額固定制」と「従量課金制」の2つに大別されます。それぞれの特徴を理解し、自社の状況に合ったものを選びましょう。
料金体系 | 特徴 | メリット | デメリット | こんな企業におすすめ |
---|---|---|---|---|
月額固定制 | 毎月決まった額を支払うプラン。機能や従業員数に応じて複数のプランが用意されていることが多い。 | ・予算が立てやすい ・採用人数が増えても料金が変わらない |
・採用活動が少ない月でも固定費がかかる | ・毎月安定して一定数の採用を行う企業 ・年間を通じて採用活動がある大企業 |
従量課金制 | 登録する候補者数や求人数、採用成功数など、利用量に応じて料金が変動するプラン。 | ・採用活動が少ない時期のコストを抑えられる ・スモールスタートしやすい |
・採用が活発な時期はコストが高くなる可能性がある ・予算の見通しが立てにくい |
・採用数に波がある企業 ・特定の時期に集中して採用を行う企業 ・不定期に採用を行う中小企業・ベンチャー |
月額固定制
月額固定制は、多くのATSで採用されている最も一般的な料金体系です。毎月の支払額が一定であるため、年間の採用予算が非常に立てやすいという大きなメリットがあります。
プランは、利用できる機能の範囲や、システムを利用する従業員数、管理する候補者数の上限などによって「ライトプラン」「スタンダードプラン」「エンタープライズプラン」のように階層化されていることがほとんどです。
例えば、従業員数50名以下の企業向けプラン、51名〜300名向けプランといった形で、企業規模に応じた料金設定がされているケースが多く見られます。
採用人数に関わらず料金は一定なので、大規模な採用を行う企業や、年間を通じてコンスタントに採用活動を行う企業にとっては、結果的にコストパフォーマンスが高くなります。一方で、採用活動がほとんどない月でも固定費が発生するため、採用の頻度が低い企業にとっては割高に感じられる可能性があります。
従量課金制
従量課金制は、使った分だけ支払う柔軟な料金体系です。課金の対象となる指標は、サービスによって異なります。
- 候補者数課金: システムに登録するアクティブな候補者の数に応じて料金が決まるタイプ。
- 求人案件数課金: 公開する求人案件の数に応じて料金が決まるタイプ。
- 採用成功報酬型: 採用が決定した場合にのみ、一定の料金が発生するタイプ。
このタイプの最大のメリットは、採用活動を行わない時期や、応募者が少ない時期のコストを最小限に抑えられることです。そのため、設立間もないベンチャー企業や、欠員が出た場合にのみ不定期で採用を行う中小企業など、スモールスタートしたい場合に適しています。
ただし、採用活動が活発化し、応募者や採用決定者が増えると、月額固定制よりもコストが高くなる可能性がある点には注意が必要です。予算管理がやや複雑になるという側面もあります。
初期費用と月額費用の相場
ATSの費用は、機能やサポート体制、対象とする企業規模によって大きく異なります。ここでは、大まかな費用相場をまとめます。
項目 | 無料・低価格帯 | 中価格帯 | 高価格帯 |
---|---|---|---|
初期費用 | 0円 ~ 5万円 | 5万円 ~ 30万円 | 30万円以上(要問い合わせ) |
月額費用 | 0円 ~ 3万円 | 3万円 ~ 10万円 | 10万円以上(要問い合わせ) |
主な対象 | ・個人事業主 ・従業員数50名以下の小規模企業 ・とにかくコストを抑えたい企業 |
・中小企業全般 ・ベンチャー企業 ・採用活動が活発な企業 |
・中堅~大企業 ・複雑な採用フローを持つ企業 ・高度なセキュリティやカスタマイズを求める企業 |
特徴 | ・基本的な機能に限定 ・候補者登録数などに上限あり ・サポートはメールやチャットのみの場合が多い |
・採用業務に必要な機能が一通り揃う ・一定のサポート体制あり ・最も多くの企業が利用する価格帯 |
・高度な分析機能やカスタマイズ性 ・専任のサポート担当者がつく ・万全のセキュリティ体制 |
【無料・低価格帯(月額0円~3万円)】
この価格帯では、無料で利用できるプランや、月額数千円から始められるサービスが中心です。engageやIndeedのように、求人掲載とセットで基本的なATS機能が無料で提供されるものもあります。機能は候補者管理や簡単な進捗管理などに限定されることが多いですが、「まずはATSを試してみたい」「採用人数が少なく、Excel管理から脱却したい」といったニーズには十分応えられます。
【中価格帯(月額3万円~10万円)】
最も競争が激しく、多くの企業が選択する価格帯です。採用管理に必要な機能(候補者管理、日程調整、求人媒体連携、分析レポートなど)が一通り網羅されており、コストと機能のバランスが取れています。中小企業から中堅企業まで、幅広いニーズに対応可能です。サポート体制も比較的しっかりしており、安心して利用できるサービスが多いのが特徴です。
【高価格帯(月額10万円~)】
大企業向けや、特定の業界に特化した高機能なATSがこの価格帯に含まれます。複雑な承認フローへの対応、基幹システムとの連携、高度なセキュリティ要件、詳細な権限設定、手厚い専任サポートなど、大規模な組織運営を前提とした機能が充実しています。料金は個別見積もりとなるケースがほとんどです。
自社の採用規模、必要な機能、かけられる予算を総合的に判断し、最適な価格帯のサービスから比較検討を始めるのが効率的です。
【目的・採用形態別】おすすめの採用管理システム
採用管理システム(ATS)は、それぞれに得意な領域があります。ここでは、自社の主な採用活動に合わせて最適なシステムを見つけられるよう、「新卒」「中途」「アルバイト・パート」の採用形態別に、強みを持つ代表的なATSを紹介します。
新卒採用に強い採用管理システム
新卒採用では、多数の学生への効率的なアプローチと、内定までのエンゲージメント維持が重要です。LINE連携やマイページ機能が充実しているシステムが人気です。
- i-web: 大手企業の新卒採用で圧倒的なシェアを誇るATS。マイページ機能やイベント管理機能が非常に高機能で、大規模な採用活動に対応できます。
- SONAR ATS: 新卒・中途を問わず対応可能ですが、特にLINEとの連携機能に定評があります。学生とのコミュニケーションをLINEで完結させたい企業におすすめです。
- MyRefer: リファラル採用に特化したシステムですが、新卒採用においてもインターンシップ参加者や内定者からの紹介を促進し、質の高い母集団形成に貢献します。
中途採用に強い採用管理システム
中途採用では、多様な募集チャネルの一元管理と、スピーディーな選考プロセスが成功の鍵を握ります。求人媒体連携やエージェント管理に優れたシステムが適しています。
- HERP Hire: Slackなどとの連携で、現場を巻き込んだスクラム採用を推進。多様なチャネルからの応募情報を一元化し、スピーディーな選考を実現します。
- HRMOS採用: 求人媒体や人材紹介会社との連携が豊富で、中途採用の主要チャネルを幅広くカバー。データ分析機能も強力で、採用活動の可視化・改善に役立ちます。
- ジョブカン採用管理: シンプルな操作性とコストパフォーマンスの高さが魅力。中途採用に必要な機能を過不足なく備えており、初めてATSを導入する企業にもおすすめです。
アルバイト・パート採用に強い採用管理システム
アルバイト・パート採用は、応募数の多さと、採用決定までのスピードが特徴です。応募者対応の自動化や、面接設定の効率化に特化したシステムが有効です。
- HITO-Manager: アルバイト・パート採用に特化したATSの代表格。複数の求人メディアからの応募をまとめて管理し、面接設定の自動化機能も充実しています。
- RPM: 応募があった際に自動で面接設定メールを送るなど、応募者対応の自動化に強みを持ちます。採用担当者の工数を大幅に削減できます。
- Jobギア採用管理: 求人サイト「Jobギア」と連携した採用管理ツール。応募から採用までを一気通貫で管理でき、特にアルバイト採用に強みを発揮します。
【企業規模別】おすすめの採用管理システム
企業の成長フェーズや組織の規模によって、求められるATSの機能や要件は異なります。ここでは、中小・ベンチャー企業と大企業、それぞれの規模に合ったおすすめのシステムを紹介します。
中小企業・ベンチャーにおすすめの採用管理システム
コストを抑えつつ、直感的な操作でスピーディーに採用活動を効率化したい中小・ベンチャー企業には、以下のシステムがおすすめです。
- ジョブカン採用管理: 低価格ながら必要な機能が揃っており、UIもシンプルで分かりやすい。導入のハードルが低く、多くのSMBに支持されています。
- Talentio: 無料プランから始められるのが大きな魅力。洗練されたデザインと直感的な操作性で、ITツールに不慣れな担当者でも安心して利用できます。
- engage: 無料で求人掲載から採用管理まで行える、コストを最優先する企業にとっての第一候補。Indeedとも連携しており、応募者を集めやすい点も強みです。
大企業におすすめの採用管理システム
複雑な選考フロー、高度なセキュリティ、多数の関係者を巻き込んだ採用活動など、大企業特有の要件に応えられるシステムは以下の通りです。
- i-web: 新卒採用を中心に、数千~数万人規模の応募者を管理するノウハウと実績が豊富。セキュリティやカスタマイズ性も高く、大手企業の厳しい要件に対応可能です。
- SONAR ATS: 採用フローの設計自由度が高く、企業の独自の選考プロセスをシステム上で再現しやすい。権限管理機能も詳細に設定でき、大規模組織での運用に適しています。
- HRMOS採用: ビズリーチが提供するATS。タレントマネジメントシステムなど他のHRMOSシリーズとの連携により、採用から入社後の活躍までを一気通貫で支援するプラットフォームを構築できます。
【料金別】おすすめの採用管理システム
導入コストは、ATS選定における重要な要素です。ここでは、特にコストを重視する企業向けに、無料または低価格で利用を開始できるシステムを紹介します。
無料または低価格で始められる採用管理システム
まずはコストをかけずにATSを試してみたい、あるいは採用規模が小さいため高機能なシステムは不要、という企業には以下の選択肢があります。
- engage: 求人サービス「エンゲージ」が提供するATS。求人掲載から応募者管理、採用までを完全無料で利用できます。コストを一切かけずにATSを始めたい企業に最適です。
- Talentio: 無料プランが用意されており、候補者管理や選考管理、求人ページ作成といった基本的な機能を無期限で利用できます。有料プランへのアップグレードもスムーズです。
- ジョブカン採用管理: 最安プランは月額8,500円から(Liteプラン、候補者登録数に応じた従量課金)と、有料ATSの中では非常にリーズナブルな価格設定です。無料トライアルも可能です。
- Zoho Recruit: Zohoが提供する採用管理ツール。永久無料プランがあり、1名の採用担当者と1つの求人案件までなら無料で利用し続けることができます。
これらのシステムは、Excel管理からのステップアップや、ATSの導入効果を試すための第一歩として非常に有効です。
採用管理システム(ATS)おすすめ35選の比較表
サービス名 | 主な特徴 | 対応採用形態 | 料金(月額) | 無料トライアル |
---|---|---|---|---|
i-web | 新卒採用に圧倒的な強み。大規模採用向けの高機能マイページ。 | 新卒、中途 | 要問い合わせ | なし |
SONAR ATS | LINE連携に強み。採用フローの自由な設計が可能。 | 新卒、中途、アルバイト | 50,000円~ | あり |
HERP Hire | 現場主導のスクラム採用を推進。Slack連携が強力。 | 中途、新卒 | 要問い合わせ | あり |
ジョブカン採用管理 | コスパとシンプルさが魅力。初めてのATS導入におすすめ。 | 中途、新卒、アルバイト | 8,500円~ | あり(30日間) |
HRMOS採用 | データ分析機能が強力。求人媒体・エージェント連携が豊富。 | 中途、新卒 | 要問い合わせ | あり |
Talentio | 洗練されたUI/UX。無料プランから始められる。 | 中途、新卒 | 0円~ | あり(無期限) |
engage | 求人掲載から採用管理まで完全無料。Indeed連携。 | 中途、アルバイト、新卒 | 0円 | – |
MyRefer | リファラル採用に特化。社員の紹介活動を活性化。 | 新卒、中途 | 要問い合わせ | あり |
Workable | グローバルで人気のATS。AIによる候補者推薦機能。 | 中途、新卒 | $149~ | あり(15日間) |
Breezy HR | カンバン方式のUIが特徴。豊富な連携サービス。 | 中途、新卒 | 0円~ | あり |
Zoho Recruit | Zohoシリーズとの連携。永久無料プランあり。 | 中途、新卒、アルバイト | 0円~ | あり(15日間) |
Freshteam | 採用から入社後の管理までカバー。中小企業向け。 | 中途、新卒 | 0円~ | あり(21日間) |
SmartRecruiters | 大企業向け。採用マーケティング機能が充実。 | 中途、新卒 | 要問い合わせ | あり |
Mypage | 新卒採用向け。LINE連携やマイページ機能。 | 新卒 | 要問い合わせ | あり |
HITO-Manager | アルバイト・パート採用の決定版。応募者対応を自動化。 | アルバイト・パート | 35,000円~ | あり |
interview Maker | Web面接機能が一体化。録画選考にも対応。 | 新卒、中途 | 要問い合わせ | あり |
ENTRY FINDER | アルバイト採用に特化。求人作成から面接設定まで。 | アルバイト・パート | 要問い合わせ | – |
next≫ | 新卒採用向け。マイページ作成やイベント管理。 | 新卒 | 要問い合わせ | – |
RPM | アルバイト・パート採用向け。応募者対応の自動化に強み。 | アルバイト・パート | 要問い合わせ | あり |
access online | 新卒採用向け。適性検査やWebセミナー機能も。 | 新卒 | 要問い合わせ | – |
JobSuite | 20年以上の実績。中途採用に強み。 | 中途 | 要問い合わせ | あり |
TalentCloud | タレントプール構築・活用に特化。候補者との関係構築。 | 中途、新卒 | 要問い合わせ | あり |
GoQ採用管理 | 低価格な料金設定。中小企業向け。 | 中途、アルバイト | 14,800円~ | あり(14日間) |
jinjer採用 | 人事管理システム「jinjer」の一部。採用から労務まで連携。 | 中途、新卒 | 要問い合わせ | あり |
採用一括かんりくん | LINE連携で新卒採用を効率化。内定者フォローも。 | 新卒、中途 | 20,000円~ | あり |
Catch bowl | 中小企業向け中途採用特化型。ダイレクトリクルーティング支援。 | 中途 | 要問い合わせ | あり |
harutaka | 動画選考・Web面接プラットフォーム。ATS機能も搭載。 | 新卒、中途 | 要問い合わせ | あり |
Jobギア採用管理 | 求人サイト「Jobギア」と連携。アルバイト採用に強み。 | アルバイト・パート | 要問い合わせ | – |
Taisetsu | 候補者体験向上に特化。選考中のコミュニケーションを重視。 | 中途、新卒 | 要問い合わせ | あり |
hiring score | 採用活動のスコア化。データドリブンな改善を支援。 | 中途、新卒 | 要問い合わせ | – |
採用係長 | 求人作成から応募者管理まで。Indeedなど6つの求人検索エンジンに連携。 | 中途、アルバイト | 19,800円/月~ | あり(無料プラン) |
Reworks | 中小企業向け。月額9,800円から利用可能。 | 中途、アルバイト | 9,800円~ | あり |
e-hire | 人材紹介会社向け・事業会社向けの両方を提供。 | 中途 | 要問い合わせ | – |
CONECO | 人材紹介会社からの推薦を一元管理。エージェント管理に特化。 | 中途 | 要問い合わせ | あり |
ApplicantManager | シンプルな機能と低価格。小規模事業者向け。 | 中途、アルバイト | 要問い合わせ | – |
※料金やプラン内容は2024年6月時点のものです。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
採用管理システム(ATS)おすすめ35選
ここでは、前述の比較表で挙げた35の採用管理システム(ATS)について、それぞれの特徴を個別に紹介します。
① i-web
新卒採用向けATSのパイオニア的存在。特に大手企業の導入実績が豊富で、数万人規模の応募者管理にも耐えうる堅牢なシステムと、カスタマイズ性の高さが特徴です。マイページ機能が非常に高機能で、学生への情報提供やコミュニケーションを細やかに設計できます。
参照:株式会社ヒューマネージ公式サイト
② SONAR ATS
新卒・中途を問わず、あらゆる採用活動に対応できるオールインワンATS。ドラッグ&ドロップで採用フローを自由に構築できる柔軟性の高さが最大の強みです。LINE連携機能にも定評があり、候補者とのコミュニケーションを円滑化します。
参照:Thinkings株式会社公式サイト
③ HERP Hire
「現場主導のスクラム採用」をコンセプトに掲げるATS。SlackやChatworkと連携し、応募情報の通知や選考評価の依頼をチャット上で完結できます。これにより、採用担当者と現場社員の連携を密にし、スピーディーな意思決定を支援します。
参照:株式会社HERP公式サイト
④ ジョブカン採用管理
「ジョブカン」シリーズの一つで、シンプルで直感的な操作性と、業界トップクラスのコストパフォーマンスが魅力。採用管理に必要な機能を過不足なく搭載しており、初めてATSを導入する中小企業に特におすすめです。
参照:株式会社Donuts公式サイト
⑤ HRMOS採用
転職サイト「ビズリーチ」が提供するATS。データに基づいた採用活動の実現を支援する分析機能が強力です。求人媒体や人材紹介会社との連携も豊富で、特に中途採用に強みを発揮します。
参照:株式会社ビズリーチ公式サイト
⑥ Talentio
「採用管理を、もっとシンプルに。」を掲げ、洗練されたUI/UXと無料から始められる手軽さで人気のATS。候補者情報や選考プロセスを直感的に管理でき、スタートアップや中小企業に最適です。
参照:株式会社タレンティオ公式サイト
⑦ engage
エン・ジャパン株式会社が運営する、求人掲載から採用管理までを完全無料で利用できるサービス。作成した求人はIndeedやGoogleしごと検索にも自動で掲載されるため、コストをかけずに母集団形成と応募者管理が可能です。
参照:エン・ジャパン株式会社公式サイト
⑧ MyRefer
国内最大級のリファラル採用(社員紹介)特化型システム。社員が友人・知人を紹介しやすくなる仕組みを提供し、エンゲージメントの高い人材の採用を支援します。新卒・中途問わず活用できます。
参照:株式会社MyRefer公式サイト
⑨ Workable
世界20,000社以上で利用されているグローバルなATS。AIが70以上のソースから候補者を自動で探し出す機能や、豊富なテンプレートが特徴。英語に完全対応しており、海外人材の採用にも強いです。
参照:Workable Technology Limited公式サイト
⑩ Breezy HR
カンバン方式のパイプラインで、候補者の進捗を視覚的に管理できるのが特徴。中小企業向けに設計されており、無料プランも提供しています。40以上のサービスと連携可能です。
参照:Breezy HR, Inc.公式サイト
⑪ Zoho Recruit
世界的なビジネスツールスイート「Zoho」が提供するATS。CRMや他のZohoアプリとの連携がスムーズです。永久無料プランがあり、個人事業主や小規模な採用から始められます。
参照:ゾーホージャパン株式会社公式サイト
⑫ Freshteam
採用管理だけでなく、入社手続き、従業員情報管理、休暇管理までをカバーするHRプラットフォーム。特に中小企業のHR業務全体を効率化したい場合に適しています。
参照:Freshworks Inc.公式サイト
⑬ SmartRecruiters
大企業向けの採用プラットフォーム。候補者管理だけでなく、採用マーケティングや採用サイト構築、CRM機能などを統合的に提供し、戦略的な採用活動を支援します。
参照:SmartRecruiters Inc.公式サイト
⑭ Mypage
新卒採用に特化したATS。LINEと連携したコミュニケーションや、学生一人ひとりに合わせた情報を提供できるマイページ機能が充実しており、学生のエンゲージメント向上に貢献します。
参照:株式会社mitoriz公式サイト
⑮ HITO-Manager
アルバイト・パート採用管理システムの国内トップクラスのシェアを誇ります。複数の求人媒体からの応募を一元管理し、面接率・採用率を向上させるための機能が豊富です。
参照:パーソルプロセス&テクノロジー株式会社公式サイト
⑯ interview Maker
Web面接に特化したツールですが、ATSとしての機能も備えています。応募から面接、評価までを一つのシステムで完結させたい企業におすすめ。録画選考機能も搭載しています。
参照:株式会社スタジアム公式サイト
⑰ ENTRY FINDER
アルバイト・パート採用に特化したATS。求人ページの作成から応募者管理、面接設定までをワンストップで提供。特に飲食、小売、サービス業での導入実績が豊富です。
参照:株式会社マイナビ公式サイト
⑱ next≫
新卒採用向けATS。企業と学生、双方の負荷を軽減することを目指した設計が特徴。シンプルな操作性で、マイページや説明会予約などを管理できます。
参照:株式会社アローリンク公式サイト
⑲ RPM
アルバイト・パート採用向け。応募者への自動メール返信や、面接日程の自動調整など、応募者対応の自動化に徹底的にこだわり、採用担当者の工数を大幅に削減します。
参照:株式会社ゼクウ公式サイト
⑳ access online
新卒採用に特化したATS。Webセミナーの配信や、オリジナルの適性検査の実施など、採用プロセス全体をサポートする機能が充実しています。
参照:株式会社アクセスヒューマネクスト公式サイト
㉑ JobSuite
20年以上の歴史を持つ、中途採用向けATSの古参。人材紹介会社や求人媒体との連携に強く、安定した運用実績が魅力です。大手から中小まで幅広い導入実績があります。
参照:株式会社ステラス公式サイト
㉒ TalentCloud
タレントプール採用に特化したATS。候補者との継続的な関係構築(ナーチャリング)を支援し、潜在的な候補者層を育成することで、未来の採用につなげます。
参照:株式会社採用モンスター公式サイト
㉓ GoQ採用管理
月額14,800円からという低価格で、候補者管理、求人媒体連携、チャットサポートなど充実した機能を利用できる中小企業向けのATSです。
参照:株式会社GoQSystem公式サイト
㉔ jinjer採用
勤怠管理や経費精算などで知られる「jinjer」シリーズの採用管理システム。採用から入社後の労務管理まで、人事データを一気通貫で管理できるのが最大の強みです。
参照:jinjer株式会社公式サイト
㉕ 採用一括かんりくん
LINEを活用したコミュニケーション機能が特徴で、特に新卒採用に強みを発揮します。学生へのリーチ率・開封率を高め、内定者フォローまでをサポートします。
参照:HRクラウド株式会社公式サイト
㉖ Catch bowl
中小企業の中途採用に特化したATS。ダイレクトリクルーティング支援機能や、採用サイト作成機能などを通じて、中小企業の「攻めの採用」をサポートします。
参照:株式会社C60公式サイト
㉗ harutaka
AIを活用した動画面接プラットフォーム。ライブ面接と録画面接の両方に対応し、採用の初期スクリーニングを効率化します。ATSとしての応募者管理機能も備えています。
参照:株式会社ZENKIGEN公式サイト
㉘ Jobギア採用管理
求人情報サービス「アイデム」が提供する、求人サイト「Jobギア」と一体化した採用ツール。アルバイト・パートや正社員など幅広い雇用形態の採用をサポートします。
参照:株式会社アイデム公式サイト
㉙ Taisetsu
「候補者体験」の向上にフォーカスしたユニークなATS。選考プロセスにおける候補者との丁寧なコミュニケーションを促す機能が充実しており、企業の採用ブランディングに貢献します。
参照:株式会社Taisetsu公式サイト
㉚ hiring score
採用活動の各プロセスをスコアリングし、データに基づいてボトルネックを特定、改善を促すことを目的としたATSです。データドリブンな採用活動を本格的に行いたい企業向け。
参照:株式会社hiring score公式サイト
㉛ 採用係長
最短2分で採用サイトを作成でき、Indeedなど6つの求人検索エンジンに自動で連携されるのが特徴。応募者管理機能も備えており、中小企業の採用活動を幅広く支援します。
参照:株式会社ネットオン公式サイト
㉜ Reworks
月額9,800円から利用可能な、中小企業向けの採用管理システム。シンプルな機能構成で、誰でも簡単に使えることを目指して開発されています。
参照:株式会社リアライブ公式サイト
㉝ e-hire
人材紹介会社向けの管理システムで国内トップクラスのシェアを誇る「e-AGENT」のノウハウを活かして開発された、事業会社向けの中途採用管理システムです。
参照:株式会社イースマイル公式サイト
㉞ CONECO
人材紹介会社からの候補者推薦を一元管理することに特化したシステム。エージェントとのやり取りを効率化し、推薦候補者の重複チェックなどを自動化します。
参照:株式会社CONECO公式サイト
㉟ ApplicantManager
2003年から提供されている、シンプルな機能と低価格を特徴とするATS。小規模事業者や、特定の機能だけを安価に利用したい場合に適しています。
参照:株式会社しろく公式サイト
採用管理システム導入の流れ4ステップ
自社に最適な採用管理システム(ATS)を見つけ、スムーズに導入・定着させるためには、計画的なステップを踏むことが重要です。ここでは、導入決定から社内展開までの標準的な4つのステップを解説します。
① 導入目的と課題の明確化
これは「選び方」でも触れた、最も重要な最初のステップです。
- 現状分析: 現在の採用業務のフローを書き出し、どこに・どれくらいの時間がかかっているか、どのようなミスや問題が発生しているかを洗い出します。「応募者情報の管理が煩雑」「日程調整に時間がかかりすぎる」「媒体ごとの効果が不明」など、具体的な課題をリストアップします。
- 目的設定: 洗い出した課題をもとに、「ATSを導入して何を達成したいのか」という目的を明確にします。例えば、「採用業務にかかる工数を30%削減する」「内定承諾率を10%向上させる」といった、できるだけ具体的な数値目標を設定すると、後の効果測定がしやすくなります。
- 要件定義: 設定した目的を達成するために、システムに「必須の機能(Must)」と「あると望ましい機能(Want)」を定義します。この要件定義が、後のサービス選定の際の評価基準となります。
② 複数サービスの比較検討・情報収集
目的と要件が固まったら、具体的なサービスの情報収集と比較検討に移ります。
- 情報収集: 本記事のような比較サイトや、各サービスの公式サイト、導入事例などを参考に、自社の要件に合いそうなサービスを5社程度リストアップします。
- 資料請求・問い合わせ: リストアップしたサービスについて、公式サイトから資料を請求したり、問い合わせフォームからより詳細な情報を入手したりします。この際、自社の課題や要件を伝えることで、より的確な提案を受けやすくなります。
- 比較表の作成: 収集した情報を基に、料金、機能、サポート体制、セキュリティなどの項目で比較表を作成します。これにより、各サービスの特徴や強み・弱みを客観的に比較できます。この段階で、候補を2~3社に絞り込みます。
③ 無料トライアルやデモで操作性を確認
最終候補となるサービスが決まったら、必ず実際の画面を触って操作性を確認します。カタログスペックだけでは分からない「使いやすさ」を体感する、非常に重要なステップです。
- 無料トライアルの活用: 多くのATSでは、1週間~1ヶ月程度の無料トライアル期間が設けられています。この期間を利用して、実際の業務を想定した操作(候補者の登録、選考ステータスの変更、メール送信など)を試してみます。
- デモの依頼: 無料トライアルがない場合や、より詳しく機能を知りたい場合は、ベンダーにオンラインデモを依頼します。自社の課題を伝え、その解決策としてどのようにシステムを活用できるかを具体的に示してもらいましょう。
- 関係者による評価: この評価は、採用担当者一人で行うのではなく、実際にシステムを利用する可能性のある面接官や上長にも参加してもらうことが望ましいです。複数の視点から「直感的か」「分かりやすいか」を評価することで、導入後の定着がスムーズになります。
④ 導入決定と社内への展開・周知
操作性や機能、コストなどを総合的に判断し、導入するサービスを最終決定します。しかし、契約して終わりではありません。ここからが社内に定着させるための本番です。
- 導入キックオフ: なぜこのシステムを導入するのか、導入によって何を目指すのか、という目的を関係者全員に改めて共有する場を設けます。トップダウンで導入の重要性を伝えることが、協力を得る上で効果的です。
- 運用ルールの策定: 「誰が」「いつ」「何を」入力・更新するのか、といった具体的な運用ルールを決め、マニュアルとしてドキュメント化します。
- 研修会の実施: 全利用者を対象とした操作研修会を実施します。ベンダーが提供する導入支援プログラムを活用するのも良い方法です。
- スモールスタート: 最初から全部門・全機能を使おうとせず、まずは特定の部門や特定の採用案件から試験的に導入する「スモールスタート」も有効です。成功体験を積み重ねながら、徐々に対象範囲を広げていくことで、現場の混乱を最小限に抑えられます。
これらのステップを丁寧に踏むことで、ATSの導入効果を最大化し、採用活動の変革を成功に導くことができます。
採用管理システムに関するよくある質問(FAQ)
ここでは、採用管理システム(ATS)の導入を検討する際によく寄せられる質問とその回答をまとめました。
採用管理システムと求人媒体の違いは何ですか?
この二つは採用活動において連携するものの、その役割は明確に異なります。
- 求人媒体(転職サイトなど): 主な役割は「母集団形成」です。自社の求人情報を掲載し、潜在的な候補者に広くアピールして、応募者を集めるためのツールです。例えるなら、「集客」を担当する部分です。
- 採用管理システム(ATS): 主な役割は「集まった応募者の管理と選考プロセスの効率化」です。求人媒体など様々なチャネルから集まった応募者の情報を一元管理し、選考の進捗管理、日程調整、コミュニケーションなどを円滑に行うためのツールです。例えるなら、「顧客管理と営業活動支援」を担当する部分です。
多くのATSは複数の求人媒体と連携しており、求人媒体からの応募者を自動でATSに取り込むことができます。このように、両者は補完関係にあり、組み合わせて使うことで採用活動全体が最適化されます。
採用管理システムとHRMやタレントマネジメントシステムとの違いは何ですか?
これらは全て人事業務を支援するHRテックツールですが、カバーする領域が異なります。
- 採用管理システム(ATS): 「入社前」の候補者を対象とし、募集から採用決定までのプロセスに特化したシステムです。
- HRM(Human Resource Management)システム: 「入社後」の従業員を対象とし、労務管理、給与計算、勤怠管理、人事評価など、人事部門の定型的な管理業務全般をカバーするシステムです。
- タレントマネジメントシステム: HRMと同様に「入社後」の従業員が対象ですが、特に従業員のスキル、経歴、評価などを可視化し、戦略的な人材配置、育成、後継者計画などに活用することを目的としたシステムです。
最近では、ATSの機能を持つタレントマネジメントシステムや、採用から入社後の管理までを一気通貫でカバーする統合型HRプラットフォームも増えてきています。自社がどの領域の課題を解決したいのかによって、選ぶべきシステムは変わってきます。
Excelでの採用管理ではダメなのでしょうか?
小規模な採用であれば、Excelでもある程度の管理は可能です。しかし、応募者数が増えたり、関わるメンバーが増えたりすると、以下のような限界が見えてきます。
- 属人性: 特定の担当者しか更新できず、ファイルがブラックボックス化しやすい。
- 非効率性: 情報の転記や手動更新に多くの時間がかかる。日程調整やメール送信は別途行う必要がある。
- リアルタイム性の欠如: 複数人での同時編集が難しく、情報が古くなりがち。誰かがファイルを開いていると他の人が編集できない。
- データ活用の困難さ: データの蓄積や分析が難しく、採用活動の改善につなげにくい。
- セキュリティリスク: ファイルの紛失や誤送信による個人情報漏洩のリスクが高い。
これらのExcel管理の限界点を、ATSは体系的に解決します。採用活動を「場当たり的な作業」から「戦略的な業務」へと昇華させたいのであれば、ATSへの移行を検討する価値は十分にあります。
無料で使える採用管理システムはありますか?
はい、あります。 本記事でも紹介した「engage」や「Talentio(無料プラン)」、「Zoho Recruit(無料プラン)」などが代表的です。
これらの無料ATSは、以下のような場合に非常に有効です。
- とにかくコストをかけずに始めたい
- 採用人数が年間数名程度と少ない
- まずはATSがどのようなものか試してみたい
ただし、無料プランには機能制限(例:求人媒体連携ができない)、登録できる候補者数の上限、サポート体制の制約などがあるのが一般的です。企業の成長に伴い採用規模が拡大した際には、機能不足を感じる可能性があります。その際は、有料プランへのアップグレードや、より高機能なATSへの乗り換えを検討することになります。無料ATSは、あくまでExcel管理から脱却するための第一歩と捉えるのが良いでしょう。
まとめ:自社に最適な採用管理システムで採用活動を成功させよう
本記事では、採用管理システム(ATS)の基本から、機能、メリット・デメリット、そして失敗しない選び方、おすすめの35サービスまで、幅広く解説してきました。
採用競争が激化し、採用手法が多様化する現代において、ATSはもはや単なる業務効率化ツールではありません。煩雑な事務作業から採用担当者を解放し、候補者一人ひとりとのコミュニケーションや戦略立案といった本質的な業務に集中させることで、採用の「質」そのものを向上させる戦略的ツールです。
データに基づいた客観的な意思決定を可能にし、候補者体験を高めることで、企業の採用力を根底から強化します。
しかし、どんなに優れたシステムでも、自社の課題や目的に合っていなければその価値を発揮できません。重要なのは、流行りや機能の多さに惑わされることなく、「自社の採用課題は何か」「ATSで何を成し遂げたいのか」という原点に立ち返り、最適なパートナーを選ぶことです。
この記事で紹介した9つの選定ポイントを参考に、まずは自社の現状を整理し、いくつかのサービスを比較検討してみてください。そして、無料トライアルやデモを積極的に活用し、実際の操作感を確かめることをお勧めします。
自社に最適な採用管理システムを導入し、戦略的な採用活動を推進することで、企業の未来を担う優秀な人材の獲得を成功させましょう。