Webサイトからの集客や売上向上を目指す上で、SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)対策は今や欠かせないマーケティング手法の一つです。しかし、専門業者に依頼しようと考えたとき、多くの担当者が頭を悩ませるのが「費用」の問題ではないでしょうか。
「SEO対策の費用相場は一体いくらなのか?」「料金体系が複雑で、どの会社に頼めば良いのかわからない」「高額な費用を払って本当に効果があるのか不安だ」といった声は後を絶ちません。
SEO対策の費用は、依頼する会社の料金体系、対策するキーワードの難易度、サイトの規模、施策の範囲など、様々な要因によって大きく変動します。そのため、一概に「いくら」と言い切ることは難しいのが実情です。
この記事では、SEO対策にかかる費用の全体像を掴んでいただくために、料金体系別の費用相場から、施策内容ごとの具体的な価格感、費用が決まる要因、そして失敗しない業者選びのポイントまで、網羅的かつ分かりやすく解説します。
この記事を最後まで読めば、自社の目的と予算に合った最適なSEO対策の進め方が明確になり、自信を持って業者選定に臨めるようになるでしょう。
目次
SEO対策の費用相場は月額10万円からが目安
まず結論からお伝えすると、SEO対策を専門業者に外注する場合の費用相場は、月額10万円からが一つの目安となります。もちろん、これはあくまで一般的なスタートラインであり、実際には依頼する内容や企業の規模によって大きく異なります。
企業の規模 | 月額費用の目安 | 主な依頼内容のイメージ |
---|---|---|
中小企業・個人事業主 | 10万円~50万円 | キーワード調査、競合分析、基本的な内部対策、コンテンツ数本の制作、月次レポートなど |
中堅企業 | 30万円~100万円 | 包括的なSEO戦略立案、コンテンツSEOの本格運用、テクニカルSEO改善、月次定例会など |
大企業・大規模サイト | 50万円~数百万円以上 | 大規模サイトのSEOコンサルティング、複数メディアの統括、専門チームによる伴走支援、高度な分析と改善提案など |
なぜ、これだけの費用がかかるのでしょうか。その内訳は、主に専門家の人件費、高機能な分析ツールの利用料、そして施策の実行にかかる工数で構成されています。
SEO対策は、単に記事を書いて公開すれば終わりという単純な作業ではありません。成果を出すためには、以下のような多岐にわたる専門的なプロセスが必要です。
- 現状分析・課題抽出: サイトの現状をアクセス解析ツールやSEOツールで詳細に分析し、どこに問題があるのかを特定します。
- 競合調査: 上位表示されている競合サイトがどのような戦略を取り、どのようなコンテンツを持っているかを徹底的に調査します。
- 戦略立案・キーワード選定: 分析結果を基に、どのようなユーザーをターゲットにし、どのキーワードで上位表示を目指すか、具体的な戦略を策定します。
- 施策実行:
- コンテンツ制作: 戦略に基づき、ユーザーの検索意図を満たす質の高い記事やページを作成します。
- 内部対策: 検索エンジンがサイトの情報を正しく認識できるよう、サイトの構造やソースコードを最適化します。
- 外部対策: 外部のサイトから質の高いリンク(被リンク)を獲得するための施策を実施します。
- 効果測定・レポーティング: 実施した施策の効果を定期的に測定し、順位変動や流入数の変化を分析。その結果をレポートにまとめ、改善策を提案します。
これらの工程には、それぞれ高度な専門知識と経験、そして多大な時間が必要です。特に、経験豊富なSEOコンサルタントやコンテンツマーケターの人件費は、決して安くはありません。また、競合分析や順位計測に用いる「Ahrefs」や「Semrush」といった専門ツールは、月額数万円から十数万円の利用料がかかります。
SEO対策にかかる費用は、単なる「コスト」ではなく、将来的に大きなリターンを生むための「投資」と捉えることが重要です。広告とは異なり、一度上位表示を達成すれば、継続的に安定した集客が見込めるため、中長期的には非常に費用対効果の高い施策となり得ます。
安さだけを追求して質の低い業者に依頼してしまうと、全く効果が出ないどころか、Googleからペナルティを受けて検索順位が大幅に下落し、回復に多大な時間と費用を要するケースすらあります。
したがって、まずは「月額10万円から」という相場感を念頭に置きつつ、自社の目的や課題に応じて、どのような料金体系で、どのような施策を依頼すべきかを具体的に検討していくことが、SEO対策を成功させるための第一歩と言えるでしょう。
SEO対策の主な料金体系3つと費用相場
SEO対策の費用は、業者との契約形態、つまり「料金体系」によって大きく変わります。主な料金体系は「月額固定型」「成果報酬型」「一括支払い型(プロジェクト型)」の3つです。それぞれの特徴、メリット・デメリットを理解し、自社に最適なプランを選ぶことが大切です。
料金体系 | 費用相場 | メリット | デメリット | こんな企業におすすめ |
---|---|---|---|---|
月額固定型 | 10万円~100万円以上/月 | 予算管理が容易。長期的・安定的な施策が可能。幅広い施策に対応。 | 成果の有無に関わらず費用が発生。 | 長期的にサイトを育てたい。複数の施策を並行したい。 |
成果報酬型 | 1.5万円~数十万円/月(1キーワードあたり)+ 初期費用 | 成果が出なければ費用が発生しない(リスクが低いように見える)。 | 対策キーワードが限定的。順位変動で費用が不安定。悪質な手法のリスク。成果の定義でトラブルも。 | 特定キーワードで短期的な成果が欲しい。予算が極めて限定的。(※デメリットを十分に理解する必要あり) |
一括支払い型 | 30万円~数百万円/プロジェクト | 必要な施策のみをスポットで依頼可能。契約期間の縛りがない。 | 施策完了後のサポートは別料金。継続的な改善には不向き。 | サイトリニューアル。新規サイト構築。特定の課題解決(ペナルティ解除など)。 |
① 月額固定型
月額固定型は、現在最も主流となっている料金体系で、毎月決まった額を支払うことで、契約内容に基づいたSEO施策を継続的に実施してもらうプランです。
- 費用相場: 月額10万円~100万円以上
- 小規模(コンテンツ制作支援、基本的な内部対策など): 10万円~30万円
- 中規模(SEOコンサルティング、コンテンツSEOの本格運用など): 30万円~70万円
- 大規模(包括的な戦略立案、大規模サイトの技術的改善など): 70万円~数百万円
- メリット:
- 予算の見通しが立てやすい: 毎月の支払額が一定なため、年間予算の計画や管理が非常にしやすいです。
- 長期的・安定的な施策が可能: SEOは短期で成果が出るものではありません。月額固定型は、腰を据えてサイト全体の価値を継続的に高めていく施策に適しています。コンテンツの蓄積や内部構造の改善など、資産となる施策を着実に進められます。
- 幅広い施策に対応: コンテンツ制作、内部対策、外部対策、効果測定と改善提案など、契約内容に応じて多角的なアプローチが可能です。
- デメリット:
- 成果が出なくても費用が発生する: 最も大きなデメリットは、たとえ検索順位が上がらなかったり、アクセスが増えなかったりした場合でも、契約期間中は費用を支払い続ける必要がある点です。そのため、信頼できる業者を慎重に選ぶ必要があります。
- どんな企業におすすめ?:
- オウンドメディアを運営し、長期的な視点でWebサイトを資産として育てていきたい企業。
- コンテンツSEOや内部対策など、複数の施策を組み合わせてサイト全体の評価を高めたい企業。
- 安定した予算計画のもとで、継続的にSEOに取り組みたい企業。
② 成果報酬型
成果報酬型は、あらかじめ定めたキーワードで検索順位が目標(例:10位以内)を達成した場合にのみ、費用が発生する料金体系です。
- 費用相場: 1キーワードあたり月額1.5万円~数十万円
- 別途、初期費用として5万円~10万円程度がかかる場合が多いです。
- キーワードの難易度(検索ボリュームや競合の強さ)によって単価は大きく変動します。例えば、ロングテールキーワードなら数万円、ビッグキーワードなら数十万円になることもあります。
- メリット:
- 成果が出なければ費用がかからない: 依頼主にとっては、成果が見えないうちから費用を払うリスクがないため、一見すると非常に魅力的に映ります。
- デメリット:
- 対策キーワードが限定される: 業者側も成果を出しやすいキーワードに絞りたがるため、本当にビジネスに繋がる重要なキーワードを対策してもらえない可能性があります。
- 順位変動により費用が不安定: 検索順位は日々変動します。目標を達成したりしなかったりを繰り返すと、月々の支払額が安定せず、予算管理が難しくなります。
- ペナルティのリスク: 短期的に順位を上げようとするあまり、業者側がGoogleのガイドラインに違反するような強引な手法(低品質な被リンクの大量設置など)を用いるリスクがあります。これは「ブラックハットSEO」と呼ばれ、発覚するとサイトがペナルティを受け、検索結果から除外される可能性もある危険な行為です。
- 成果の定義が曖昧: 「10位以内」の定義が業者によって異なる場合があります(例:1日のうち一瞬でも入れば達成とするのか、月間平均で達成とするのか)。この認識のズレが、後々のトラブルに発展するケースも少なくありません。
- サイト全体の成長に繋がりにくい: 特定のキーワードの順位を上げることだけが目的となり、サイト全体の構成改善や、ユーザーにとって本当に価値のあるコンテンツ作りといった、本質的なSEO対策がおろそかになりがちです。
- どんな企業におすすめ?:
- ごく一部の例外を除き、基本的にはあまり推奨されない料金体系です。もし検討する場合は、上記のデメリットをすべて理解し、契約内容を隅々まで確認した上で、信頼できる業者を慎重に選ぶ必要があります。
③ 一括支払い型(プロジェクト型)
一括支払い型は、月額契約ではなく、特定のプロジェクトや作業単位で契約し、一括で費用を支払う形態です。サイト診断や内部対策の改善、サイトリニューアル時のSEO設計などで利用されることが多いです。
- 費用相場: 30万円~数百万円
- サイト診断・改善提案レポート作成: 10万円~50万円
- 内部SEO対策一式(中規模サイト): 50万円~150万円
- サイトリニューアル時のSEOコンサルティング: 100万円~
- メリット:
- 必要な施策だけを依頼できる: 「サイトの表示速度を改善したい」「新規サイトの立ち上げにあたり、SEOに強いサイト構造を設計してほしい」といった、特定のニーズに対してピンポイントで専門家の力を借りることができます。
- 契約期間の縛りがない: プロジェクトが完了すれば契約も終了するため、月額契約のような長期的な縛りがありません。
- デメリット**:
- 継続的なサポートは別料金: 施策の実行が完了した後の効果測定や、アルゴリズムの変動に合わせた継続的なメンテナンスは、基本的に料金に含まれません。追加で依頼する場合は、別途費用が発生します。
- 根本的な解決にならない場合も: 例えば、サイト構造に問題があって一括で修正しても、その後のコンテンツの質が低ければ、継続的な成果には繋がりません。
- どんな企業におすすめ?:
- Webサイトの新規構築や大規模リニューアルを控えている企業。
- サイトの表示速度が遅い、インデックスに問題があるなど、特定の技術的な課題を解決したい企業。
- 自社にSEOの知見がある程度あり、特定の専門的な部分だけを補強したい企業。
【施策内容別】SEO対策の費用相場
SEO対策と一口に言っても、その施策内容は多岐にわたります。ここでは、代表的な4つの施策「SEOコンサルティング」「コンテンツSEO」「内部SEO対策」「外部SEO対策」について、それぞれの内容と費用相場を詳しく見ていきましょう。依頼する施策の範囲によって、総額が大きく変わることを理解できます。
施策内容 | 費用相場 | 主な作業内容 |
---|---|---|
SEOコンサルティング | 月額10万円~50万円 | 戦略立案、課題分析、競合調査、キーワード選定、進捗管理、レポーティング |
コンテンツSEO | 記事単価:5万円~20万円以上 月額:20万円~100万円以上 |
キーワード選定、構成案作成、執筆、校正・編集、画像選定、入稿作業 |
内部SEO対策 | 一括:10万円~100万円以上 | サイト構造設計、表示速度改善、構造化データ実装、モバイル対応など |
外部SEO対策 | 月額5万円~30万円(コンサル費用に含む場合が多い) | 被リンク分析、獲得戦略立案、サイテーション獲得、PR連携など |
SEOコンサルティング
SEOコンサルティングは、SEO対策全体の羅針盤となる重要な役割を担います。専門のコンサルタントが、クライアントのビジネス目標達成に向けて、現状分析から戦略立案、施策の進捗管理、効果測定までを一貫してサポートします。
- 主な内容:
- ヒアリング・目標設定: ビジネスの課題や目標(KGI/KPI)をヒアリングし、SEOで達成すべきゴールを具体的に設定します。
- 現状分析・課題抽出: Googleアナリティクスやサーチコンソール、各種SEOツールを用いて、サイトのアクセス状況、技術的な問題点、コンテンツの課題などを洗い出します。
- 競合調査: 上位表示されている競合サイトの戦略、コンテンツ、被リンク状況などを詳細に分析します。
- キーワード戦略立案: 調査結果を基に、どのキーワードで上位を狙うべきか、キーワードの難易度や検索意図を考慮して戦略を立てます。
- 施策の提案・優先順位付け: 分析結果から導き出された課題に対し、具体的な改善施策(コンテンツ追加、内部改修など)を提案し、インパクトと工数を考慮して優先順位を決定します。
- 月次レポート・定例会: 施策の進捗状況や成果をまとめたレポートを提出し、定例会で報告・ディスカッションを行います。
- 費用相場: 月額10万円~50万円
コンサルティングの範囲や、担当するコンサルタントの経験・スキル、企業の規模によって費用は変動します。単なるレポート提出だけでなく、実行支援や担当者への教育まで含む場合は、費用が高くなる傾向があります。最も重要なのはコンサルタントの質であり、安易な価格比較は避けるべきです。
コンテンツSEO(記事作成)
コンテンツSEOは、ユーザーの検索意図に応える質の高いコンテンツ(主に記事)を作成・発信することで、検索エンジンからの流入を増やす手法です。現在のSEO対策において最も重要視される施策の一つです。
- 主な内容:
- 対策キーワードの選定: SEO戦略に基づき、記事ごとに狙うキーワードを決定します。
- 構成案の作成: 検索意図を深く分析し、ユーザーが求める情報を網羅した記事の骨子(見出し構成)を作成します。
- 執筆(ライティング): 構成案に沿って、専門性・網羅性・独自性の高い文章を執筆します。
- 校正・編集: 誤字脱字のチェックはもちろん、文章表現を整え、より分かりやすく読みやすい記事に仕上げます。
- 画像選定・作成: 内容の理解を助ける図やグラフ、写真などを用意します。
- 入稿作業: 完成した記事をCMS(WordPressなど)に入稿し、タイトルやディスクリプションを設定します。
- 費用相場:
- 記事単価型: 1記事あたり5万円~20万円以上。記事の専門性、文字数、取材の有無などによって大きく変動します。専門家や医師の監修が入る場合は、さらに高額になります。
- 月額固定型: 月額20万円~100万円以上。月間の作成記事本数(例:月4本で30万円など)で契約することが多いです。
コンテンツ制作において注意すべきは、安すぎる記事作成代行には手を出さないことです。1記事数千円といった格安サービスは、内容が薄く、独自性のない低品質な記事が納品されるケースがほとんどです。こうした記事はSEO効果がないばかりか、サイト全体の評価を下げる原因にもなりかねません。質の高いコンテンツは、それ相応の調査と執筆コストがかかることを理解しましょう。
内部SEO対策
内部SEO対策は、Webサイトの内部構造を検索エンジンが理解しやすいように最適化する施策です。サイトの土台を整え、コンテンツの内容を正しく評価してもらうために不可欠な作業です。
- 主な内容:
- クロール・インデックス最適化: 検索エンジンのロボットがサイト内を巡回(クロール)し、ページをデータベースに登録(インデックス)しやすくします。(例:XMLサイトマップの送信、robots.txtの最適化)
- サイト構造の設計: トピッククラスターモデルなどを用いて、論理的で分かりやすいサイト階層を設計します。
- テクニカルSEO:
- 表示速度の改善: 画像の圧縮や不要なコードの削除などを行い、ページの読み込み速度を高速化します。
- モバイルフレンドリー対応: スマートフォンでの閲覧・操作性を向上させます。
- 構造化データの実装: ページの情報を検索エンジンに分かりやすく伝えるためのマークアップを行います。
- URLの正規化: 重複コンテンツを防ぐため、評価を集めたいURLを一つに統一します。
- 適切なタイトルタグ、ディスクリプション、見出しタグの設定
- 費用相場: 一括支払いで10万円~100万円以上
サイトの規模や構築されているシステム、課題の根深さによって費用は大きく異なります。簡単な修正であれば数万円で済むこともありますが、大規模なサイト構造の変更やシステム改修が必要な場合は、数百万円に及ぶこともあります。月額固定のコンサルティング契約に、これらの作業が含まれている場合もあります。
外部SEO対策(被リンク獲得)
外部SEO対策とは、主に他のWebサイトから自社サイトへのリンク(被リンク)を獲得するための施策です。質の高いサイトからの被リンクは、検索エンジンからの評価を高める上で依然として重要な要素です。
- 主な内容:
- 被リンクプロファイルの分析: 現在どのようなサイトからリンクされているかを分析し、質の低いスパムリンクがないか確認します。
- 被リンク獲得戦略の立案: 競合サイトの被リンクを調査し、どのようなコンテンツがリンクを集めやすいかを分析。自社が獲得すべきリンクの戦略を立てます。
- 良質なコンテンツの発信: 独自調査のデータや、専門性の高い解説記事など、他者が「参照・引用したい」と思えるような価値あるコンテンツを作成し、自然な被リンク獲得を目指します。
- サイテーション獲得: 関連性の高い業界メディアやポータルサイトに、自社の情報(社名、サイトURL、住所など)を掲載してもらう働きかけを行います。
- 費用相場: 月額5万円~30万円程度
外部対策単体で依頼するケースは少なく、多くはSEOコンサルティング費用に含まれています。 - 注意点:
Googleのガイドラインに違反するリンクの購入や、低品質なサイトからの自作自演のリンク(リンクファーム)は、絶対に避けなければなりません。これらはペナルティの対象となり、一度失った信頼を回復するのは非常に困難です。現代の外部SEO対策は、あくまで「良質なコンテンツを作った結果として、自然にリンクが集まる」ことを目指すのが本質です。
SEO対策の費用が決まる主な要因
これまで見てきたように、SEO対策の費用は料金体系や施策内容によって異なります。では、同じ「月額固定型」や「コンテンツSEO」を依頼した場合でも、なぜ企業によって見積もり金額に差が出るのでしょうか。ここでは、費用を左右する4つの主要な要因について解説します。
対策キーワードの難易度
SEO対策の費用を決定づける最も大きな要因の一つが、上位表示を目指すキーワードの「難易度」です。
- ビッグキーワード(例:「クレジットカード」「保険」「転職」):
- 特徴: 検索ボリュームが非常に大きく、多くのユーザーが検索する単一または二語のキーワードです。
- 難易度: 非常に高い。金融機関、大手ポータルサイト、公的機関など、資金力とブランド力のある強大な競合がひしめき合っています。上位表示には、膨大な時間と労力、そして大規模な投資が必要です。
- 費用: 高額になります。月額100万円以上のコンサルティング契約や、大規模なコンテンツ投資が必要となるケースも珍しくありません。
- ミドルキーワード(例:「クレジットカード 学生向け」「保険 30代 独身」):
- 特徴: ビッグキーワードに、もう一語加えてユーザーの意図を絞り込んだキーワードです。
- 難易度: 中程度から高い。ビッグキーワードほどではないものの、多くの企業が狙う領域であり、競争は激しいです。
- 費用: 中程度。月額30万円~70万円程度のプランで対策することが多い領域です。
- ロングテールキーワード(例:「クレジットカード 学生向け 年会費無料 海外旅行保険」):
- 特徴: 3語以上の組み合わせで、ユーザーの具体的な悩みや目的が反映されたキーワードです。
- 難易度: 低い。検索ボリュームは小さいですが、競合が少なく、上位表示を狙いやすいです。また、検索意図が明確なため、コンバージョンに繋がりやすいという大きなメリットがあります。
- 費用: 比較的安価。コンテンツSEOで集中的に対策することが多く、記事単位での発注や、月額20万円~40万円程度のプランで対応可能な場合が多いです。
重要なのは、自社のビジネスモデルやサイトの現状に合わせて、適切な難易度のキーワード戦略を立てることです。いきなりビッグキーワードを狙うのは無謀な場合が多く、まずはコンバージョンに近いロングテールキーワードで着実に成果を積み上げ、サイト全体の評価を高めてからミドル、ビッグへと挑戦していくのが王道のアプローチです。
サイトの規模や現状
依頼するWebサイトの規模や、現在の状態も費用に大きく影響します。
- サイトの規模(ページ数):
- ページ数が数十程度の小規模サイトと、数万ページを超える大規模サイトでは、分析や改修にかかる工数が全く異なります。大規模サイトほど、内部構造の調査や技術的な修正点の洗い出しに時間がかかるため、費用は高くなります。
- サイトのドメインパワー:
- 開設から長年運営され、多くの被リンクを獲得している権威性の高いサイト(ドメインパワーが強いサイト)は、新規コンテンツを追加した際の順位上昇も早いため、比較的少ない労力で成果が出やすいです。一方、開設したばかりの新規サイトは、ゼロから信頼を積み上げる必要があり、成果が出るまでに時間がかかるため、長期的な契約と投資が必要になります。
- サイトの現状:
- 技術的な負債: 過去の不適切な改修によりサイト構造が複雑化していたり、表示速度が極端に遅かったり、モバイル対応がされていなかったりする場合、それらを解消するための初期費用が高くなります。
- ペナルティの有無: 過去にブラックハットSEOを行ったことでGoogleから手動ペナルティを受けている場合、その解除作業から始める必要があります。これは非常に専門的な知識を要するため、高額なスポット費用がかかることがあります。
- コンテンツの質: すでに質の高いコンテンツがある程度存在するサイトと、低品質なコンテンツばかりのサイトでは、前者の方がテコ入れが容易なため、費用を抑えられる可能性があります。
SEO対策を依頼する際は、まず専門家による詳細なサイト診断を受け、自社サイトの現状を正確に把握することが、適正な費用を見積もる上で不可欠です。
依頼する施策の範囲
当然のことながら、業者に依頼する業務範囲が広ければ広いほど、費用は高くなります。
- コンサルティングのみ: 戦略立案や分析、改善提案だけを依頼し、コンテンツ作成や修正作業は自社で行う場合。費用は比較的抑えられますが、社内に実行できるリソースが必要です。
- コンサルティング+コンテンツ制作: SEO戦略に基づいた記事作成までをまとめて依頼する場合。最も一般的な形態の一つで、月額30万円以上になることが多いです。
- フルサポート: 戦略立案、コンテンツ制作、内部対策の実行、外部対策、レポーティング、定例会など、SEOに関わる全ての業務を丸ごと依頼する場合。企業のWebマーケティング部門のように機能するため、費用は高額(月額50万円~)になりますが、自社のリソースを大幅に削減できます。
どこまでを自社で行い(内製化)、どこからを専門家に任せる(外注)のか。自社のリソース状況、社員のスキル、そして予算を総合的に判断し、最適な依頼範囲を決定することが重要です。
人件費やツール代などの諸経費
SEO対策費用の大部分は、専門家の人件費と高機能なツールの利用料で占められています。
- 人件費:
- SEO対策は労働集約型のサービスです。一人のコンサルタントが何社のクライアントを担当するか、どのような専門家(アナリスト、コンテンツライター、エンジニアなど)がチームを組むかによって、人件費は変動します。経験豊富で優秀な人材を確保している会社ほど、人件費は高くなりますが、その分、質の高いサービスが期待できます。
- ツール代:
- プロのSEO会社は、精度の高い分析や効率的な作業のために、様々な有料ツールを活用しています。
- 分析ツール: Ahrefs, Semrush(競合分析、被リンク調査)
- 順位計測ツール: GRC, Nobilista
- ヒートマップツール: Clarity, ミエルカヒートマップ(ユーザー行動分析)
- これらのツールは月額数万円から数十万円するものもあり、その利用料がコンサルティング費用などに含まれています。
- プロのSEO会社は、精度の高い分析や効率的な作業のために、様々な有料ツールを活用しています。
一見すると高く感じる費用も、その背景には優秀な人材の確保や、成果を出すために不可欠なツールへの投資があることを理解しておくと、料金の妥当性を判断しやすくなるでしょう。
SEO対策を外注するメリット・デメリット
SEO対策の費用感を掴んだところで、次に考えるべきは「本当に外注すべきか?」という点です。自社で取り組む(内製化)選択肢もあります。ここでは、SEO対策を専門業者に外注するメリットとデメリットを整理し、判断の材料を提供します。
SEO対策を外注するメリット
① 最新の専門知識で対策できる
SEOの世界は、Googleのアルゴリズムアップデートによって常に変化しています。昨日まで有効だった手法が、今日には通用しなくなることも珍しくありません。
専門のSEO会社は、これらの最新情報を常にキャッチアップし、日々変化する検索エンジンの動向に対応した最適な施策を熟知しています。コアアップデートの内容、新しいガイドラインの発表、検索結果画面の仕様変更など、膨大な情報を分析し、対策に反映させるノウハウを持っています。
自社の担当者が片手間でこれらの情報を追い続けるのは非常に困難です。専門家に任せることで、常に最先端かつ効果的なSEO対策を実施できるのが最大のメリットです。
② 自社のリソースをコア業務に集中できる
SEO対策は非常に時間と手間のかかる業務です。キーワード調査、競合分析、コンテンツ作成、内部修正、効果測定といった一連の作業を内製化しようとすると、担当者は多くの時間を費やすことになります。
専門業者にSEO対策を外注することで、自社の社員を本来注力すべきコア業務(商品開発、営業、顧客サポートなど)に集中させることができます。これにより、会社全体の生産性を向上させることが可能です。特に、マーケティング専門の部署がない中小企業にとっては、このメリットは非常に大きいと言えるでしょう。
③ 効果が出るまでの時間を短縮できる
SEO対策を自社でゼロから始めようとすると、まず何から手をつければ良いのか分からず、試行錯誤を繰り返すことになります。多くの時間を費やしたにもかかわらず、方向性が間違っていて全く成果が出ない、というケースも少なくありません。
経験豊富な専門家は、これまでの知見を基に、サイトの課題を的確に発見し、効果的な施策を優先順位を付けて実行してくれます。自社では気づけなかったような技術的な問題点や、新たなコンテンツの切り口を客観的な視点から指摘してくれることもあります。これにより、手探りで進めるよりも早く、そして着実に成果へと繋がる可能性が高まります。
SEO対策を外注するデメリット
① 費用が発生する
当然ながら、外注には費用がかかります。前述の通り、月額数十万円単位の継続的なコストが発生するため、相応の予算確保が必要です。特に、すぐに売上に繋がるとは限らないSEO対策に対して、先行投資をすることに躊躇する企業も多いでしょう。
しかし、優秀な人材を自社で雇用・育成するコスト(給与、社会保険料、教育費など)と比較すれば、専門家チームの知見を月額数十万円で活用できる外注は、結果的にコストパフォーマンスが高いと考えることもできます。
② 社内にノウハウが蓄積されにくい
外注の最も注意すべきデメリットが、業者に業務を「丸投げ」してしまうことで、社内にSEOに関する知識や経験が全く蓄積されないリスクです。
もし契約が終了してしまった場合、自社には何も残らず、再びゼロからスタートしなければならなくなります。これでは、いつまで経っても業者に依存し続けることになってしまいます。
このデメリットを回避するためには、業者を単なる「作業代行者」ではなく、「パートナー」として捉え、積極的に関わっていく姿勢が不可欠です。
- 定例会に主体的に参加し、施策の意図や分析結果について質問する。
- 提出されたレポートを読み込み、自社のビジネス視点でのフィードバックを行う。
- 業者と連携しながら、簡単なコンテンツ更新などは自社で行う体制を築く。
このように、意識的にノウハウを吸収し、社内に知見を蓄積していくことで、外注のメリットを最大化することができます。業者を選ぶ際にも、ノウハウの共有や教育に積極的な会社を選ぶことが重要なポイントになります。
SEO対策の依頼先となる業者の種類
SEO対策を依頼できる業者は、その成り立ちや得意分野によっていくつかの種類に分けられます。それぞれの特徴を理解し、自社の目的や課題に最もマッチするタイプの業者を選ぶことが成功への近道です。
業者の種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
SEOコンサルティング特化型 | 戦略立案や分析がメイン業務。実行は自社または別会社。 | 高い専門性と客観的な視点。戦略の上流工程に強い。 | 実行リソースが別途必要になる。 |
コンテンツ制作特化型 | コンテンツSEOに強み。記事作成がメイン。 | 高品質な記事の安定供給。メディア運営ノウハウが豊富。 | 技術的なSEOや戦略部分が手薄な場合がある。 |
Web制作会社 | サイト制作とセットでSEOを請け負う。内部対策に強い傾向。 | 制作からSEOまでワンストップ。技術的な実装がスムーズ。 | コンテンツ制作や継続的な運用が不得意な場合がある。 |
フリーランス | 個人で活動する専門家。特定分野に特化。 | 費用が比較的安価。小回りが利き、柔軟な対応が期待できる。 | 対応範囲やリソースに限りがある。スキルや信頼性の見極めが難しい。 |
SEOコンサルティング特化型
戦略の立案や分析、改善提案といった「上流工程」を専門とする業者です。多くの場合、コンテンツ制作やサイト改修といった実作業は行わず、クライアント自身が実行するか、別途制作会社などに依頼する形になります。
- メリット:
- 高い専門性と客観性: SEO戦略のプロフェッショナル集団であり、データに基づいた論理的で客観的な分析・提案が期待できます。
- 特定のベンダーに依存しない: 制作機能を持たないため、クライアントにとって最適なツールや制作会社をフラットな立場で推薦してくれることがあります。
- デメリット:
- 実行リソースが別途必要: 提案された施策を実行するためのリソース(ライター、エンジニアなど)が社内にない場合、別途外注先を探す手間とコストがかかります。
- おすすめの企業:
- 社内にWeb担当者や制作チームがおり、専門家の「頭脳」を借りて方向性を定めたい企業。
- 大規模サイトの複雑な課題を解決するための高度な戦略を求める企業。
コンテンツ制作特化型
コンテンツSEOに強みを持ち、オウンドメディアの記事作成や運用代行を主軸とする業者です。編集プロダクションやWebメディア運営会社から発展したケースが多く見られます。
- メリット:
- 高品質なコンテンツ: 専門分野のライターや経験豊富な編集者を多数抱えており、質の高い記事を安定的に制作できる体制が整っています。
- メディア運営ノウハウ: 読まれる記事の作り方や、SNSでの拡散方法など、メディアを成長させるためのノウハウが豊富です。
- デメリット:
- 技術的なSEOへの対応力: 内部対策やサーバー関連など、テクニカルな分野の知見が十分でない場合があります。
- おすすめの企業:
- オウンドメディアを立ち上げたい、または既存メディアのコンテンツ品質を向上させたい企業。
- SEOの戦略はある程度固まっており、実行部隊としてのコンテンツ制作パートナーを探している企業。
Web制作会社
Webサイトの新規構築やリニューアルを本業としながら、その一環としてSEO対策サービスを提供している会社です。
- メリット:
- ワンストップ対応: サイトのデザインから構築、公開後のSEO対策までを一貫して依頼できるため、コミュニケーションがスムーズです。
- 内部対策に強い: サイト構造やコーディングの知識が豊富であるため、技術的な内部SEO対策を得意とする傾向があります。
- デメリット:
- 継続的なSEO運用が不得意な場合も: サイトを「作ること」が主業務であるため、公開後の継続的なコンテンツ制作や効果測定、改善提案といった運用フェーズの経験が少ない会社もあります。
- おすすめの企業:
- これからWebサイトを新規で立ち上げる、またはリニューアルを予定している企業。
- デザインやシステムと連携したSEO設計を重視したい企業。
フリーランス
組織に属さず、個人でSEOコンサルティングやコンテンツ制作を請け負っている専門家です。
- メリット:
- 費用: 会社に比べて固定費が少ないため、比較的安価な料金で依頼できることが多いです。
- 柔軟な対応: 組織のルールに縛られず、クライアントの要望に柔軟に対応してくれる可能性があります。コミュニケーションも密になりやすいです。
- デメリット:
- リソースの限界: 個人で活動しているため、対応できる業務量や範囲に限りがあります。大規模なプロジェクトや、短納期での大量のコンテンツ制作などには対応できない場合があります。
- スキルと信頼性の見極めが難しい: スキルレベルはまさにピンキリです。実績や評判を慎重に確認しないと、期待した成果が得られないリスクがあります。また、病気や事故などで急に対応できなくなるリスクも考慮する必要があります。
- おすすめの企業:
- 予算が限られており、特定の業務(例:ブログ記事の執筆のみ)をピンポイントで依頼したいスタートアップや個人事業主。
- 信頼できるフリーランスの専門家と既に関係性がある場合。
失敗しないSEO対策会社の選び方7つのポイント
数多くのSEO会社の中から、自社に最適なパートナーを見つけ出すのは簡単なことではありません。ここでは、契約後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、業者選定時にチェックすべき7つの重要なポイントを解説します。
① SEO対策の目的を明確にする
業者に相談する前に、まず自社が「何のためにSEO対策を行うのか」という目的を明確にすることが最も重要です。目的が曖昧なままでは、業者も的確な提案ができず、施策の評価もできません。
- 例:
- 売上向上: ECサイトの特定商品の売上を前年比120%にする。
- リード獲得: BtoBサービスの資料請求数を月間50件獲得する。
- ブランディング: 業界内での専門家としての認知度を高め、指名検索数を増やす。
- 採用強化: 採用サイトへの自然検索流入を増やし、応募者数を増やす。
このように、できるだけ具体的な数値目標(KGI/KPI)を設定しましょう。この目的が、業者を選び、提案を評価するための揺るぎない「軸」となります。
② 自社の課題に合った施策を提案してくれるか
良いSEO会社は、テンプレート通りの一般的な提案はしません。契約前のヒアリングに時間をかけ、あなたのビジネスモデルやターゲット顧客、そしてWebサイトの現状を深く理解しようと努めます。
その上で、「なぜその施策が必要なのか」「その施策によって、設定した目標にどう繋がるのか」を論理的に説明し、自社の課題に寄り添った具体的な提案をしてくれるかを見極めましょう。
もし、サイトをほとんど分析せずに「月5本の記事を書きましょう」といった提案が出てくるようであれば、注意が必要です。
③ 実績や得意分野を確認する
業者の公式サイトで公開されている実績を確認しましょう。その際、単に有名企業の実績があるというだけでなく、自社と同じ業界や、近いビジネスモデル、同程度のサイト規模での成功実績があるかをチェックすることが重要です。業界特有の事情やユーザー行動を理解している業者の方が、スムーズな連携が期待できます。
また、「コンテンツSEOに強い」「BtoBマーケティングが得意」「大規模サイトのテクニカルSEOが専門」など、その会社の得意分野が自社の課題と合っているかを確認しましょう。
注意点として、「検索順位1位を保証します」といった過剰な約束をする業者は絶対に避けるべきです。検索順位はGoogleのアルゴリズムによって決定されるため、誰も保証することはできません。このような売り文句は、顧客を欺こうとする不誠実な会社のサインである可能性が高いです。
④ 施策内容と料金の妥当性を確認する
提示された見積書が「SEO対策一式」といった曖昧なものではなく、「どの施策に」「どれくらいの工数がかかり」「いくらの費用が発生するのか」が明確に記載されているかを確認しましょう。
料金が相場と比べて極端に安い場合も注意が必要です。必要な工数をかけずに質の低い作業を行っていたり、経験の浅い担当者が割り当てられたりする可能性があります。
料金の妥当性を判断するために、2~3社から相見積もりを取り、提案内容と料金を比較検討することをおすすめします。
⑤ レポートの内容と頻度を確認する
SEO対策は継続的な改善活動です。そのため、定期的なレポーティングと、それに基づくコミュニケーションが非常に重要になります。
- レポートの頻度: 月に1回が一般的です。
- レポートの内容: 単なる順位やアクセス数の数字が羅列されているだけでなく、「なぜその結果になったのか」という分析・考察や、「次月は何をすべきか」という具体的なアクションプランが含まれているかが極めて重要です。成果が出ていない場合でも、その原因を分析し、誠実に改善策を提示してくれる会社は信頼できます。
契約前に、実際のレポートのサンプルを見せてもらうと良いでしょう。
⑥ 担当者との相性を確認する
SEO対策は短くても半年、長ければ数年単位の長期的な付き合いになります。そのため、窓口となる担当者とのコミュニケーションが円滑に行えるかどうかは、プロジェクトの成否を左右するほど重要です。
- 専門用語をかみ砕いて、分かりやすく説明してくれるか。
- こちらの質問に対して、誠実かつ迅速に回答してくれるか。
- ビジネスへの理解度が高く、パートナーとして伴走してくれる姿勢があるか。
契約前の打ち合わせなどを通じて、担当者の人柄やスキル、コミュニケーションスタイルが自社と合うかを見極めましょう。
⑦ 契約期間や形態を確認する
契約内容の細部まで、事前にしっかりと確認しておくことがトラブル防止に繋がります。
- 契約期間: 最低契約期間はどのくらいか(通常は6ヶ月~1年が多いです)。
- 中途解約の条件: やむを得ず解約する場合の条件や違約金の有無。
- 契約範囲の明確化: 契約に含まれる業務と、含まれない業務(オプション料金となる業務)の線引きが明確になっているか。
これらのポイントを一つひとつ丁寧に確認することで、自社にとって最適なパートナーを選び、SEO対策を成功に導くことができるでしょう。
【厳選】おすすめのSEO対策会社7選
ここでは、数あるSEO対策会社の中でも、特に実績が豊富で信頼性の高い企業を7社厳選して紹介します。各社それぞれに強みや特徴があるため、自社の目的や課題と照らし合わせながら、相談先の候補として検討してみてください。
※以下の情報は各社公式サイトを基に作成していますが、サービス内容や料金は変更される可能性があるため、最新の情報は必ず公式サイトでご確認ください。
会社名 | 特徴 | 特にこんな企業におすすめ |
---|---|---|
株式会社ipe | 大規模サイトのSEOに強み。AI搭載の独自ツールを提供。ワンストップ支援。 | 大規模なオウンドメディアやECサイトを運営する企業。 |
株式会社PLAN-B | SEOツール「SEARCH WRITE」を自社開発。データドリブンな施策。 | データに基づいた戦略的なSEO運用をしたい企業。 |
ナイル株式会社 | Webコンサルティングの老舗。戦略の上流から実行まで幅広く対応。 | デジタルマーケティング全体の視点からSEOを捉えたい企業。 |
株式会社才流 | BtoBマーケティングに特化。メソッドの体系化と公開に積極的。 | BtoBビジネスで成果を出したい企業。 |
株式会社キーワードマーケティング | 広告運用代理店が母体。運用型広告とSEOの連携に強み。 | SEOと広告を連携させた統合的な集客戦略を考えている企業。 |
株式会社wevnal | SNSやチャットボット事業も展開。BtoC向けのマーケティングに強み。 | BtoC商材を扱っており、若年層向けマーケティングに関心がある企業。 |
株式会社LANY | SEOコンサルティングとメディア運用代行に特化。実力派として近年注目。 | コンサルティングと実行支援を密に連携させたい企業。 |
① 株式会社ipe
戦略的なSEOコンサルティングからコンテンツ制作、Webサイト制作までをワンストップで提供するSEOの専門企業です。特に数万~数百万ページに及ぶ大規模サイトのSEOコンサルティングで多くの実績を持ちます。AIを搭載した独自のSEO分析ツール「ipe एनालिटिक्स」を活用した、データに基づく精緻な分析と提案が強みです。
参照:株式会社ipe 公式サイト
② 株式会社PLAN-B
SEO事業を中核に、広告運用やインフルエンサーマーケティングなど、多角的なデジタルマーケティング支援を展開しています。自社開発のSEOツール「SEARCH WRITE」は多くの企業に導入されており、ツール提供で培ったノウハウをコンサルティングサービスにも活かしています。データに基づいた論理的な施策立案を得意としています。
参照:株式会社PLAN-B 公式サイト
③ ナイル株式会社
「ナイルのSEO相談室」という質の高いオウンドメディアでも知られる、Webコンサルティング業界の老舗企業です。DX(デジタルトランスフォーメーション)支援からデジタルマーケティング支援まで、事業課題の根本解決を目指すコンサルティングスタイルが特徴。SEOを単体の施策としてではなく、事業成長全体の文脈で捉えた戦略提案に定評があります。
参照:ナイル株式会社 公式サイト
④ 株式会社才流
「メソッドカンパニー」を標榜し、特にBtoBマーケティングの領域で高い専門性を発揮するコンサルティング会社です。顧客の成功事例から得られた知見を体系化し、ブログやセミナーで積極的に公開している点が特徴。SEOコンサルティングにおいても、商談獲得や売上向上といった事業成果に直結する、実践的な支援を行っています。
参照:株式会社才流 公式サイト
⑤ 株式会社キーワードマーケティング
リスティング広告をはじめとする運用型広告の代理店としてスタートしましたが、現在ではSEOコンサルティングやコンテンツマーケティング支援も高いレベルで提供しています。広告運用で培ったキーワード分析力やデータ解析力をSEOにも活かし、広告とSEOを連携させた相乗効果の高い集客戦略の立案を得意としています。
参照:株式会社キーワードマーケティング 公式サイト
⑥ 株式会社wevnal
チャットボットAI事業やSNSマーケティング事業で知られていますが、SEOコンサルティングサービスも提供しています。特に若年層をターゲットとしたBtoC向けのマーケティングに多くの知見を持ち、トレンドを捉えたコンテンツ企画やプロモーションを得意としています。
参照:株式会社wevnal 公式サイト
⑦ 株式会社LANY
比較的新しい会社ながら、SEO業界で実力派として急速に評価を高めている専門企業です。SEOコンサルティングとオウンドメディアの運用代行を主軸とし、クライアントと密に連携する伴走型の支援スタイルが特徴。YouTubeチャンネル「LANY SEOコンサル」での積極的な情報発信も行っており、その専門性の高さがうかがえます。
参照:株式会社LANY 公式サイト
SEO対策の費用を抑える3つのコツ
SEO対策は重要だと分かっていても、捻出できる予算には限りがあるのが実情です。ここでは、闇雲に値切るのではなく、賢く費用を抑えながら効果的なSEO対策を進めるための3つのコツを紹介します。
① 自社でできる作業は内製化する
SEO対策の業務を細分化し、専門知識がなくても対応可能な部分を自社で担当することで、外注費用を削減できます。
- コンテンツの執筆: 専門家が作成した構成案(骨子)に基づいて、記事の本文を執筆する作業です。自社の商品やサービスに関する専門知識は、社内の人間が最も持っているはずです。この知識を活かして執筆を担当することで、外注コストを抑えつつ、コンテンツの専門性(E-E-A-T)を高めることができます。
- 画像の選定・作成: 記事内で使用する簡単な図やイラスト、写真の選定などを自社で行います。
- CMSへの入稿作業: 完成したテキストや画像をWordPressなどのCMSに入力し、公開する作業です。
このように、戦略立案や構成案作成、効果測定といった専門性の高い部分はプロに任せ、実行可能な作業は自社で巻き取る「ハイブリッド型」の体制を築くことで、コストと品質のバランスを取ることができます。
② 小さな範囲から部分的に依頼する
いきなり「SEO対策一式」といった包括的な契約を結ぶのではなく、まずは緊急度や重要度の高い課題に絞って、小さな範囲から依頼する「スモールスタート」も有効な方法です。
- 例1:SEO診断と戦略立案だけを依頼する
まずは一括支払いでサイトの健康診断と、今後3ヶ月~半年間の具体的なアクションプランを提案してもらう。その提案内容を基に、自社でできることから着手する。 - 例2:特定の重要カテゴリのコンテンツ制作だけを依頼する
サイト全体ではなく、最も売上に繋がりやすい商品カテゴリやサービスに関連するページのコンテンツ制作だけを依頼し、その効果を見る。
この方法であれば、初期投資を抑えられますし、その業者の実力や相性を見極める「お試し期間」としても機能します。そこで良い結果が出れば、徐々に依頼範囲を広げていくという進め方が可能です。
③ 補助金や助成金を活用する
中小企業や小規模事業者を対象に、国や地方自治体が様々な補助金・助成金制度を用意しています。これらの制度の中には、Webサイトの制作や改修、マーケティングツールの導入など、間接的にSEO対策の費用に充当できるものがあります。
- IT導入補助金: 中小企業がITツール(ソフトウェア、サービス等)を導入する経費の一部を補助する制度。CMSの導入や、マーケティングオートメーションツール、SEO分析ツールなどが対象となる場合があります。
- 事業再構築補助金: 新市場進出、事業転換など、思い切った事業再構築に挑戦する企業を支援する補助金。新たなオンライン事業を立ち上げる際のWebサイト構築費用などが対象となる可能性があります。
- 小規模事業者持続化補助金: 小規模事業者が販路開拓などに取り組む経費の一部を補助する制度。Webサイトの作成や改良、ネット広告の出稿などが対象です。
これらの補助金制度は、公募期間や要件が頻繁に変わるため、常に最新の情報を中小企業庁や各自治体の公式サイトで確認することが重要です。活用できれば、費用負担を大幅に軽減できる可能性があります。
SEO対策の費用に関するよくある質問
最後に、SEO対策の費用に関して、多くの人が抱く疑問についてQ&A形式で回答します。
SEO対策の効果が出るまでどのくらいの期間がかかりますか?
一概には言えませんが、一般的に最低でも3ヶ月~6ヶ月、多くの場合で目に見える成果を実感するには1年程度の期間が必要とされています。
SEOは、広告のように費用をかければすぐに結果が出るものではありません。サイトの現状(ドメインの運用歴、コンテンツ量など)、対策キーワードの難易度、競合サイトの強さなど、様々な要因に左右されます。
新しいサイトであれば、Googleに認識され、評価されるまでに時間がかかります。すでに長年運営されているサイトでも、施策が検索エンジンの評価に反映されるまでにはタイムラグが生じます。
SEO対策は短距離走ではなくマラソンです。短期的な順位の変動に一喜一憂せず、長期的な視点で継続的に取り組むことが成功の鍵です。
SEO対策は個人や自社でもできますか?
はい、可能です。
現在では、Web上に質の高い情報が無料で公開されており、SEOに関する書籍も多数出版されています。Googleが公式に提供する「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」を読むだけでも、基本的な考え方は理解できます。
まずは、GoogleサーチコンソールやGoogleアナリティクスといった無料ツールを導入し、自社サイトの状況を把握することから始めてみるのが良いでしょう。
ただし、本格的に成果を出そうとすると、専門知識の習得、最新情報のキャッチアップ、ツールの活用、分析と改善のサイクルを回すための相応の時間と労力が必要になります。リソースが限られている場合や、より早く確実に成果を出したい場合には、専門家に依頼する方が結果的に費用対効果が高くなるケースも多いです。
成果報酬型の料金プランはおすすめですか?
基本的には、あまりおすすめできません。
「成果が出なければ費用がかからない」という点は魅力的ですが、多くのデメリットをはらんでいます。
- 業者側が成果を出しやすい(しかし、ビジネスには繋がりにくい)キーワードばかりを提案してくる可能性がある。
- 短期的な順位上昇を狙うあまり、Googleのガイドラインに違反する危険な手法(ブラックハットSEO)に手を出すリスクがある。
- 特定のキーワードの順位を追いかけるだけで、サイト全体の資産価値を高めるという本質的なSEOがおろそかになりがち。
- 成果の定義を巡ってトラブルになりやすい。
長期的に安定した集客を実現し、Webサイトを会社の資産として育てていきたいのであれば、継続的かつ多角的な施策が可能な「月額固定型」のプランが適している場合がほとんどです。
無料で使えるSEO対策ツールはありますか?
はい、あります。 プロも必ず利用する、非常に高機能な無料ツールが存在します。
- Googleサーチコンソール: Google検索におけるサイトのパフォーマンスを監視、管理できる必須ツール。検索キーワード、表示回数、クリック数、掲載順位などを確認できるほか、Googleからの重要なお知らせも届きます。
- Googleアナリティクス: サイトにアクセスしたユーザーの行動を詳細に分析できるツール。どのページが多く見られているか、ユーザーがどこから来たか、サイト内での動きなどを把握できます。
- Googleキーワードプランナー: 特定のキーワードがどのくらい検索されているか(検索ボリューム)を調べられるツール。本来は広告出稿用のツールですが、キーワード調査に広く活用されています。
まずはこれらのGoogle公式ツールを使いこなすことが、SEOの第一歩と言えるでしょう。
SEO対策でやってはいけないことはありますか?
Googleが公式に定めている「ウェブ検索のスパムに関するポリシー」に違反する行為は、絶対にやってはいけません。
これらは「ブラックハットSEO」と呼ばれ、発覚すると検索順位を大幅に下げられたり、最悪の場合は検索結果からサイトが削除されたりする「ペナルティ」の対象となります。
- 主な禁止行為の例:
- 内容の薄いアフィリエイト サイト: 他のサイトからの情報をコピーしただけで、独自の価値がないサイト。
- 悪意のある動作を伴うサイト: フィッシング詐欺や、ウイルスをインストールさせるようなサイト。
- 隠しテキストと隠しリンク: ユーザーには見えないように、背景色と同じ色でキーワードを大量に記述するなどの行為。
- キーワードの乱用: ページ内に不自然なほどキーワードを詰め込む行為。
- リンクスパム: 質の低いサイトから大量にリンクを購入したり、相互リンクを過剰に行ったりする行為。
SEO対策の基本は、常にユーザーにとって価値のある、質の高い情報を提供することです。検索エンジンを欺こうとする小手先のテクニックは、いずれ通用しなくなり、大きなリスクを伴うことを肝に銘じておきましょう。
参照:Google 検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」