CREX|Consulting

SNSマーケティングコンサルティングの費用相場とおすすめ会社10選

SNSマーケティングコンサルティング、費用相場とおすすめ会社10選

現代のビジネスにおいて、SNSは顧客との重要な接点となり、マーケティング活動に不可欠なツールとなりました。しかし、その一方で「アカウントを開設したものの、成果に繋がらない」「何を発信すれば良いか分からない」「炎上が怖い」といった課題を抱える企業は少なくありません。

このような課題を解決し、SNSマーケティングの効果を最大化するための専門家が「SNSマーケティングコンサルタント」です。本記事では、SNSマーケティングコンサルティングの基本的な知識から、具体的な業務内容、費用相場、そして自社に最適なコンサルティング会社の選び方までを網羅的に解説します。さらに、目的別におすすめの会社を10社厳選してご紹介しますので、SNS運用の外部委託を検討している担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

SNSマーケティングコンサルティングとは?

SNSマーケティングコンサルティングとは?

SNSマーケティングコンサルティングとは企業のビジネス目標達成を目的とし、SNS活用に関する戦略立案から施策の実行、効果測定、改善提案までを専門的な知見に基づき支援するサービスです。単に投稿を代行する「運用代行」とは異なり、より上流の戦略部分から深く関与し、企業のマーケティング活動全体におけるSNSの位置づけを明確にする「戦略的パートナー」としての役割を担います。

現代において、SNSは単なる情報発信ツールではなく、ブランドイメージの構築、顧客とのコミュニケーション、見込み客の獲得、そして直接的な売上向上まで、多岐にわたる目的で活用されています。しかし、SNSプラットフォームのアルゴリズムは日々更新され、トレンドの移り変わりも非常に速いため、常に最新の情報をキャッチアップし、効果的な施策を打ち続けることは容易ではありません。

また、各SNS(Instagram, X, Facebook, TikTok, YouTube, LINEなど)にはそれぞれ異なるユーザー層や文化が存在し、最適なアプローチも異なります。これらの複雑な要素をすべて自社内で把握し、対応するには専門的な知識と多くのリソースが必要です。

SNSマーケティングコンサルティングは、このような複雑で専門性の高い領域において、豊富な経験とノウハウを持つプロフェッショナルが企業の代わりに、あるいは担当者と伴走しながら、成果の出るSNSアカウント運用を実現します。

具体的には、以下のような課題を持つ企業にとって、コンサルティングの活用は非常に有効な選択肢となります。

  • リソース不足: 社内にSNS運用の専門知識を持つ人材がいない、または担当者が他の業務と兼務しており、十分な時間を割けない。
  • 成果の伸び悩み: 長期間アカウントを運用しているが、フォロワーが増えない、エンゲージメント(いいね、コメントなど)が低い、売上や問い合わせに繋がらない。
  • 戦略の不在: 目的やターゲットが曖昧なまま、場当たり的な投稿を続けてしまっている。どのような指標(KPI)を追いかければ良いか分からない。
  • リスク管理への不安: どのような投稿が炎上に繋がるのか分からず、積極的な発信ができない。万が一、炎上が発生した際の対応方法が分からない。
  • 最新ノウハウの欠如: 新しい機能やトレンドの活用方法が分からず、競合他社に遅れをとっていると感じる。

SNSマーケティングコンサルティングは、これらの課題に対して客観的な分析とデータに基づいた戦略を提示し、属人的な運用から脱却させ、再現性のある成功サイクルを構築することを目指します。自社の弱みを補い、強みを最大限に活かすための羅針盤として、多くの企業で導入が進んでいます。

SNSマーケティングコンサルティングに依頼できる業務内容

SNS戦略の策定・KGI/KPI設定、市場調査・競合分析、アカウントの開設・運用代行、投稿コンテンツの企画・制作、SNS広告の運用代行、インフルエンサーマーケティング、データ分析・レポーティング、炎上対策・リスク管理、社内担当者の育成

SNSマーケティングコンサルティング会社が提供するサービスは多岐にわたります。企業の課題や目的に応じて、必要な業務を組み合わせて依頼するのが一般的です。ここでは、代表的な業務内容を9つに分けて詳しく解説します。

SNS戦略の策定・KGI/KPI設定

SNS運用で成果を出すために最も重要なのが、ビジネスゴールに直結した明確な戦略です。コンサルティングでは、まず企業の事業内容やマーケティング全体の目標をヒアリングし、SNSをどのように活用すべきかを定義します。

具体的には、3C分析(Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社)やSWOT分析といったフレームワークを用いて、市場環境や自社の立ち位置を客観的に分析します。その上で、ターゲットとなる顧客像(ペルソナ)を詳細に設定し、そのペルソナがどのような情報を求めているのか、どのSNSプラットフォームを主に利用しているのかを明らかにします。

そして、最終的なゴールであるKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)、例えば「SNS経由の売上〇〇円」「新規リード獲得数〇〇件」などを設定します。さらに、KGIを達成するための中間指標としてKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)、例えば「フォロワー数」「エンゲージメント率」「ウェブサイトへのクリック数」「UGC(ユーザー生成コンテンツ)数」などを具体的に定めます。

このように、感覚的な運用ではなく、データに基づいた論理的な戦略を構築することが、コンサルティングの最初の重要なステップです。

市場調査・競合分析

効果的な戦略を立てるためには、自社を取り巻く市場や競合の動向を正確に把握する必要があります。コンサルティング会社は、専門的なツールやノウハウを駆使して、詳細な調査・分析を行います。

ソーシャルリスニングという手法を用いて、SNS上で自社の商品やサービス、業界全体がどのように語られているかを調査します。これにより、顧客のリアルなニーズや不満、潜在的なウォンツを把握し、コンテンツ企画や商品開発のヒントを得られます。

また、競合他社のSNSアカウントを徹底的に分析します。どのような投稿がユーザーから高い反応を得ているのか、どのようなキャンペーンを展開しているのか、フォロワーはどのような属性なのかなどを調査し、自社が取るべきポジショニングや差別化のポイントを明らかにします。これらの客観的なデータに基づく分析は、勘や経験だけに頼った運用から脱却し、成功確率の高い施策を導き出すために不可欠です。

アカウントの開設・運用代行

これからSNSを始める企業や、既存のアカウントをリニューアルしたい企業向けに、アカウントの初期設定から日々の運用までを代行するサービスです。

アカウント開設では、ただ作成するだけでなく、企業のブランドイメージを反映したプロフィール文の作成、アイコンやヘッダー画像のデザイン、アカウントの世界観(トンマナ)の設定など、ユーザーに魅力的に映るアカウント設計を行います。

日々の運用代行では、策定した戦略に基づき、投稿コンテンツの作成と予約投稿、ユーザーからのコメントやダイレクトメッセージ(DM)への返信、ハッシュタグの選定など、煩雑な実務作業をすべて代行します。これにより、社内担当者は日々の細かな作業から解放され、より戦略的な業務に集中できます。

投稿コンテンツの企画・制作

SNSの成果を大きく左右するのが、投稿されるコンテンツの質です。コンサルティング会社は、ターゲットユーザーの興味関心やインサイトを捉え、エンゲージメントを高めるためのコンテンツを企画・制作します。

単に商品やサービスを紹介するだけでなく、ユーザーのためになるお役立ち情報、共感を呼ぶストーリー、参加を促すキャンペーン企画、トレンドを取り入れた動画コンテンツなど、多様な切り口で企画を立案します。

制作フェーズでは、プロのカメラマンによる写真撮影、デザイナーによる画像作成、ライターによるキャプション(文章)作成、動画編集者による動画制作など、各分野の専門家がクオリティの高いクリエイティブを制作します。特に動画コンテンツの重要性が高まる現在、内製では難しい高品質な動画を制作できる点は大きなメリットです。

SNS広告の運用代行

オーガニックな(自然な)投稿だけではリーチできる範囲に限界がある場合、SNS広告を併用することで、より効率的にターゲット層へアプローチできます。SNS広告は、年齢、性別、地域、興味関心など、非常に細かいターゲティング設定が可能なため、費用対効果の高いプロモーションが期待できます。

コンサルティング会社は、広告運用の専門家として、最適なターゲット設定、魅力的な広告クリエイティブの制作、適切な予算配分、入札単価の調整、そして日々の効果測定と改善といった一連の業務を代行します。A/Bテストを繰り返しながら広告効果を最大化し、無駄な広告費を削減することで、投資対効果(ROAS)の向上に貢献します。

インフルエンサーマーケティング

特定の分野で大きな影響力を持つインフルエンサーに商品やサービスを紹介してもらう「インフルエンサーマーケティング」は、ユーザーの購買意欲を喚起する上で非常に効果的な手法です。

コンサルティング会社は、独自のネットワークやデータベースを活用し、企業のブランドや商品と親和性の高いインフルエンサーをリストアップします。フォロワー数だけでなく、エンゲージメント率やフォロワーの属性、過去の投稿内容などを精査し、最適なインフルエンサーを選定します。

また、インフルエンサーとの交渉、企画内容のすり合わせ(ディレクション)、投稿内容の確認、効果測定(リーチ数、エンゲージメント数、ウェブサイトへの遷移数など)まで、煩雑なプロセスをすべて代行します。これにより、企業はインフルエンサーとのやり取りに手間をかけることなく、効果的なプロモーションを実施できます。

データ分析・レポーティング

SNS運用は「やりっぱなし」では意味がありません。施策の結果をデータで振り返り、改善を繰り返すPDCAサイクルを回すことが成功の鍵です。

コンサルティング会社は、各SNSプラットフォームが提供する分析ツール(インサイト)や、より高度な専門ツールを用いて、様々なデータを収集・分析します。フォロワー数の推移、投稿ごとのリーチ数やエンゲージメント率、フォロワーの属性(年齢、性別、地域)、ウェブサイトへの流入数などを詳細に分析し、何が成果に繋がり、何が課題だったのかを可視化します。

そして、分析結果を分かりやすくまとめたレポートを定期的に提出します。レポートには、単なる数値の羅列だけでなく、専門家による考察や次月以降の具体的な改善提案が含まれており、企業はデータに基づいた意思決定を下せるようになります。

炎上対策・リスク管理

SNSは情報が瞬時に拡散されるため、不適切な投稿やユーザー対応がきっかけで「炎上」に発展するリスクを常に抱えています。一度炎上が発生すると、企業のブランドイメージは大きく毀損され、回復には多大な時間と労力がかかります。

コンサルティング会社は、こうしたリスクを未然に防ぐためのサポートを行います。具体的には、SNS運用に関する社内ガイドラインの策定(投稿内容のルール、コメント対応の方針など)や、緊急時対応フローの構築(炎上発生時の報告体制、対外的な声明の出し方など)を支援します。また、常時SNS上を監視し、ネガティブな投稿が拡散する兆候を早期に察知する体制を整えることもあります。プロの視点でリスク管理体制を構築することで、企業は安心してSNS運用に取り組めます。

社内担当者の育成

最終的にはSNS運用を内製化したいと考えている企業向けに、社内担当者の育成を支援するサービスもあります。

コンサルティング会社が伴走しながらOJT形式で運用のノウハウをレクチャーしたり、SNSマーケティングの基礎知識から実践的なテクニックまでを学ぶ研修会を実施したりします。また、誰が担当しても一定のクオリティを保てるように、運用マニュアルや業務フローの作成をサポートすることもあります。

外部の専門知識を吸収し、自社の資産としてノウハウを蓄積していくことで、将来的にはコンサルティング会社に頼らずとも、自走できる組織体制を構築することを目指します。

SNSマーケティングコンサルティングを活用する3つのメリット

最新の専門知識やノウハウを活用できる、客観的な視点で分析・改善ができる、社内リソースをコア業務に集中できる

専門のコンサルティング会社にSNSマーケティングを依頼することは、企業にとって多くのメリットをもたらします。ここでは、特に重要な3つのメリットについて詳しく解説します。

① 最新の専門知識やノウハウを活用できる

SNSの世界は、まさに日進月歩です。プラットフォームのアルゴリズム変更、新しい機能の追加、ユーザーのトレンドの変化など、そのスピードは非常に速く、常に最新情報を追い続けるだけでも大変な労力がかかります。自社の担当者が片手間でこれらの情報をキャッチアップし、戦略に反映させていくのは現実的に困難な場合が多いでしょう。

SNSマーケティングコンサルティング会社は、SNSを専門領域とするプロフェッショナル集団です。彼らは常に業界の最新動向を監視し、国内外の成功事例を研究しています。そのため、企業は自ら情報収集に奔走することなく、常にアップデートされた最新の知識やノウハウに基づいた施策を実行できます。

例えば、「Instagramのリールで今流行っている音源は何か」「X(旧Twitter)でエンゲージメントを高めるための最適な投稿時間はいつか」「TikTokのアルゴリズムに評価されやすい動画の構成は何か」といった、具体的かつ実践的なノウハウを活用できるのは大きな強みです。これにより、試行錯誤の時間を大幅に短縮し、最短ルートで成果に繋げることが期待できます。

② 客観的な視点で分析・改善ができる

社内で長期間SNSを運用していると、どうしても担当者の主観や過去の成功体験に囚われ、「自社のアカウントはこういうものだ」という固定観念が生まれがちです。これにより、新しい挑戦ができなくなったり、市場の変化に対応できなくなったりするケースは少なくありません。

外部のコンサルタントは、第三者の客観的な視点で自社のアカウントを分析します。データに基づき、現状の強みと弱みを冷静に評価し、社内では気づかなかったような課題点や改善の可能性を指摘してくれます。

例えば、「商品のアピールばかりで、ユーザーが求める情報を提供できていない」「競合他社は動画コンテンツに力を入れているのに、自社は静止画ばかりで時代遅れの印象を与えている」といった、厳しいながらも的確なフィードバックを得ることで、マンネリ化していた運用を打破し、新たな成長のきっかけを掴むことができます。社内の「当たり前」を疑い、常にユーザー視点に立った改善を続けられる環境が手に入ることは、非常に大きなメリットです。

③ 社内リソースをコア業務に集中できる

SNSの運用には、戦略立案、コンテンツ企画、撮影、デザイン、ライティング、投稿作業、コメント返信、データ分析、レポーティングなど、非常に多くの工数がかかります。これらの業務をすべて社内で行う場合、担当者は多くの時間をSNS運用に費やすことになり、本来注力すべきコア業務(商品開発、営業、顧客サポートなど)がおろそかになってしまう可能性があります。

SNSマーケティングコンサルティングを活用することで、これらの煩雑な業務を専門家に任せ、社内の貴重なリソースを自社の本業に集中させられます。 これは、単なる業務の効率化に留まりません。社員が自身の専門性を最も活かせる業務に注力することで、企業全体の生産性が向上し、事業成長が加速するという、より大きなメリットに繋がります。

特に、専門人材の採用が難しい中小企業や、リソースが限られているスタートアップにとって、SNS運用をアウトソーシングすることは、機会損失を防ぎ、事業をスピーディーに成長させるための有効な経営戦略と言えるでしょう。

SNSマーケティングコンサルティングを活用する2つのデメリット

多くのメリットがある一方で、SNSマーケティングコンサルティングの活用にはデメリットや注意すべき点も存在します。これらを事前に理解し、対策を講じることが、コンサルティングを成功させる上で重要です。

① コストがかかる

当然ながら、専門家に業務を依頼するには相応の費用が発生します。SNSマーケティングコンサルティングの費用は、依頼する業務範囲や会社の規模によって異なりますが、月額数十万円から百万円以上になることも珍しくありません。特に、コンテンツ制作や広告運用まで含めると、まとまった予算が必要になります。

このコストを単なる「出費」と捉えるか、「投資」と捉えるかが重要なポイントです。コンサルティングによって得られる成果(売上向上、ブランド認知度アップ、リード獲得など)が、支払うコストを上回るのであれば、それは有効な投資と言えます。そのためには、依頼前に費用対効果(ROI)を慎重に検討し、明確な目標と達成指標を設定することが不可欠です。

また、「とりあえず専門家に頼めば何とかなるだろう」という安易な考えで依頼すると、期待した成果が得られずにコストだけがかさむ結果になりかねません。自社の課題は何か、コンサルティングによって何を実現したいのかを明確にし、その目的を達成するために必要なサービスだけを依頼するなど、賢い予算のかけ方を考える必要があります。

② 社内にノウハウが蓄積されにくい場合がある

コンサルティング会社に運用を「丸投げ」してしまうと、SNSマーケティングに関する知見やノウハウが社内に蓄積されにくいというデメリットがあります。契約が終了した途端、SNS運用のクオリティが元に戻ってしまったり、誰も運用を引き継げなくなったりするリスクです。

このような事態を避けるためには、コンサルティング会社を単なる「下請け業者」ではなく、「共に学ぶパートナー」として捉える姿勢が重要です。具体的には、以下のような対策が考えられます。

  • 定例ミーティングへの積極的な参加: レポートの内容をただ聞くだけでなく、施策の意図や分析の背景などを質問し、自社の担当者も深く理解するよう努める。
  • ノウハウのドキュメント化を依頼: 運用マニュアルやレポートの分析手法など、再現性のある形でノウハウを資料化してもらう。
  • 社内担当者の育成を契約に含める: OJTや研修を通じて、コンサルタントの知識やスキルを社内に移転してもらう。
  • 一部の業務は内製化する: 例えば、戦略や分析はコンサルタントに任せ、日々の投稿やコメント返信は自社で行うなど、ハイブリッドな体制を組むことで、実践的なスキルを身につける。

外部の専門知識を活用しつつ、それを自社の資産として吸収していく仕組みを意識的に作ることで、このデメリットは克服できます。

SNSマーケティングコンサルティングの費用相場

SNSマーケティングコンサルティングの費用は、料金体系、依頼する業務内容、その他の要因によって大きく変動します。ここでは、費用の全体像を把握するために、料金体系の種類と業務内容別の相場について詳しく解説します。

料金体系の種類

コンサルティング会社の料金体系は、主に「月額固定型」「成果報酬型」「スポット(単発・プロジェクト)型」の3つに大別されます。

料金体系 概要 メリット デメリット
月額固定型 毎月定められた一定の料金を支払う形式。最も一般的な料金体系。 予算管理がしやすく、長期的な視点でPDCAを回せる。 短期間で成果が出ない場合も費用が発生する。
成果報酬型 「フォロワー1人獲得につき〇円」「商品購入1件につき〇円」など、設定した成果に応じて費用が発生する形式。 成果が出なければ費用が発生しないため、リスクが低い。 成果の定義が曖昧だとトラブルになりやすい。短期的な成果を追い求めがちになる。
スポット(単発・プロジェクト)型 「アカウント初期設計」「キャンペーン企画・実行」など、特定の業務や期間に対して料金を支払う形式。 必要な時に必要な分だけ依頼でき、低コストで試せる。 継続的な運用改善には繋がりにくい。

月額固定型

多くのコンサルティング会社が採用している最もポピュラーな料金体系です。毎月の費用が固定されているため、企業側は予算計画を立てやすいというメリットがあります。コンサルティング、アカウント運用代行、レポーティングといった継続的な業務に適しており、中長期的な視点でSNSアカウントを成長させたい場合に最適なプランです。

成果報酬型

ウェブサイトへの送客数や商品の購入数など、明確に数値で計測できる成果を目標とする場合に採用されることがあります。費用対効果が分かりやすいのが最大のメリットですが、成果の定義を事前に厳密に定めておかないと、後々のトラブルに繋がりかねません。また、コンサルティング会社側が短期的な成果を追求するあまり、ブランドイメージを損なうような施策に走るリスクも考慮する必要があります。

スポット(単発・プロジェクト)型

「新しくSNSアカウントを立ち上げる際の戦略だけ相談したい」「特定の期間に実施するキャンペーンの企画と運用だけ手伝ってほしい」といった、限定的なニーズに対応する料金体系です。本格的にコンサルを依頼する前のお試しとして活用したり、社内リソースが一時的に不足した際に利用したりするのに適しています。

依頼する業務内容別の費用相場

月額固定型をベースとした場合、依頼する業務範囲によって費用相場は大きく異なります。

依頼する業務内容 費用相場(月額) 主なサービス内容
コンサルティング・アドバイスのみ 10万円 ~ 30万円 戦略立案の支援、定例ミーティングでのアドバイス、データ分析と改善提案など。実務は自社で行う。
アカウント運用代行 30万円 ~ 70万円 コンサルティングに加え、投稿文章の作成、投稿代行、コメント監視・返信など、日々の運用実務を含む。
投稿コンテンツ制作 +10万円 ~ 50万円以上 運用代行に加えて、投稿用の画像デザイン、動画撮影・編集など、クリエイティブ制作を行う。制作物のクオリティや本数により変動。
広告運用代行 広告費の20% (最低手数料5万円~) 広告戦略の立案、ターゲティング設定、クリエイティブ制作、効果測定と改善。広告費とは別に手数料が発生する。
包括的支援(戦略~実行・分析) 50万円 ~ 100万円以上 上記の業務をすべて含み、大規模なキャンペーン企画やインフルエンサーマーケティングなど、高度な施策まで一気通貫でサポート。

コンサルティング・アドバイスのみ

実務は自社で行い、戦略立案や分析、改善提案といった部分だけを専門家に依頼するプランです。社内に運用担当者はいるものの、戦略面で課題を感じている企業に適しています。費用は比較的安価ですが、提案された施策を実行する社内リソースがなければ成果に繋がりません。

アカウント運用代行

戦略立案から日々の投稿、ユーザーとのコミュニケーションまでを任せるプランです。コンテンツの元となる素材(写真や情報)は自社で提供し、それを元にコンサルティング会社が投稿を作成するケースが一般的です。社内に専任の担当者を置く余裕がない企業に最も選ばれています。

投稿コンテンツ制作

運用代行に加えて、投稿用のクリエイティブ制作まで一任するプランです。プロのデザイナーやカメラマンが関わるため、アカウントのブランドイメージや投稿のクオリティを大幅に向上させたい企業におすすめです。特に、ビジュアルが重要なInstagramや、動画が中心のTikTok、YouTubeなどでは効果を発揮します。

広告運用代行

SNS広告の運用を専門家に任せるプランです。多くの場合は、実際にかかった広告費の20%を手数料として支払う形式が取られます。広告運用の専門知識がなくても、効率的にターゲットへアプローチし、費用対効果を高めることが可能です。

費用を左右する要因

上記の相場はあくまで目安であり、実際の費用は以下のような要因によって変動します。

依頼する業務範囲

最も大きな変動要因です。コンサルティングのみか、運用代行やコンテンツ制作、広告運用まで含むのか、業務範囲が広がるほど費用は高くなります。

対象SNSの種類とアカウント数

運用するSNSの種類や数によっても費用は変わります。例えば、ビジュアルコンテンツの制作に手間がかかるInstagramと、テキストベースのXでは工数が異なります。複数のSNSを同時に運用する場合は、その分費用が加算されます。

投稿の頻度やクオリティ

月に投稿する本数が増えれば、それだけ工数がかかるため費用は上がります。また、投稿するコンテンツのクオリティも重要です。簡単な画像加工で済むのか、モデルを起用した本格的な写真撮影や、凝った編集の動画制作が必要なのかによって、制作費は大きく変動します。

失敗しないSNSコンサルティング会社の選び方6つのポイント

自社の課題と目的を明確にする、得意なSNS媒体や業界を確認する、実績や専門性を確認する、対応可能な業務範囲を確認する、料金体系が明確で適正か、担当者との相性やサポート体制を確認する

数多くのSNSコンサルティング会社の中から、自社に最適なパートナーを見つけるためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。ここでは、会社選びで失敗しないための6つのチェックポイントを解説します。

① 自社の課題と目的を明確にする

コンサルティング会社に問い合わせる前に、まず自社がSNSマーケティングにおいて抱えている課題と、それを通じて達成したい目的を言語化することが最も重要です。

例えば、「フォロワーを増やしたい」という漠然とした要望だけでは、最適な提案を受けることはできません。「BtoB向けのリード(見込み客)を獲得するために、30代のビジネスパーソン層のフォロワーを半年で5,000人増やしたい」のように、「なぜ(Why)」「誰に(Who)」「何を(What)」「いつまでに(When)」「どれくらい(How much)」を具体的に整理しておきましょう。

課題と目的が明確であればあるほど、コンサルティング会社は的確な提案をしやすくなりますし、複数の会社を比較検討する際の判断基準も明確になります。

② 得意なSNS媒体や業界を確認する

コンサルティング会社には、それぞれ得意な領域があります。自社が注力したいSNS媒体や、自社の属する業界での実績が豊富な会社を選ぶことは、成功の確率を高める上で非常に重要です。

  • 得意なSNS媒体: Instagramのビジュアルブランディングに強い会社、Xでのリアルタイムコミュニケーションが得意な会社、TikTokのショート動画マーケティングに精通している会社など、各社に特色があります。
  • 得意な業界: BtoCのコスメ・アパレル業界と、BtoBのIT・製造業では、効果的なアプローチが全く異なります。自社の業界での成功事例や知見を持っているかを確認しましょう。

会社のウェブサイトに掲載されている実績や、担当者との面談を通じて、自社のビジネスとの相性を見極めることが大切です。

③ 実績や専門性を確認する

過去の実績は、その会社の能力を測る重要な指標です。ただし、守秘義務があるため具体的な企業名を公開できないケースも多いです。その場合は、「どのような課題を持つクライアントに、どのような施策を行い、どのような成果(フォロワー数の増加率、エンゲージメント率の改善、ウェブサイトへの送客数など)が出たのか」というプロセスと結果を具体的に説明してもらいましょう。

また、担当者の専門性も重要です。SNSマーケティングに関する資格(例: SNSエキスパート検定)の有無や、どのような分析ツールを使っているか、最新のトレンドをどのようにキャッチアップしているかなどを質問してみるのも良いでしょう。論理的で分かりやすい説明ができるかどうかも、信頼できるパートナーかを見極めるポイントになります。

④ 対応可能な業務範囲を確認する

自社が依頼したい業務をすべてカバーしてくれるか、対応範囲を事前に確認しましょう。コンサルティング会社によっては、戦略立案やアドバイスは行うが、コンテンツ制作や広告運用といった実務は対応していない場合もあります。

戦略立案からコンテンツ制作、広告運用、効果測定まで一気通貫で任せたいのか、それとも戦略部分のアドバイスだけが欲しいのか、自社のニーズを明確にし、それに応えられる会社を選びましょう。将来的に内製化を目指している場合は、担当者の育成支援を行っているかどうかも確認しておくと良いでしょう。

⑤ 料金体系が明確で適正か

料金体系が分かりやすく、透明性が高いことは非常に重要です。見積もりを依頼する際は、基本料金に含まれるサービス内容と、オプション料金となるサービス内容が明確に区別されているかを確認しましょう。

例えば、「月額30万円」という料金に、投稿作成は何本まで含まれるのか、定例ミーティングの回数や時間はどれくらいか、レポートはどのような形式で提出されるのかなど、サービスの詳細を細かくチェックします。複数の会社から相見積もりを取り、提示された料金が業務内容に見合った適正な価格であるかを比較検討することも忘れないようにしましょう。

⑥ 担当者との相性やサポート体制を確認する

SNSコンサルティングは、企業のブランドイメージを左右する重要な業務を外部に委託するものです。そのため、担当者との円滑なコミュニケーションは成功に不可欠な要素です。

契約前の面談などを通じて、以下の点を確認しましょう。

  • コミュニケーションのしやすさ: レスポンスは迅速か、専門用語を分かりやすく説明してくれるか、こちらの意図を正確に汲み取ってくれるか。
  • ビジネスへの理解度: 自社の事業内容や業界について、深く理解しようとする姿勢があるか。
  • 熱意と誠実さ: 自社の課題を自分ごととして捉え、熱意を持って取り組んでくれるか。

どんなに優れた実績を持つ会社でも、担当者との相性が悪ければ、プロジェクトはうまく進みません。長期的に良好なパートナーシップを築けそうかという視点で、慎重に判断することが重要です。

【目的別】おすすめのSNSマーケティングコンサルティング会社10選

ここでは、SNSマーケティングコンサルティングを提供している企業の中から、それぞれ異なる強みを持つ10社を厳選してご紹介します。各社の公式サイトの情報を基に、客観的な特徴をまとめています。

会社名 特徴 得意なSNS(一例) 参照元
株式会社サイバー・バズ 大手企業の実績多数。独自のインフルエンサーネットワークを活用した施策に強み。 Instagram, X, TikTok, YouTube 株式会社サイバー・バズ公式サイト
株式会社ガイアックス 20年以上の実績。特にBtoB企業のSNSマーケティング支援や、SNS担当者の育成に定評。 Facebook, X, LinkedIn 株式会社ガイアックス公式サイト
株式会社ホットリンク ソーシャルリスニングツールを提供。データに基づいたUGC創出・売上貢献に強み。 X, Instagram 株式会社ホットリンク公式サイト
テテマーチ株式会社 Instagramマーケティングのパイオニア的存在。若年層向けトレンド分析やキャンペーン企画が得意。 Instagram, TikTok, X テテマーチ株式会社公式サイト
株式会社メンバーズ 大企業のDX支援の一環としてSNS運用を提供。Webサイトやアプリとの連携など総合的なデジタルマーケティング支援が可能。 Facebook, Instagram, X, LINE 株式会社メンバーズ公式サイト
株式会社リプカ 中小企業・ベンチャー企業に特化。低コストかつ成果にコミットする運用代行が特徴。 Instagram, LINE 株式会社リプカ公式サイト
株式会社グローバルリンクジャパン 女性向け商材に強み。インフルエンサーマーケティングやライブコマース支援も手掛ける。 Instagram, TikTok 株式会社グローバルリンクジャパン公式サイト
株式会社pamxy YouTubeチャンネル登録者数100万人超のノウハウを活かした動画マーケティング、特にTikTok運用に強み。 TikTok, YouTube, Instagram 株式会社pamxy公式サイト
株式会社ニューワールズ X(旧Twitter)マーケティングに特化。アカウントのコンセプト設計からUGC創出までを支援。 X 株式会社ニューワールズ公式サイト
株式会社PLAN-B SEO事業で培った分析力を活かしたSNSマーケティングを展開。コンテンツマーケティングとの連携も得意。 Instagram, YouTube, TikTok 株式会社PLAN-B公式サイト

① 株式会社サイバー・バズ

大手広告代理店であるサイバーエージェントのグループ会社であり、ソーシャルメディアマーケティングの領域で豊富な実績を誇ります。特に、独自のインフルエンサーネットワーク「NINARY」を活用したインフルエンサーマーケティングに強みを持っています。広告主の課題に応じて、最適なインフルエンサーの選定から企画、効果測定までを一気通貫で提供。大手企業のナショナルクライアントを中心に、多種多様な業界での支援実績があります。(参照:株式会社サイバー・バズ公式サイト)

② 株式会社ガイアックス

20年以上にわたりソーシャルメディアマーケティング支援を手掛けてきた老舗企業です。特にBtoB企業のSNS活用支援において多くの実績を持ち、FacebookやLinkedInなどを活用したリード獲得やブランディングを得意としています。また、企業のSNS担当者を育成する教育・研修プログラムも提供しており、将来的な内製化を目指す企業にとって心強いパートナーとなります。(参照:株式会社ガイアックス公式サイト)

③ 株式会社ホットリンク

高性能なソーシャルリスニングツール「クチコミ@係長」を自社開発・提供しており、膨大なSNS上のクチコミ(UGC)データを分析し、マーケティング戦略に活かすことを強みとしています。データドリブンなアプローチで、再現性の高いSNSマーケティングを実現。特にX(旧Twitter)のデータ分析と活用において高い専門性を有しています。(参照:株式会社ホットリンク公式サイト)

④ テテマーチ株式会社

「サキダチ、ヤクダツ。」をコンセプトに、企業のSNSマーケティングを支援。特にInstagramマーケティングにおいては業界のパイオニア的存在として知られています。若年層のトレンドを捉えたキャンペーン企画や、ユーザーの熱量を高めるファンマーケティングを得意とし、多くの企業のInstagramアカウントを成功に導いています。(参照:テテマーチ株式会社公式サイト)

⑤ 株式会社メンバーズ

デジタルクリエイター専門の人材が多数在籍し、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を総合的に支援しています。その一環としてSNSマーケティング支援も提供しており、Webサイト制作やアプリ開発、広告運用など、他のデジタル施策と連携させた統合的なマーケティング戦略の立案・実行が可能です。大手企業の専任チームとして常駐支援するモデルも特徴的です。(参照:株式会社メンバーズ公式サイト)

⑥ 株式会社リプカ

中小企業やベンチャー企業を中心に、SNSマーケティング支援を提供しています。比較的リーズナブルな料金設定でありながら、成果にコミットする姿勢が特徴です。特にInstagramやLINE公式アカウントの運用代行に強みを持ち、顧客獲得や売上アップに直結する施策を得意としています。これからSNSに本格的に取り組みたい企業にとって、相談しやすい会社の一つです。(参照:株式会社リプカ公式サイト)

⑦ 株式会社グローバルリンクジャパン

化粧品やアパレル、食品といった女性向け商材のマーケティングに特化しています。女性のインサイトを深く理解したコンテンツ企画や、ターゲット層に響くインフルエンサーのキャスティングに定評があります。また、ライブ配信で商品を販売する「ライブコマース」の支援など、最新のマーケティング手法にも積極的に取り組んでいます。(参照:株式会社グローバルリンクジャパン公式サイト)

⑧ 株式会社pamxy

自社で運用するYouTubeチャンネル「あるごめとりい」が登録者数100万人を超えるなど、コンテンツ制作、特に動画マーケティングにおいて高い実績とノウハウを持っています。その知見を活かし、特にTikTokやYouTubeショートといったショート動画領域でのアカウント運用支援に強みを発揮。アルゴリズムを徹底的に分析し、再現性の高いグロース戦略を提供します。(参照:株式会社pamxy公式サイト)

⑨ 株式会社ニューワールズ

X(旧Twitter)のマーケティングに特化したコンサルティング会社です。企業の課題や目的に合わせたアカウントのコンセプト設計から、共感を呼ぶコンテンツ企画、UGCを創出するためのキャンペーン設計まで、Xで成果を出すためのノウハウを網羅的に提供しています。専門性を絞っているからこその、深い知見が魅力です。(参照:株式会社ニューワールズ公式サイト)

⑩ 株式会社PLAN-B

SEOコンサルティングやWebサイト制作で有名な企業ですが、その分析力とコンテンツ企画力を活かしてSNSマーケティング支援も展開しています。SEOの観点を取り入れたキーワード分析や、オウンドメディアとSNSを連携させたコンテンツマーケティングなど、多角的なアプローチが得意です。検索とSNSの両面から顧客接点を創出したい企業に適しています。(参照:株式会社PLAN-B公式サイト)

SNSマーケティングコンサルティングを成功させるためのコツ

依頼前に目的とゴールを明確に共有する、コンサル会社に丸投げしない、定期的にミーティングを行い、円滑なコミュニケーションを心がける

優れたコンサルティング会社を選んだとしても、依頼する側の姿勢次第で成果は大きく変わります。コンサルティングを最大限に活用し、成功に導くための3つのコツをご紹介します。

依頼前に目的とゴールを明確に共有する

これは会社選びの段階でも重要ですが、契約後、プロジェクトを開始するにあたっても改めて重要なポイントです。「何のためにSNSをやるのか」という目的と、「いつまでに、どのような状態になっていれば成功と言えるのか」という具体的なゴール(KGI/KPI)を、コンサルティング会社の担当者と徹底的にすり合わせましょう。

この共通認識が曖昧なままだと、コンサルティング会社は的外れな提案をしてしまい、企業側は「期待していた成果と違う」という不満を抱くことになります。プロジェクトの羅針盤となる目的とゴールを最初にしっかりと固めることが、成功への第一歩です。

コンサル会社に丸投げしない

SNS運用は、企業の「顔」として顧客とコミュニケーションをとる活動です。そのすべてを外部に丸投げしてしまうのは非常に危険です。コンサルティング会社はSNSのプロですが、あなたの会社の事業や商品、ブランドへの想いを最も理解しているのは、あなた自身です。

コンサルティング会社を「単なる作業代行者」ではなく、「共にゴールを目指すパートナー」と位置づけ、自社の担当者も主体的にプロジェクトに関わることが重要です。例えば、投稿内容の企画会議に積極的に参加したり、現場でしか分からない顧客の声をフィードバックしたりすることで、より血の通った、ユーザーに響くアカウント運用が可能になります。

定期的にミーティングを行い、円滑なコミュニケーションを心がける

プロジェクトを円滑に進めるためには、定期的なコミュニケーションが欠かせません。最低でも月に一度は定例ミーティングの場を設け、進捗状況の確認、施策の結果報告、課題の共有、次月のアクションプランの確認などを行いましょう。

ミーティングの場以外でも、日々の細かな確認や相談は、チャットツールなどを活用して迅速に行うことが望ましいです。報告・連絡・相談を密に行い、常に認識を合わせておくことで、トラブルを未然に防ぎ、PDCAサイクルを高速で回していくことができます。良好な人間関係を築くことも、プロジェクトを成功させるための重要な要素です。

SNSコンサルティング依頼から運用開始までの流れ

問い合わせ、ヒアリング・相談、提案・見積もり、契約、運用開始

実際にSNSコンサルティングを依頼する場合、どのようなステップで進んでいくのでしょうか。ここでは、一般的な依頼から運用開始までの流れを5つのステップで解説します。

問い合わせ

まずは、気になるコンサルティング会社のウェブサイトにある問い合わせフォームや電話で連絡を取ります。この際、事前に整理した自社の課題や目的、予算感などを簡潔に伝えられると、その後のやり取りがスムーズになります。

ヒアリング・相談

コンサルティング会社の担当者と、オンラインまたは対面で打ち合わせを行います。ここでは、より詳細な課題や事業内容、ターゲット顧客、過去の施策などを共有します。逆に、企業側からはコンサルティング会社の実績や得意領域、料金体系など、疑問点を積極的に質問しましょう。この段階で、自社の課題を深く理解し、的確な回答をくれるかどうかが、良い会社を見極める一つのポイントになります。

提案・見積もり

ヒアリング内容に基づき、コンサルティング会社から具体的な施策の提案と見積もりが提示されます。提案書には、現状分析、課題の特定、具体的な戦略、施策のスケジュール、KPI、そして料金の内訳などが記載されています。内容を十分に精査し、自社の目的達成に繋がる提案かどうか、費用は妥当かを見極めます。

契約

提案内容と見積もりに納得できれば、契約手続きに進みます。契約書には、業務範囲、契約期間、料金、支払い条件、守秘義務などが明記されています。後々のトラブルを避けるためにも、契約内容は隅々まで確認し、不明点があれば必ず解消してから締結しましょう。

運用開始

契約締結後、いよいよプロジェクトがスタートします。まずは、より詳細な戦略を練るためのキックオフミーティングが行われるのが一般的です。その後、アカウントの設計やコンテンツ制作、投稿スケジュールの作成など、提案されたプランに沿って具体的な運用が開始されます。

SNSコンサルティングの費用を抑える3つのコツ

依頼する業務範囲を絞る、複数の会社から相見積もりを取る、補助金や助成金を活用する

専門家への依頼にはコストがかかりますが、工夫次第で費用を抑えることも可能です。ここでは、賢くコンサルティングを活用するための3つのコツをご紹介します。

① 依頼する業務範囲を絞る

すべての業務を丸投げするのではなく、「自社でできること」と「プロに任せるべきこと」を切り分けることで、コストを最適化できます。

例えば、戦略立案やデータ分析といった高度な専門性が求められる部分はコンサルティング会社に依頼し、日々の投稿作成やコメント返信といった実務的な作業は自社の担当者が行う「ハイブリッド型」の運用も一つの方法です。自社のリソース状況と課題に応じて、本当に必要なサービスだけを選択的に依頼しましょう。

② 複数の会社から相見積もりを取る

1社だけの提案で即決するのではなく、少なくとも2〜3社から提案と見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。複数の会社を比較することで、費用相場を把握できるだけでなく、各社の強みや提案内容の違いが明確になり、自社にとって最適なパートナーを見つけやすくなります。ただし、単純な価格の安さだけで選ぶのではなく、提案の質や担当者との相性などを総合的に判断することが重要です。

③ 補助金や助成金を活用する

企業のIT導入や販路開拓を支援するための、国や地方自治体の補助金・助成金制度を活用できる場合があります。例えば、「IT導入補助金」「小規模事業者持続化補助金」などが、SNSマーケティングのコンサルティング費用や広告費に適用されるケースがあります。

制度によって対象となる経費や申請要件、公募期間が異なるため、中小企業庁のウェブサイト「ミラサポplus」や、各自治体のウェブサイトで最新の情報を確認してみましょう。これらの制度をうまく活用することで、実質的な負担を大幅に軽減できる可能性があります。(参照:中小企業庁 ミラサポplus)

まとめ

本記事では、SNSマーケティングコンサルティングについて、その役割から業務内容、費用相場、会社の選び方、成功のコツまで、幅広く解説しました。

SNSマーケティングは、もはや専門的な知識と戦略なしに成果を出すことが難しい時代になっています。自社にノウハウやリソースが不足している場合、専門のコンサルティング会社とパートナーシップを組むことは、ビジネスを成長させるための非常に有効な手段です。

SNSマーケティングコンサルティングを成功させるための最も重要なポイントは、コンサル会社に「丸投げ」するのではなく、自社も主体的に関わり、共にアカウントを育てていくという姿勢を持つことです。明確な目的を共有し、円滑なコミュニケーションを取りながら、外部の専門知識を自社の資産として吸収していくことで、SNSマーケティングの効果を最大化できるでしょう。

この記事を参考に、自社の課題解決に繋がる最適なパートナーを見つけ、SNSマーケティングを成功に導いてください。